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星読みのシュナ。家族に捨てられましたが、もふもふと出会い幸せになりました。  作者: 四季 葉
第2章 灰色のもふもふ

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洞窟の探索へ

 

 ――呼吸するたびに、肺に冷たい空気が入りこんでくるようだ。

 おかしいと思った。どうりで頭上のごつごつした岩に氷柱がいくつも下がっているわけだ。前から何となく気づいてはいたが…どうやら祭壇の間は、ほんのりと暖かいようだ。


 シュナはマフラーを首元から引き上げると口と鼻を隠すようにする。空気があまりにも冷たすぎて体によくないからだ。


 だがその途端、服の中でごそごそとなにかが動き回る。シュナはため息を吐くと上着の留め具を二つほど外す。すると、その隙間から黒い鼻とマヅルが見え灰色の直立の耳がぴんと立つ。服の中からオニキスがよいっしょと、もふもふの顔と前足をちょこんと出してきたのだ。


 「先まで寒くて服の中に潜って寝ていたのに、外の様子がやっぱり気になったのか?」

 「キュウ…」

 「まったく、しょうがない奴だな」


 そう言いながらも、シュナは笑いながらオニキスの頭を優しく撫でていた。


 シュナたちは今、祭壇の間から出て洞窟の内部を探索している最中だ。

 洞窟の内部は幾重にも分岐しており、シュナは道に迷わないよう目印を付けるため白く尖った小石と、念のためにもう一つ。祭壇の間のあった白い砂利を一袋持ってきたのだ。


 今日は自分の体力とオニキスの体調も考え、祭壇の間からそれほど遠くには行かないつもりだ。ある程度、計画を立て調べる場所は絞っている。


 しかし祭壇の間から離れれば離れるほど…かなり冷え込んできたことに正直驚いていた。以前はまったく気がつかなかったが…周りを見れば氷柱を多く見かけるようになったし、厚い氷で覆われ凍結した地面もおおくなってきている。厚手のブーツを履いているとはいえ、極寒の暮しに慣れているシュナでも慎重に歩かなければ危険な道だ。


 それに加え、洞窟内は暗く普通の人間であれば灯りなしに進むことはできないが、それでもシュナは昔から人より夜目が利く。だから慎重に歩いていれば問題はないのだ。


 今日は左側の通路を調べる予定だ。

 オニキスが初めにいた場所とは反対側に進むことになるが問題はないはず。そうやってしばらく道なりに歩いていると…予想通りいくつかの分岐点が現われる。分岐に差し掛かると小石で白い印をつけ進む。その繰り返しだ。やっぱり迷路のような構造になっていてやっかいだな。

 洞窟内を調べていくと一番多いのは行き止まり。次に同じ場所をぐるぐる回るパターン。それらの道をひとつずつ確実に潰していく。今のところ魔物に遭遇することなく進めてはいるが決して油断はできない。


 かなり慎重に進んでいるシュナだが…彼の服、首の下辺りから顔を出しているオニキスはいたってマイペースだった。

 眠たくなって欠伸をしたと思うとシュナの服に潜り込み、ぱちっと目を覚ますとまたこうやってシュナの服の前の留め具の隙間から顔をだし、前足をぶらぶらさせ、周りをきょろきょろと見ていたのだ。

 今も、黒い鼻でくんくんと何かの匂いを嗅ぐような仕草をしている。

 だが急にオニキスは目をキランっと輝かせると――シュナの服からぴょんと跳び降りたのだ。


 オニキスはシュナの様子など気にもせず、四本足で上手に着地すると黒い鼻を上に向け、ひくひくと匂いを嗅ぐ仕草をする。すると一目散に走りだしたのだ。


「――!!」


 これにはシュナもさすがに慌てた。

 シュナはオニキスの姿を見失わないように全力で走って追いかけることになる。洞窟の分岐点では、石で傷をつける方法は間に合わないので、白い砂利を手に掴み下に撒くようにし必死にオニキスの後を追いかけたのだ。


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