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ネコ好き女子、ネコ戦士になる  作者: リュウ
第15章 ネコ戦士、悩みを抱える

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15-10 ネコ戦士、森林地帯の復活を知る

フリーザードラゴンが狂いかけるという一件から一ヶ月ほど過ぎて、ベリー村にも時々雨が降る…梅雨に近い季節になった。

ベリー村に降る雨は少ないけど、ベリー村北西から南にかけての森林地帯は雨が多く、その地下水脈から引いているため、村の井戸にはいつもたっぷりと水があった。

ベリー村に雨が少し降る時期には、森林地帯は雨季になるとのことだ。

デッガー火山をモンスターの神様が壊した後、森林地帯がどうなっているのかが気になった私は、様子を見に行ってみることにした。

「ちょっと森の様子を見てくるにゃ!」

と私が言うと、バーサさんが

「そうだね、モモイロヒヒの様子も気になるよねぇ」

と言った。

モンスターの神様から聞いたこの世界の成り立ちは、みんなにも話したから、みんな、ヒトの祖先だっていうモモイロヒヒのことを気にかけるようになったみたいだ。

「ひとりで大丈夫かい?」

カールさんが心配そうに言うので、

「ひとりの方が早く動けるにゃよ」

と笑って返すと、ジンさんが

「足手まといがいねぇからなぁ」

と、にやっと笑った。

うん、足手まといなんて言ったら失礼だけど、ギルド長やケラーさんと一緒に行った時には、自分のペースで走れなかったもんねぇ…

「んじゃ、ちょっとだけ行ってくるにゃ!」

私はバーサさんからもらったベリーの実をポーチに入れて、出発した。


気になってたのはリンゴの木が枯れてた南の方だけだったので、私は南門から外に出た。

いつも畑のリンゴの木のとこにはモモイロヒヒの母子がいるから、ちょっと挨拶を…と思ったら、なぜかオスもいて驚いたけど、少し太って元気になってるみたいだ。

「にゃ?なんでここにいるのにゃ?」

と言うと、オスはちょっとびくっとした後、私に向かって頭を下げた。

母子が落ち着いた様子だったから、どうやらオスに暴力を振るわれてたわけじゃなさそうだ。

するとオスが私に向かって手招きみたいな仕草をしたので

「何にゃ?」

と聞くと、なんか…ついて来いって言ってるみたいだった。

モモイロヒヒのオスが森の中に入って行くので、その後をついて行ってみると…

「…花が咲いてるにゃ…!!」

春先にはすっかり枯れて、花のひとつもついてなかったリンゴの木々に、花が沢山咲いていた。

そして、すこしだけど実もなっていた。

「良かった…良かったにゃあ…!!」

白い花々の咲くリンゴの木は、森の復活を表しているようだった。

モモイロヒヒのオスは、また私に頭を下げた。

「私じゃないにゃ。あななたちの神様が火山を壊してくれたからにゃよ」

私はそう言ったけど、オスはまた頭を下げた。

もしかして、リンゴあげたり縄張りを広げたりしたことへのお礼かな?

「いいのにゃ。リンゴをあげたのも、縄張りを広げたのも、私が勝手にやったことにゃ」

私が笑いながらそう言うと、オスはじっと私の話を聞いていたので、私はふと思いついたことを言ってみることにした。

「…ちょっとだけお願いにゃ。メスや子供に暴力振るったりしないで、みんなで仲良く暮らしてほしいにゃ」

そう言いつつ、モモイロヒヒのオスが繁殖期以外狂暴なのは本能なんだから、無茶なお願いだなと自分でも思った。

でも、オスは大きくうなずいた。

そして上を向いて

「ウオォ…」

と叫ぶと、森のあちこちから沢山のモモイロヒヒが…オスもメスも子供も集まってきた。


私の世界のネコの集会みたい…と思っていると、

「ウオ、ウオオ、ウォ」

と、私について来いって言ったオスが言った。

”…我ら…群れになる…”?

えっ?!

モモイロヒヒの言葉、わかったんだけど?!

「みんなで群れになるのにゃ?!」

びっくりしてそう問い返すと、モモイロヒヒたちはみんな、うなずいた。

「ウオオ、ウオ、ウォウ」

仲良く、みんなで暮らす…?

信じられない。

信じられないけど、確かにそう言った。

「みんなで仲良く暮らすにゃ…?」

また、モモイロヒヒたちはうなずいた。

本能を抑えて、ホントに仲良くできるのかな…と思ったけど…そうだ。

モモイロヒヒはヒトの祖先だったんだ。

…なら、きっと大丈夫だ。

私はすっかりうれしくなって

「約束にゃよ!あなたたちの神様も見てるにゃよ!!」

とモモイロヒヒの群れに向かって、笑って言った。

するとモモイロヒヒたちは、みんな上を向いて

「ウオオォ…ウオォ…!!」

誓う、あなたに、神に。

そう言った。


「みんなで仲良く暮らすんにゃよーっ!!」

私はモモイロヒヒたちにそう言い残して、さらに南へと四つ足で走り始めた。

枯れていたリンゴの木が復活しただけじゃない。

木々の(した)()えの雑草も青々と茂ってる。

森を抜けるとそこには。

草原が広がっていた。

ギルド長とケラーさんと来た時には枯れ草だった草原も、元通りになってる。

このままじゃ砂漠になっちゃうんじゃないかって思ってたのに。

私は草原を走り回った後、全速力で南門に向かって走った。

そして南門を開けて村に戻り、

「森が元に戻ってたにゃーっ!!」

と叫ぶと、みんなが一斉にこっちを見た。

「枯れてたリンゴの木が、元気になったのかい…?!」

バーサさんが目を見開いて言った。

「そうにゃ!雑草も元気になってたにゃ!!それに、モモイロヒヒたちがみんなで群れになって仲良く暮らすって約束してくれたのにゃ!!」

と言うと、みんなびっくりして、

「ってことは、もうオスはメスや子供に暴力を振るわなくなったってことかい…?」

「そりゃすげぇ」

って言ったけど、

「モモちゃん、モモイロヒヒの言葉がわかったのかい…?」

カールさんがそう言って、私は固まった。

そうだ、それがすごいナゾなんだった…

仔馬のノアの言葉もはっきりわかるようになったし…

もしかして私…先祖返り…モンスター返り?してるの…?!

 

明日から第16章開始です。今日のネコは、起きたらすぐに東の窓辺に行って日向ぼっこしてました。五月にしては寒いので、ネコ的にはちょっとイヤみたいです。

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