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〈第四十四話 想像力が大事です〉

 


 あれから二日、私は村に逗留した。



 一日目は、全体魔法の訓練。



 ヒスイの神殿を借りて練習した。

 ゲームじゃあ、全体魔法の呪文を詠唱したら、簡単に魔法が発動される。

 けど、この世界、現実は違った。

 確かに呪文はあるんだけど、高度になるほど、発動時間が長くなる。実際やってみて分かった。



 魔法発動までの時間の省略。



 それが、目下の課題だ。

 それが出来ないと、先制攻撃には使えないし。



 シュリナとヒスイ曰(いわ)く、呪文の省略。



 イメージと魔力を連結させる。



 それが出来れば、十分、先制攻撃に通用出来る。

 にしても、魔法がこんなに想像力が必要なんて思ってもみなかったよ。マジで……



 二日目は、蘇生草とは違う薬草園を見せてもらい、薬草について色々教えてもらった。

 勿論、あの入浴剤の作り方も教えてもらったよ。

 早速、ホルンに戻ったら作ってみよう!



 次の日。

 三日目の朝だ。



 私たちが眷族の村を去るまで、巫女長スイは何も言わなかった。触れてこなかった。



 緑の髪に、尖った耳。

 スイがエルフであることは、その見た目ですぐに分かる。

 彼女自身、隠そうともしていなかった。



 それを見て、彼女が〈森の民〉の一人だと容易に推測出来た。



 実際、スイの容姿は、目をくり抜かれたあの族長の顔に、どことなく似ていた。

 おそらく、血縁者だと思う。



 スイの心中は想像出来ない。



 加護を外した以後も、スイは心底からヒスイを崇拝し、大切に思っている。その表情からもよく分かった。



 それは、ここにいる眷族全員も同じだった。

 限られた人数の中で、当然〈森の民〉と親しくしていた人もいたはずだ。もしかしたら、家族ぐるみで仲良くしていたかもしれない。



 でも、最後まで、彼らは私に対して、負の感情を見せることはなかった。スイも。



 それを不思議に思いながらも、私は深く考えるのを止めた。

 考えても仕方ない。それが正直な気持ちだった。



 ただ……全員、深々と頭を下げた光景を、私は忘れてはいけないと、心からそう思った。







◇◆◇◆◇







「お帰りなさいませ。大変なお役目、無事終えられたことを、緑の大陸に住む者として、心から感謝致します。……ビャッコ様、おめでとうございます」



 転移魔法で、ホルンの変態双子の屋敷に戻ってきた私たちを、セシリアたちは温かく出迎えてくれた。



「セシリアさん、皆さん、ただいま!」

「ムツキ様、変態双子がご迷惑をお掛けしませんでしたか?」



 にっこりと微笑みながら、訊いてくる。



 あー。その質問は無しで。

 無言が答えです。察して下さい。

 皆の視線が痛い。私を見ないで。



「……何があったのでしょうか? ミレイさん、教えて頂けますか?」



 私が話さないと分かったセシリアは、ミレイに矛先を向ける。

 ミレイが黙り込む必要はない。



「ミカ様が、ムツキ様を風呂場に拉致しようと。後、二人して、風呂場を覗こうとなさっておりました。それから……」

「まだあるの!?」

「はい。実は、何度も深夜に浸入しようと……」



 変態だ。

 完全に危ない人たちだ。犯罪だよ、犯罪。君たち、王族だよね。

 引くわ~~。本当に引く。

 知らないところで、私の操はミレイたちの手で守られた。



「ミレイ、ありがとう」



 ミレイの手をとり、心から感謝する。



「セッカとナナにも声掛けして下さい。あの子たちも頑張りましたから」



 こんな小さな子が、遅くまで起きて、私の操を守ってくれたことに涙がでそうになった。



「ありがとう!! セッカ、ナナ!!」



 双子をギュッと抱き締める。



「「当然です。主の操を守るのも、私たちの役目ですから」」

「眠くない?」

「「大丈夫です」」



 健気だ。

 マジ、可愛い。

 もう一度、ギュッと抱き締める。その背後から……



「「いいなぁ~~」」



 不埒な声が聞こえてきた。

 ついでに、冷気もひしひしと押し寄せてきた。

 アホだ。



「……そうですか。そんなことが……ご安心下さい、ムツキ様。この変態は、私の方できっちりと矯正させて頂きます」



 そこには、にこやかに微笑む鬼がいた。





 お待たせしました("⌒∇⌒")

 最後まで読んで頂き、本当にありがとうございますm(__)m

 書き方を少し変えてみました。

 こちらの方が読みやすいかな?

 それでは、次回をお楽しみに(*^▽^)/★*☆♪

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