塔の下
ライトを先頭に左側をシルヴィアとブラーブが歩き、少し遅れてヤンスがついてくる。ヤンスの腹部のベルト部分がライトになっており、足元を照らした。タワーが燃えていることもあり、夜道を歩くには支障のない明るさが確保できていた。
「おーい、ちょっと、待ってくれ!」
「おまら歩くのが速くないか?」
ヤンスの呼吸が速くなっている。付いていくのが結構厳しいみたいだ。
「すぐそこなんだから、小走りでいかなくても。」
ヤンスの感覚だと彼らは競歩しているように感じた。
「あいつは何を言っているんだ?」
いったん立ち止まり、ブラーフはライトに聞いた。
「歩くのが速いと文句言ってます。」
「ん?太り過ぎじゃないのか?あいつは貴族かなんかなのか?」
ヤンスは重そうな大型のリュックを背負っていたが、付いてこれないのはヤンスが太っているせいだと思った。
「少しゆっくり歩きましょうか、」
15分ほど歩いて半分ほどの距離になっていた。一団は速度を落として、進みだした。
ほどなく、タワーの下についた。
「しかしなんだこの塔は、壁がツルツルで境目がないぞ。」
「どこだ入り口は?あそこに大きな扉があるぞ!」
ブラーブはペタペタタワーの壁を触っていた。
シルヴィアはタワーを見上げていた。時折タワーの上部で爆発が起こり、煤のような粉が落ちてきた。
「これは、少し危ないかも。少し離れた方が良さそう。」
「オレが使った入口を探します。少し離れておいてください。」
ヤンスは、タワーから離れ、荷物をそばに置いてつぶやいた。
「こう見るとでかいな。船から見たときは、針金みたいだっだのにな。」




