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ネコ好き女子、ネコ戦士になる  作者: リュウ
第5章 ネコ戦士、世界の脅威に備える

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5-7 ネコ戦士、モモイロヒヒのオスに遭遇する

王都の防壁が仕上がる頃には、かなり涼しくなっていた。

ベリー村の夏はそんなに暑くなかったけど、それでも秋の深まる季節はとても過ごしやすかった。

ベリー村は国の南の方だけど、秋には秋らしい自然の恵みもあるとのことで、

「そろそろ林にキノコが生え始めてるかもねぇ」

バーサさんがそう言うと、

「そうだな。そろそろキノコ狩りに行ってもいいかもな」

村のみんなもうなずいた。

バーサさんの店の野菜や果物は畑で育てたものだから店の商品になるけど、キノコは村の人みんなで採ってきて、みんなで食べる山の恵みということだった。

バーサさんが

「アンナ、マリア、エマ、一緒にキノコ採りに行ってくれるかい?」

と三人娘に尋ねると、

「いいわよ!」

「もちろん!」

「たくさん採れるといいわねぇ」

三人娘も快諾して、四人でキノコ狩りに行くことになった。

でも、万が一を考えて、私も護衛としてついて行くことになった。

四人は大き目の手提げカゴを持って、私はいつもの武器二本を背負って、五人で村の南門に向かった。


バーサさんが南門を開けたので、そこで私が先頭に立って周囲を警戒した。

するとモモイロヒヒの親子がリンゴを食べてたので、

「久しぶりにゃ!元気にゃ?」

と私が聞いてみると、モモイロヒヒの親はちょっと考えてからうなずいた。

子供がちょっと大きくなったみたいなので

「子供、大きくなったにゃ~、よかったにゃ!」

と言うと、モモイロヒヒの親はまた考えてから、うなずいた。

そして私が

「これから林にキノコ採りに行くから、通してにゃ」

と、一応モモイロヒヒの親に頼んでみたら、林の入り口あたりにいたモモイロヒヒの親は、少し横に寄って道を開けてくれた。

「ありがとにゃ!」

私がお礼を言うと、またモモイロヒヒの親はうなずいた。

私は四人を振り返って

「大丈夫にゃ!林に行くにゃ!」

と言ったけど、三人娘はちょっとびくついてた。

バーサさんが

「大丈夫だよ。あの子たちはあたしのお客さんだからね…ホントにあの子、大きくなったねぇ…」

モモイロヒヒの子供を見て、優しく笑った。

そしたら、何か考えてた風だったモモイロヒヒの親が

「ウォ…」

と私に向かって何か訴えかけるような声を出した。

…何か…気をつけろ、みたいに言ってる…?

なんとなくそう感じたので、

「ありがとにゃ!気をつけるにゃ!」

私はモモイロヒヒに言っておいた。


林の入り口から、私を先頭にしてみんなで歩きながら、目についたキノコを少しずつ採って行った。

私は鼻を上に向けて、モンスターの匂いがしないか警戒しながら歩いていた。

すると、少し先の木から一斉に鳥たちが飛び立った。

なにかが、来る。

身構えた私の鼻に、モモイロヒヒの親子と同じような…でももっと濃い匂いが入ってきた。

「…みんな、そこで止まってにゃ」

私がそう言うと、

バーサさんたち四人の動きは、ぴたっと止まった。

鳥が飛び立った木の向こうに、大きな影が見えた。

ピンク色の…モモイロヒヒのオスだ。

メスより少し大きくて、ピンク色の体毛に包まれている。

ギルド長に前に聞いた情報によれば、モモイロヒヒのオスは繁殖期が終わったら、自分のつがいのメスや自分の子供にも襲い掛かるとのことだった。

タネだけつけて、その後は妻子に暴力振るうとか…

こいつはモンスター界のDV野郎だ。

私は殺気をこめた目で、モモイロヒヒのオスをにらみつけた。

モモイロヒヒのオスは、動きを止めて、少し身震いしたように見えた。

私は、この世界に降り立った頃の私とは違う。

今の私はもう、多分、立派なネコ戦士だ。

私は背中の武器を抜いて両前脚に一本ずつ持って、構えた。

「…それ以上近づいたら、倒すにゃ…」

私がそう言うと、モモイロヒヒのオスは後ずさった。

オスにも言葉は通じるみたいだ。

「これから先もずーっと、その木よりこっちに来たらダメにゃ…来たら、倒すにゃよ…」

モモイロヒヒのオスは、林の奥に向かってすごい速さで走って行った。


「モ…モモちゃん…」

バーサさんの声がしたので、私は一気に緊張を緩めた。

「大丈夫にゃ。これであいつ、当分は来ないにゃ」

私が笑うと、三人娘もほーっと長く息を吐いた。

するとエマが

「…なんで今、あいつを倒さなかったの…?」

と私に聞いてきた。

なので私は

「あいつは多分、バーサさんのお客さん親子のダンナで父親にゃ。モモイロヒヒ一家の縄張りは決まってるから、それは間違いないはずにゃ」

と答えた。

バーサさんが、はっとした顔をして

「…そうか、あの子供もそのうち育って親から離れる。そしたら、お母さんはまた次の子供が欲しくなる…その時に父親がいないと、もうあのお母さんは子供を持てなくなるんだね…」

と言った。

「そういうことにゃ。さぁ、キノコ採って帰るにゃ!」

私がそう言ってみんなを促すと、みんなはまたキノコを採り始めた。

そしてそれぞれのカゴがたくさんのキノコでいっぱいになったので、みんなで村に戻った。

村に戻るなり三人娘が

「ねー!!モモちゃん、すごかったのよ!!」

と村のみんなに大声で言い始めた。

…働き始めても、おしゃべり好きは変わらないんだねぇ…と、私はため息をついた。

 

今日もネコは、元気です。でも一緒に寝てると体が動かせなくて、朝起きたらあちこち痛いです…

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