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神に抗う者達の天地開闢物語  作者: ゼツボウ君
20/63

前日準備

今回は編集前には無かった付け足しの物語を描いていきたいと思います。

ちゃんと元の話の流れに戻れるようにしていくつもりです。

ではよろしくお願いします。

〜話は現在に戻る〜

NEOの極秘ファイルを除く全ての資料を読み終えた俺はアジトを後にし、自分の家へと帰ってきた。

結局通常の資料からはこれといって興味深い記述は見つけられなかった。

残念ながら極秘ファイルの開き方を俺は知らない。いやおそらく総帥以外の全てのメンバーが知らないだろう。

とにかくアジトの情報網ですら役に立たないない以上このままベテルにとどまっていても好ましい情報を得ることは期待しづらい。

やはりレミアの言うように実際にゼラファーに行ってこの目で確かめた方がいいだろう。

しかし問題はレミアが再びベテルにやってくるのはいつなのかということ。できれば他のメンバーには気づかれずに出発したい。

レミアと一緒にいるところを誰かに見られでもしたら敵に寝返ったなどとと勘違いされかねないからな。

まぉ魔物の襲来がレミアの仕業ではない以上俺がベテルを空けている間に何体かの魔物が現れてもおかしくはない。

だからせめて総帥には事情を話しておくべきなのかもしれない。

「それにしても適当に時間を置いてまた来るとは言ってたけどいつ来んのかなぁ…ん?」

自分の部屋で30分ほどそんなことを考えていると携帯にメールの着信音がなった。

「休日だっていうのに珍しいな、誰だ?」

すぐさまメールを開き、差出人の名前を確認してみるとそこにはフユミと書かれていた。

「フユミ?なんであいつが。」

なんだか少しいやーな気配もするのだが無視して怒られるのも嫌なので渋々内容を確認してみる。


“明日の朝9時よ。あなたのことだからどうせ忘れてると思ってメールしたわ。”


「ご名答…」

レミアと会って色んなことを考えていたせいですっかり忘れていたが明日はフユミとのデートの日だった。

危ない危ない、もう少しで約束をすっぽかして後々ぶっ殺されるところだった。事前に伝えてくれてマジで感謝〜だな。

「まぁとりあえず”忘れてないよ。“っと」

僕が返信ボタンを押すとものの2秒で返信が返ってきた。


“今ご名答とか呟いていたじゃない。”


僕はそのメールを見て凍りついた。

恐ろしい内容だ。まるで俺のことをどこかで監視しているかのような…そんなセリフだった。

いや、それよりもさらに怖いのは俺がメールを出してから返信が返ってくるまでの時間があまり短すぎる。

返信速度から考えて俺の返答メッセージは読んでいない。

「なんじゃこりゃ、きっとどこかにカメラでも…ん?」


“カメラなんて仕掛けてないわよ?”


「怖ーー!!!」


俺を恐怖のどん底に叩き落とすように追い討ちのメッセージが送られてきた。

ここまで来るともはや恐怖でしかない。あいつの前ではプライバシーなど無いも同然だ。

俺は心に浮かんだセリフをそのままメールに乗せてフユミに送りつける。


“人権侵害だぁあ!”


〜フユミ視点〜

「ふふっ、返信は来ないけどきっと今怖ーー!!!とか言ってるわね。」

きっと今頃シュウヤ君は全てを見透かされて慌てふためいていることでしょう。取り乱した彼がどんな返答をするのか楽しみです。

数日前から試行錯誤して何度も実験した甲斐がありました。

まぁ一応私の予想が全て外れているという可能性もあるのですが今は考えないようにしましょう。

(次は何と言って困らせてあげようかな)と思っていたのですが私がいいアイデアを思いつく前に彼の方からメールが届きました。


“人権侵害なぁあ!”


「やった!」

これはもう私の完全勝利という他ありませんね。上手い具合にシュウヤ君のことを操ることができました。

ひょっとしたら「何言ってんだお前?」などと言われるのではないかと心配していましたが作戦は大成功だったようです。

まさかシュウヤ君も私が上手いこと誘導したとは思っていないでしょう。

ケータイをいじっている私のテンションが急激に上昇していることは悟られないように追い討ちのメールを出します。


“そう言うってことはやっぱり忘れてたのね。”


ここではあえて怒り気味のようなメールを出してみました。

こうすればきっとごめんなさいごめんなさいってがむしゃらになって謝ってくるメッセージが返ってくることでしょう。

しかし


“はい、すみません。フユミ様の粋な計らい誠、誠に痛み入ります。”


