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神に抗う者達の天地開闢物語  作者: ゼツボウ君
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ゼラファーに封印されし怪物

ゼラファーでの生活3日目、今日はレミアに国の外で仕事をさせてもらうことになっている。

昨日の王宮内での俺の体験をレミアに話したところ、「それなら女王特例のティモルをいくつかあげる。」と言ってくれたが、折角の機会だ。ゼラファーの文化を知るためにも一般の魔物と同様の方法でティモルを手に入れたい。

そう頼むと普段の魔物の仕事について教えてくれた。

まず魔物には肉体的に進化してきた者とそうでない者がいる。

前者は国の外に出て動物を狩ったり、武器を作るための材料をあつめてくる。

それを国に収めることによってティモルを手に入れることができる。

一方後者は一般的に戦闘能力が低く、国の外に出ることはあまりない。

そのような魔物達は飲食店や武器屋を開いて、生活を営んでいる。

料理や武器などの商品とティモルの物々交換だ。

俺は一応料理もできるがこの世界の食材や調味料の味については無知に等しい。

したがって今日は城外で何体かの動物を狩ることになった。

(昔やった、モンスターをどんどん狩っていくゲームの主人公になった気分だ。)

俺達は外出する準備を終えるとレミアの部屋を後にし、城の中枢となる大部屋、スレイタムへとやってきた。

スレイタムは王国の幹部達とレミアによって魔物の生活や政治、法律の改正などの話し合いがされる場少年らしい。

<みんなお疲れ様。>

レミアはスレイタムに入ると何体かの魔物と挨拶を交わした。

俺はレミアに続いて中に入る。

するとそこにいた3人の魔物の視線を一斉に浴びた。

(そういえばこいつらのリーダーは俺に喰われたんだったな。きっと恨まれてるんだろうな俺。)

