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永劫
少し強めの風が吹き付ける、荒れた土壌の断崖絶壁に一人の少女が眠っている。その横で別の少女が風に揺られながら絵を描いている。
「完成。タイトルは、寛容の精神。抽象的過ぎた?」
その絵を少女は眠る彼女の脇に置く。そこにはすでに何十枚と絵が束になっている。
聳え立つ崖の眼下には広大な海が静かに波打っている。果てしなく、どこまでも広がっている海。視界にとても収まりきらない。壮大な存在感に包まれ、自分などとても小さく無力な一点に収束する。
「次はお前の描く番だからな」
その少女は満足そうにほほえむと、その場から立ち上がり海が広がる壮大な景色を後にする。少女はただ前だけを見つめ歩いていく。強風が吹き荒れ、絵が散り散りに空に舞う。
少女は振り返ることなく一言つぶやく。
「役柄のない“あなた”へ。さようなら」
~END~