「ありゃりゃ…」

残念ながら今度のメッセージは私の予想していたモノとは大きく異っていました。

「まだまだだなぁ。」


〜シュウヤ視点〜

フユミ様はとても恐ろしいお方のようだ。

アニメでよく見る未来余地というものを現実世界でやってみせたのだから。

能力者でもないというのになんて女だ。

とにかくこれからは今まで以上に自分の行動には気をつけなければならない。

故に今送った謝罪のメッセージにおいても本来はごめんなさいを連呼していたところをしかしそれでは鬱陶しいと思われるだろうと思い、俺の僅かな語彙力を使ってなんとかそれっぽい文章を作ってみたわけだ。

しかしこのメッセージ

についてフユミがどう感じるのか分からないのでとりあえず次の返信を待つ。

間もなくしてメールの着信音がなった。

「おっと、来た来た」


“分かればよろしい。”


「ふぅ…」

文脈から察するにそれほどお怒りではないようだ。

「これで一安…ん?」


“でもね…”


少ししてフユミからとても短文のメッセージが送られてきた。

とても短く、ごくありふれた文章なのにどこか強い圧を案じる…

(次のメッセージで俺の生死が…)

俺は固唾を飲んで再びメールの着信音が鳴るのを待った。

しかし中々次のメールが送られてこない。

まるで次になんて言うか悩んでいるみたいだ。

(何をしてるんだ?)

この沈黙がまた緊張感を引き立てやがる。高校受験の面接本番の時を遥かに上回るプレッシャーだ。

さっさと次のメッセージを見てこの緊張感から解放されたい。

俺は冷や汗をかきながら次のメールを待った。


〜5分後〜

ようやくフユミから新着メッセージが届いた。

ほんの5分程しか経っていないはずなのにえらく長い時間待たされたように思える。

俺はびしょびしょになった右手の人差し指を動かして恐る恐るメールを開く。


“楽しみにしてるんだから、明日の9時忘れずにちゃんと来なさいよね!”


「バンザーーイ!」

フユミは今のところ全然怒っておらずむしろ明日のデートを楽しみにしてくれているようだ。

というわけで俺はまだあの世に行かなくていいようだ。

「ごめんよ、まだ僕には帰れる所があるんだ。こんなに嬉しいことはない。」

つい感動しすぎてこんなことを言ってしまったが後々冷静になってから思い出してみるとかなり滑稽なことを言っていた。

結局どんなに良いセリフを真似ても使い所を誤ってしまったらそれはもうなんの意味ももたないのだ。

(…っていうか無駄にビビリすぎだな俺。)

その後俺はサラッと返信を出してケータイをスリープさせた。


〜フユミ視点〜

「あぁ〜!送っちゃった!」

たった今私は流れに身をまかせてとても恥ずかしいメッセージを送信してしまいました。

あんな事を言ってしまえば流石に鈍感な彼でも私の気持ちに気付いてしまったかもしれません。

かといって今更送信をを取り消すこともできません。今頃彼は私からのメールを読んで動揺してるに違いありません。

「あわわわらわ、どうしよう…ん?」

私がとまどっていると思いの外早くシュウヤ君から返信が届きました。


“りょ〜か〜い、俺も楽しみにしてるよ〜。”


「…」

つい言葉を失ってしまいました。

私がメールを出してからリバースされるまでの経過時間とこのメッセージ内容から察するに彼は私の気持ちには全く気付いていないようです。

大方「これなら殺されなさそうだぞ、バンザーイ!」などとほっとしてサラッと書いた文章なのでしょう。

しかしあそこまでストレートなコメントにも全く動じないなんて…正直ここまで鈍感だとは思いませんでした。

「はぉ…」

でも何故でしょう。彼から返信が届くまでは恥ずかしいから私の気持ちを察して欲しくないなどと思っていたのに、実際に気持ちが伝わらなくて少し残念に思っている自分がいるのは


こうして彼とのメールのやりとりは終了しました。

私的には少しやらかしてしまった部分もありましたが、とりあえずはデートの約束も忘れていた愚か者を懺悔させることはできたので良しとしておきましょう。

「さてっ」

私はケータイを枕元に置いたままベッドから起き上がり、寝巻きの第1ボタンに手をかけました。

今日は家から外出する予定はなかったので1日中寝巻きのままで過ごしていましたが明日は待ちに待ったデートです。気合を入れて臨まない手はありません。

明日のために私に似合う服装を探しておきましょう。

私が上から下へとボタンを外していくとそれに伴って黄色い布が体の中央で左右に分かれていきます。そして寝巻きの内側からは真っ白な私の素肌が…

そうして全てのボタンを外し、まっぱの一歩手前になった私はタンスの引き出しを開けて、今の自分に似合いそうな服装を探してみます。

(今思うと私って意外と服少ないわね…)

