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新人
ブー、ブー。
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成瀬のスマートフォンが震えた。
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「?」
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画面を確認した成瀬が、小さく息をつく。
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「あー、悪ぃ、航」
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「うちも仕事入った」
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「ってなわけで」
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成瀬はひらひらと手を振る。
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「任せた」
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「待て」
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「頑張れ先輩」
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「だから俺も新人だっつってんだろ!」
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成瀬は笑ったまま、その場を去っていく。
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「おい!」
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呼び止めても振り返らない。
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「……マジかよ」
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航は深いため息をついた。
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新人が新人を教える。
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意味が分からない。
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(いや、どう教えろって言うんだよ……)
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自分だって入ったばかりだ。
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教えられることなんて、ほとんどない。
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「……雑すぎるだろ」
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ぼそりと呟く。
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その時だった。
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「原田」
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また声がした。
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今度は別の職員だった。
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「来たぞ」
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「……え?」
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航は顔を上げる。
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「新人」
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数秒。
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航はゆっくり振り返った。
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そこには、一人の男が立っていた。




