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 僕は……  作者: イナカのネズミ
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 〜  流れ行く日々 ドイツ編 山荘での日々 ①  〜

 〜  流れ行く日々 ドイツ編 山荘での日々 ①  〜




 ドイツのケルンの近くアイフェル近郊に山荘を借りた僕とメリッサ……

 ドイツの森に囲まれた静かで自然豊かな環境は最高であったのだが電気も水道もガスも無いという生活をする事になるのであった。



 「食料品は後少しあるけど……」

 「そろそろ、今日ぐらい買い出しに行く?」

 僕がキッチンの戸棚の中をを見ながらメリッサに尋ねる。


 「当然でしょう!行くに決まってるじやないのよっ!」

 メリッサは買い出しに行く気満々である……その理由は……

 「お酒がもう無いのよっ!」

 「それにチーズももうないじゃないっ!」

 メリッサはこの世の終わりのような表情である。


 メリッサにとってお酒は生涯の友である。

 因みに、フランス人はチーズが無いと生きていけない……と言われるほどチーズが大好きです。

 


 簡単な朝食を済ませて山を降りる。

 駐車場に停めてあった車に乗り込むと勢いよく走り始める。


 「ちょっと……メリッサ……」」

 「スピード早くない?」

 明らかにいつもより早い車のスピードに僕は恐怖を覚える。


 20分ほど車を走らせて小さな町の商店街で車を停める。

 

 車を降りると食料品店に向かう。

 店内に入るとメリッサは他には目もくれず一直線にお酒売り場に向かう。


 僕はメリッサの後をカートを突いて歩く。

 ビールとワインを10数本をカートに入れる。

 次に向かったのは食料品売り場である。

 陳列棚を見て歩いているとチーズの前でピタリと立ち止まり、ジッと陳列棚のチーズを見ている。


 メリッサは陳列棚のチーズを1つ1つ手にして吟味している。

 チーズを品定めするメリッサのその目付きはプロの仕入れ人の目である。

 その目は僕の背筋がゾッとするほどである。


 「ダメね……」

 「カネツグ、次の店にいくわよ」

 メリッサはそう言うと手にしていたチーズを陳列棚に戻す。


 「えっ!?」

 僕が驚くがメリッサは全く動じる事なく店を後にする。

 僕は急いでレジでワインとビールの代金を支払うとメリッサを追いかける。


 車を更に走られそれなりの規模の都市に出るとメリッサは手当たり次第に食料品店に入る。


 数件の食料品店を見て回った後で偶然に乳製品の専門店に出会す。

 メリッサは鼻息を荒くして一直線にその店に向かう。


 勢いよく店に入ると陳列ケースに並べられたチーズに更に鼻息を荒くする。

 まるで冬眠から覚めたばかりの熊である。


 「これと、これと、これと、これと、それに……」

 「……あれと、あれも……」

 メリッサはもの凄い量のチーズを店のおばさんにオーダーする。

 よく見るとメリッサは常温でも長持ちする物を選んでいるようである。


 「……」

 店のおばさんもメリッサのあまりの勢いに唖然としている。


 大きな紙袋に2つのチーズを買い込んでメリッサは満足そうである。

 この後で真空パックのソーセージ、サラミソーセージや缶詰め、レトルト食品を買い込んで帰るのであった。

 パンや果物や野菜は地元で調達することにしている。


 そして、もう一つかなり深刻な問題ある……

 携帯電話やノート型パソコンの電源である。

 僕もメリッサも携帯電話やノート型パソコンを使うからである。

 こんな山奥の山荘でも携帯電話の電波はしっかりと届いているからである。


 とりあえず、山荘の管理人らしいおじさんに尋ねて見る。


 "Batterie? Mobiltelefon?"

 おじさんはそう言うと小さく頷き石組みの家の中に入り暫くすると何かを持って出てくる。

 "Es handelt sich um einen tragbaren Generator."

 おじさんが持ってきたものは携帯発電機であった。


 "Ich habe es bei Amazon gekauft."

 おじさんはそう言うと発電機を僕に貸してくる。

 小型のクーラーボックスぐらいの大きさでソーラーパネルが付属品で付いている。


 大量の荷物を持ってこの山道を登らなけばならないと思うと少し憂鬱になる僕であったのだが……

 

 メリッサは殆どの重い荷物を持って難なく山道を登って行く、その後を軽い荷物を持って僕がヨタヨタと着いていく。


 なんだがメリッサはここに来てから以前より元気で力強なったような気がする。


 帰ると窓際の陽当たりの良い場所にソーラーパネルを設置する。


 メリッサはストーブとサウナの薪に火を入れている。

 僕は買い込んだ食料品を食品棚に片付けている。


 僕もメリッサも、ほんの数日ですっかり山荘暮らしが板についてきている。


 ベーコンをフライパンでじっくりと焼きチーズを切ってトマトを輪切りにして添える。

 買って来た葉野菜を湧き水で洗って切り、オリーブオイルにワインビネガー、塩胡椒を少々を入れてドレッシングを作る。


 ライ麦パンを切って焼いたベーコンを乗せて簡単な夕食の完成である。


 典型的なファーストフードであるが素材が良いと環境が良いので凄く美味しい。

 食後の後でコーヒーを飲んでひと息つく。

 

 メリッサは買って来たビールを何本か裏の湧き水で冷やしている。

 サウナ上がりに飲むようである。

 

 日が暮れて辺りは暗闇に包まれる。

 オイルランプの温かいオレンジ色の灯火に心が癒される。


 サウナに入りメリッサと一緒にビールを飲む、メリッサは3本、僕は1本で十分である。


 洗濯物を洗ってストーブの横に干す。

 間違っても洗濯物がストーブの上に落ちないようにしっかりと洗濯挟みで止める。



 そして、就寝の時間となるのだが……

 これからが僕にとっては荷物を持って山道を登るよりも遥かに過酷な重労働の時間になるのである……



 〜  流れ行く日々 ドイツ編 山荘での日々 ①  〜


 終わり


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