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星読みのシュナ。家族に捨てられましたが、もふもふと出会い幸せになりました。  作者: 四季 葉
第2章 灰色のもふもふ

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黙っていたこと

 「キャフ、キャフ! ワフッワフッワフッ!」


 さらさらとした新雪をかき分け、オニキスは洞窟前の雪原を元気に走り回っていた。もちろん洞窟の出口から直ぐのところである。

 洞窟の中で、猟師道具の手入れをしている僕の位置からでも、オニキスのもふもふの尻尾と直立の耳の先端が飛び跳ねるたびに見えていた。

 今日の日中は雪が止み、昨日降った新雪を踏みしめ思いっきり駆け回り心ゆくまで遊んでいるのだろう。怪我も完全に良くなり、元気に走り回る姿は見ていて心が温かくなるものだ。これは、どこからどう見てもただの子犬にしか見えなかった。


 そう、昨日の出来事がただの夢だったのではないかと思えるくらいに――



 ここ最近、ちょっとおかしなことが続いていた。本当に大したことではないが…やっぱりなんか気になるそんな出来事だ。

 僕は相変わらず火打石で、火をつけるのが苦手だった…。

 器用でなんでもそつなくこなす弟のレイと比べ、自分で言うのもなんだが…僕は昔からどんくさかった。みんながすぐにできるようなことでも、僕だけが、できるようになるまでかなりの時間がかかっていた。


 石を打ちつけて火花を飛ばし藁に小さな火をつけるところまではできるが、薪には移らずにすぐに消えてしまう。

 でもここ最近…不思議なことにちょっと目を離した隙に、藁から薪に火が移り燃えているのだ。始めは火花が飛んでくすぶっていた小さな火が、たまたま大きくなったんだと思っていたが…似たようなことが何回も続いていた。


 さすがにおかしいと思った僕は、昨日いつものように火打石で打ちつけ火をつけようとしたけどやっぱり火はつかず諦めるフリをして、薪の傍を離れると物陰にこっそりと隠れたのだ。


 するとさっきまで、その辺の小枝で遊んでいたオニキスがてくてくとやってきたのだ。しかも、周りの様子を気にしながらである。


 辺りをきょろきょろ見回し僕の姿が見えないのを確認すると、鼻先を藁に近づけふーとひと吹き。口から細く火を吹くと、藁に火をつけたのだ。ぼっと藁に火が広がると、すぐそばの薪にも火が移り燃え上がる。


 オニキスは火がつくと満足そうな顔でうんうんと頷き目を細めていた。

 そこで僕が物陰から、がばっと姿を現すと、


 「キャうっ!!」


 驚いたといった感じで鳴き声を上げると、気まずそうに視線を泳がせたのだ。


 「火は、いつもオニキスが付けてくれていたんだね」

 「キュゥ~」


 僕はいつものように話しかけているつもりなんだけど、オニキスはなぜか落ち込んでいた。

 もふもふの尻尾も心なしかしょんぼり垂れているし、耳もしゅんっと伏せている。


 やっぱりオニキスはただの子犬ではなかったのだ。なんとなく分かってはいたことだけど…。オニキスとしてはそれを知られたくなかったのかもしれない。

 僕はしゃがむと子犬の姿をしたオニキスに語りかけたのだ。


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