俺は最悪その幹部達3人からタコ殴りにされるんじゃないかと思ったが、幹部の反応は俺の予想とは違うものだった。

<あなたがシュウヤ様ですね?私はリデーノと申します。よろしくお願いします。>

<あ、はい。こちらこそよろしくお願いします。>

思いっきりぶん殴られると思っていたのでリデーノに公明正大に挨拶されて、ついボカーンとなってしまった。

<そうでした。他の幹部を紹介したします。左側からミーテェルとレザネルクです。>

<はじめまして>

<お見知り置きを>

残りの2人も笑顔で挨拶してくれた。

俺は<こちらこそ。>と返事を返す。

その後、幹部3人はレミアと何やら難しそうな話を始めた。

どうやら俺に対する敵意はないらしい。 

〜10分後〜

<……それと、今日ちょっと席を外すわ。3人とも私がいない間この国をお願いね。>

<<<はっ!>>>

話も終了して俺達はスレイタムを後にし、国外へとやってきた。そしてそのまま巨大な山の中に入る。

「なぁ。具体的にはどんなのを狩ればいいんだ?」

「それは自由よ。あまり力に自信のない魔物は小さい動物を狙ったりするけど、シュウヤなら問題ないでしょう。」

初めは国内で食事を作る時に必要となる材料の調達だ。ベテルでお金儲けをするのとやることは何ら変わらないな。

しばらく山道を進むと、ちらほらと動物が姿を現すようになってきた。

<この辺りでいいでしょう。さぁ始めましょうか。>

50分後に再び合流することを条件に俺達は二手に分かれて狩りを始めた。

レミアによると自然界の動物に絶滅危惧種のような狩ってはいけない動物はいないが、1人あたい1日3匹以上殺してはいけないという法律があるらしい。

ゼラファーの動物にはどんなのが居るかわからない。よってどの動物が美味しいのかもわからない訳だ。

なので俺はなるべく大きなやつを狙うことにする。

俺は大物を求めてさらに山の奥地に侵入した。すると

「ん?」

急に山の景色が変わった。

何かが山の中で暴れたかのように何本もの樹木がなぎ倒されている。

「近くに何かいるな。この辺りを創作してみるか。」

俺はそこの周辺地域を見て回った。

魔物の気配は読み取れるのだがそれ以外の動物の気配は拾えないので目を使って探し出すしかない。

しかし山を荒らしたと思われる獣の姿は見当たらなかった。それどころか他の動物の姿もない。

「あまり使いたくはなかったんだけどなぁ。仕方ねぇ。」

俺は見通しの良い場所に移動し、光のエネルギーを解放する。

「アラムーテ・ハイラン・オポレイント・セイレーン」

俺は自分でも訳の分からん呪文を口にする。

何故かは知らないがこの呪文を唱えた時にのみ使える能力があるのだ。

自分でも意味のわからない呪文をどうして知っているのかというと、故郷で事件が起きたあの日以降に初めて見た夢の中で俺がそう言っていたからだ。

その夢を見た日の翌日にそれを真似してみたところ、能力が発動したという訳だ。

「全てを照らせ!ビヨンド・ザ・エクラ」

俺がそう唱えると、辺りは白い光に包まれた。

この能力は周りの空間を光で包みこむ。そしてその中に存在する全ての能力エネルギーを感知し、その場所を正確に特定することができるというモノだ。

俺は再び動物探しを始める。しかし感知できるエネルギーはどれも強大ではなく、それほど強い獣は見当たらなかった。

しかし

「なんだあれは」

俺は山のさらに奥地に不思議なエネルギーを感じた。

そのエネルギーは何かに封じ込められているかのように小さかったが、8種類のエネルギーが1カ所に集中している。

そしてそれとは別に強大な封印能力のエネルギーを感じた。

どうやらそのエネルギーの持ち主は何かの能力によって封印されているようだな。

「1つの個体に8種類のエネルギーか。非常に興味深い。見に行ってみよう。」

俺はエネルギーの感じられる場所を目指して山の中を突き進んだ。

「どんどん険しくなっていくな。」

そこはまるで侵入者を阻むかのように険しい道のりだった。

(いいねぇ。ワクワクするねぇ。)

故郷の山でのことを色々と思い出す。

初めて熊を狩った日。毒キノコを食べて遊んだ日。蛇をブンブン振り回した日。少年時代の記憶が蘇る。

俺は軽い興奮状態となり、昔のように呑気に山を走り抜けた。

テンションが高かったために、気づくとかなりの速度で走っていた、

「ふぅここか。」.

そうして俺は不思議なエネルギーを感じる場所へとやってきた。

「何もないな。んー、あぁ下か。」

なんの変哲もないTHE山といった場所だったが、謎のエネルギーはそこの地中から感じられた。

俺は一応地下に行くための仕掛けはないか調べてみる。

しかしぱっと見何かの仕掛けがあるわけでもなかった。

雑草が邪魔で捜索しずらかったので少し掃除してみる。

「おー。これは?」

地面に生えていた雑草を薙ぎ払ってみたところ、地面に独特な紋章が描かれていた。

しかしこれまでに見たモノとは少し違った。

その紋章はかなり大きく、紋章というよりもかすれたゼラファーの文字のように見える。予測を含めて和訳してみた。

<選ばれし転生者よ。その力を紋章に注ぎたまえ。さすれば扉は開かれよう。>

少し和訳をミスったかもしれないが、大体こんな感じの内容だ。

「ふーむ。とりあえずレミア呼ぶか。あいつが1番選ばれし転生者ってのの可能性がありそうだし。」

俺はレミアにもこの紋章を見せるために、一旦レミアの元へと向かった、

〜5分後〜

レミアは紋章を見て顎に手を置いて考え込んだ。

「こんなモノがあったなんてね。」

どうやらレミアもこの紋章のことは知らなかったらしい。女王が知らないのだから現代の魔物は1人たりともこの紋章のことを知らないのだろう。

ということは少なくともこれが作られたのは1790年以上前ということになる。

「この中には何かが封印されているみたいなんだ。俺はそのエネルギーを感知した。どうしてもそれが何なのか気になってな。それでレミアを呼んだんだ。」

「そうね。確かに気になるわね。」

レミアも興味を持ったらしく、反対することなく紋章に手をかざしてくれた。

そしてそのまま体内エネルギーを流し込む。

(私のじゃ何も起こらないみたいね。……ちょっと試してみようかしら。)


シュピーン


妙な音がして、紋章が光輝いた。

次の瞬間、地面が二分して地下へと続く巨大な階段が姿をあらわした。

「すげー。」

「さっ、行ってみましょ。」

俺達はその階段を降りて地下へと向かう。

非常に長い階段だ。すでに400段ほど降りている。

この階段は永遠に続くのかと思いきや、

「ゴールが見えたわ。あの扉の先ね。」

流石にゴールは存在していた。

ここまで厳重に封印されている何か。今までの興奮は綺麗さっぱり消え、緊張感が湧いてきた。

そうして扉の前までやってきた俺は扉に手をかける。

「開けるぞ。」

「えぇ。」

扉を開いて中に入ると、そこにはベテルの宇宙空間のような景色が広がっていた。

何となくだがここはゼラファーとは別次元空間のような気がした。別次元に封印されているエネルギーを感知したというのもおかしな話ではあるんだが。

「シュウヤ、あれ!」

レミアが指差す方向を見てみると、鎖で縛られた巨大な黒い球があった。

そしてその鎖の結合部にはまたもや紋章が。

「きっとあの中だな。」

「鎖、解く?」

俺はここで手を引いた方がいいんじゃないかと思ったが、レミアを巻き込んでおいて今更引き下がれないとも思ったので、「頼む。」と返事をした。

レミアは黒い球にそっと近づき、紋章に手をかざす。

すると、鎖はちぎれて中の黒い球はみるみるうちに膨張して破裂した。

「レミア、大丈夫か!」

「えぇ。私は平気。でも…あれは。」

黒い球の中からとても大きな怪物が現れた。

足と手は無いが、8つの頭と尻尾をもつ怪物。

その姿はまるでベテルの神話に登場する八岐大蛇のようだった。

長い封印から目覚めて気分が悪いのか、イラついているのか、その怪物はかなりの興奮状態だった。

怪物は俺の姿を確認するとまっすぐ俺に向かって突っ込んで来た。


「上等だ!オラー!」


俺も獣目掛けて突撃した。

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