今は夏なので出来るだけ涼しげな服装で尚且つ可愛げのある物を取り出してベッドに並べていきました。

「あっ…」

次の瞬間私は引き出しの中に眠っていたある物を見て固まってしまいました。

(ん〜まぁ明日着ていくわけではないけど一応…)


〜20分後〜

「こんな感じかな…」

服装探索の結果、白のブラウスや黒のタンクトップ、ダークグリーンのハイネック、紺色のベストなど数種類の衣類を候補に挙げました。そしてこの黒のセーラー…

これは中学3年生の終わり、卒業前の最後の思い出を作ろうと開かれたお別れ会でとても仲が良かった友人からいただいた物です。

デートに着るような物ではありませんが、あれから一度も着てなかったので一応試着してみたいと思います。

「それにしても…」

ハイネックを持って鏡の前に立つとそこには黒髪ロングの女の子がほとんどまっぱ状態で立っていました。

私は何となく自分の胸部についた脂肪の塊を触ってみました。

「あんまり大きくないなぁ…」

中学校卒業から今現在にかけてほとんど成長していないソレを私はコンプレックスに思っています。

男性が身長を気にするように女性はここのサイズを気にする生き物なんです。

大きい人には大きい人で抱える悩みがあると聞きますが、それを差し引いたとしてもやはりもう少し大きくしたいです。

「そういえばシュウヤ君はどんな体型の子が好きなんだろう…」

私は以前彼に好みの性格は聞いたことがあるのですが理想の体型についての話は聞いていないので今の私がシュウヤ君好みなのか少々不安になってしまいます。


キニシナイデダイジョウブデスヨ。

イイカラダシテマス


「あのね、変態みたいなこと言わないでくれる?」


コレハシツレイ


「いい?明日デート中は一切口出し禁止よ、分かった?」


ワカッテマスヨ

ウマクイクコトヲイノッテイマス


「あ、ありがと…」

(まぁこれをデートなんて思ってるのは私だけかもしれないけど。)

…とにかく今は明日の服装選びに専念するとしましょう。

私は手に持っていたハイネックの袖に腕を通しました。


「んー…」

正直に感想を言うと、私がハイネックを着るのは可愛くないわけではないのですが、私の若さに合っていない気がしました。

つまりこういう服装はもう少し大人っぽい女性の方が似合うという意味です。

私の場合あと10年ほどしたらいい感じになりそうですね。


「んー、これはちょっとなあ…」


「んー、悪くないけど…」


「似合わなっ!」


とまぁこんな感じで様々な服装を試してみましたがどれもイマイチ、というよりもシュウヤ君の隣を歩くのには似合いそうにありませんでした。

「これが1番イイかな。」

数十分間試行錯誤した結果、私的には中々似合っている服装を発見しました。

あれこれと試したものの結局最後はsimple is the bestみたいな結果だったんですけどね。

まぁあとはシュウヤ君の感想を待つことにしましょう。

「それじゃあ片づ、あっ…」

明日着ていく服装が決まって一安心した私が他の服をかたそうとしたその時、ベッドの上に取り残された黒のセーラーが目に入りました。

「着ていく服は決まったけど、まぁ着でみようかな。」

私は最後にセーラーの袖に腕を通してみました。

かれこれ2年前にもらった物ですが体型がほとんど変わっていないお陰で今でもサイズはピッタリ。

学校の制服でもないのにセーラーを着て、まるでコスプレをしているような気分です。

「さてどうかなぁ。」

次の瞬間私は鏡に映った自分を見て思考が停止しました。

黒髪ロングに黒のセーラー、どちらかというとクープ系な鋭い目つき。今までの服装から得られるモノとは全く違ったドS女みたいなイメージ。

そう、これはまさしく


コオリノジョウオウデスネ


「人の気にしていることを吐露するな!」


コレハコレハ、ハハハ

デモワタシテキニハソレガイチバンニアッテイルトオモイマスヨ。


「たしかにそうかもしれないけどデートにセーラー服なんて着ていけるわけないでしょ!?」


ソウデスカ…

デハ、イッソノコトセイフクデートトイウコトニシテミテハ?


「却下です!デート中だけではなく今から黙ってなさい。」


ハイハイ


私はセーラー服を脱いでタンスの1番下の引き出しの1番奥にそれをしまいました。

今後私があれを着ることはないでしょう。

(あ、あんな恥ずかしい姿、シュウヤ君が見たいって言ったって見せてあげないんだからね。)


フラグタチマシタネ


「たってなーい!」

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