表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネコ好き女子、ネコ戦士になる  作者: リュウ
第5章 ネコ戦士、世界の脅威に備える

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/168

5-6 ネコ戦士、己の本心を知る

いつも通り、カールさんが荷車を引いて私についてきてくれた。

いつもなら四つ足でカールさんの先に立って走るんだけど、せっかくのお休みなんだし…と思って、私は二本足でゆっくり歩いて、カールさんの隣に並んだ。

「アンナたち、働き始めたんだにゃあ」

と私が言うと、カールさんは

「ああ、モモちゃんがあんなに頑張ってるんだから!ってな。モモちゃんのおかげだな」

と笑った。

「みんな明るくて優しくていい子にゃ。働き者になって、さらにいい子になったにゃ」

私の言葉に

「…だからって、好きだとは思えないけどな」

カールさんはそう言った。

そして

「まだ、俺にとっての一番はモモちゃんだよ」

と言った。

なので私は

「まだってことは、この先はわからないにゃ?」

とカールさんに向かって笑って言った。

「…揚げ足取るなよ…」

カールさんはちょっとすねたようにそう言った。

私はまた笑って、

「じゃあしばらく、カールさんの一番でいてあげるにゃ」

とカールさんに言った。


なんだか楽しい…というか、笑えてきた。

前世の私はアラサーオタク女子で、リアル男子とこんな風に気軽に話すようなタイプじゃなかった。

ていうか、ほぼ喪女だ。

今の私はネコだから、カールさんとも気軽に話せるのかな?

私が笑いながらカールさんの隣を歩いてると、

「…しばらくってのは、山みたいなドラゴンが現れて、モモちゃんがそれを倒すまでか…?」

とカールさんが真面目な顔で言った。

「そういうことになるのかにゃ…?」

私の言葉に、カールさんは立ち止まって

「…だったら、山みたいなドラゴンなんて、現れなけりゃいい」

と返してきた。

そして

「今んとこ、山みたいなドラゴンは見つかってないんだろ?だったらもう、現れないかもしれないだろ?そしたら、モモちゃんはずっとこの世界にいられるんだろ?」

とカールさんは畳み掛けるように私に向かって言った。

カールさんの言葉に、私の思考は停止した。

そして、カールさんの言葉をゆっくりと、心の中で咀嚼し始めた。

もし山みたいなドラゴンがこのまま現れなかったら?

…山みたいなドラゴンを倒したら、私はこの世界から元の世界に戻る…みたいなことをギルド長は言ってた。

ギルド長の言葉通りだとしたら、山みたいなドラゴンが現れなければ…

私はこのまま、この世界で生き続けられる…?!

そして、山みたいなドラゴンが現れて、それを私が倒したら…前世の私は死んでるんだから…

私は どこにも い な く な る …?


私は急に怖くなってきて…恐ろしくてたまらなくなってきて、がくがくと震え始めた。

前世で死んで、いなくなった私は、この世界からもいなくなっちゃう…?!

…怖い

怖い

イヤだ…!!

「モモちゃん!どうしたんだ?!」

震え始めた私を見て、カールさんが叫んだ。

心配かけちゃったんだ…

でも

怖い…!!

「私…私…イヤにゃ…この世界からいなくなるなんて…イヤにゃ…!!」

私の目からは涙があふれてきた。

「大丈夫だ、モモちゃん!!」

カールさんは、震える私を抱きしめた。

「きっと…きっとなにか方法があるはずだ!ギルド長さんとかモンスターの研究してる学者先生とか、みんなを巻き込んで、みんなで考えるからっ…だから、泣くな…!!」

カールさんに強く抱きしめられて

「…にゃああああっ!!」

私は、声を上げて泣いた。


私はしばらく、カールさんに抱きしめられたまま泣き続けた。

私の背は低いから、膝をついたカールさんの肩に顔をうずめて。

「ごめん…ごめんな…モモちゃんがこんなにも不安だったなんて、知りもしないで…」

と、カールさんは私に謝った。

カールさんは何も悪くないのに、謝らせてしまった。

「ごめんなさいにゃ…カールさんは悪くないのに…謝らせて…ごめんにゃ…」

私の涙は、まだ止まらなかった。

でも、いつまでも泣いてるわけにはいかない。

私はやんわりとカールさんの肩を押して体を離して、右前脚で涙をふいた。

「…ありがとにゃ。カールさんにホントの気持ち聞いてもらって、ちょっと落ち着いたにゃ」

私がカールさんに笑いかけると、

「でもっ…」

カールさんは、まだ戸惑ってるようだったけど、

「ホントの気持ちをちゃんとわかってくれてる人がひとりいるだけで、私は幸せにゃ」

無理やりじゃない笑顔で、私はカールさんにそう言えた。

するとカールさんもちょっとほっとした顔をして

「そうか…また不安になったり泣きたくなったりしたら、俺に言ってくれよ」

と言ってくれた。

私はうなずいて

「その時はまた、甘えさせてもらうにゃ」

と笑った。

ちょっと心が軽くなった私は、モールの群れを見つけて、オオツラーオの武器と炎雷の合体武器を同時に投げた。

一番大きなモールに当たった二本の武器は、モールを一撃で仕留めて皮をきれいにむいてから、私の手元に戻ってきた。

「…すげぇ技覚えたな…」

カールさんがドン引きでそう言った。

我ながらすごい技だわ…

次は一撃で解体までできるかも…と私は思った。

 

うちのネコはあまりへそ天で寝ません。…私は信用されてないんでしょうか…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