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〈第十三話 副業じゃないけどハマってます〉

 


 人目がない町外れ。



 ちょっとした雑木林の中。



 地面に鮮やかな水色の魔方陣が浮かび上がると、直ぐに消えた。



 前日はしとしとと雨が降っていたが、一夜明けて、朝から快晴。



 カラッと晴れている。カラッとね。他の大陸はどうか知らないけど、朱の大陸には梅雨がない。ジメ~とくる湿気に悩まされることがないのは、本当に幸せだとつくづく思う。日陰が涼しいって感じるからね。



 私たちを連れて、ジェイが移動してきたのは、国境に一番近い町セキだった。



「二人とも、今日はセキで一泊な」



 早朝に出発する、国境行きの乗合馬車に乗るためじゃない。ジェイの魔力を回復するためだった。



 転移魔法はその言葉通り、瞬時に別の場所に移動出来る、超便利な魔法だ。だがその反面、便利だが、リスクもあった。



 術者が一度行ったことがある場所にしか、移動出来ないこと。

 そして、最大のリスクは、かなりの魔力を消費することだった。



 通常でもかなり魔力を消費するのだが、移動距離や人数によっても消費量は大幅に変わる。



 王都からセキまでは、乗合馬車で二、三週間かかる距離だ。ましてや、人数が二人増え、従魔トリオも増えた。セキから国境までは乗合馬車で一日弱。直接、国境まで跳べるが、それから先、翠の大陸側の国境沿いの町まで跳ぶのに、途中で魔力切れをおこすかもしれない。



 というわけで、セキで一泊することにしたのだ。



「ジェイさん。直ぐに、セキに行かなくちゃいけませんか?」

「どうした?」

「少し、薬草を採取していきたいんですけど」



 予備はまだ十分ある。だけど、いつ必要になるか分からないし、採れるうちに採っておこうと思ったからだ。乾燥して潰せば荷物にはならない。この陽気だと、晩までにはカラカラに乾燥しそうだしね。



「時間に余裕あるしな。構わないぞ。俺も手伝う」



 快く了承してくれる。



(ちょっと待って!)



「ジェイさんは休んでて下さい。ミレイ、ジェイさん頼むね」



 お茶でも飲みながら待ってもらってる間に、少し採取出来ればいいかなって、思ってたんだけど。



「ムツキ、俺はそんなにやわじゃないぞ。で、採るのは回復草でいいか?」



 ジェイは苦笑する。そこまで言われて、断るのもなんだし、私は素直に甘えることにした。



「はい。ありがとうございます。後出来れば、毒消し草などの薬草もお願いします」

「ああ。分かった。何かあったら、迷わず大声を上げるんだぞ」



 ゴールドクラスに言う言葉じゃない。だけど、私はすっごく嬉しかった。自然と、顔に笑みが浮かぶ。



「はい! ミレイも手伝ってくれる?」

「勿論です」



 それから小一時間、私たちは薬草採取に勤しんだ。









「結構採れたね」



 分別すると、回復草だけで、大きな紙袋一袋分になった。毒消し草も多くはないが、そこそこ採れた。小さい紙袋ぐらいには。



(これくらいあると、色々試せるよね)



 あまり作り過ぎるのも困るので、そんなに頻繁にはポーションとか作らないんだけど、作る時は、水や薬草の分量を変えたりしながら、実は色々試していた。



 忘れがちだが、一応、亜神である私が作る薬は、基本加護がついている。



 例えば、ただのポーションのつもりで作っても、特上ポーションが出来てしまうとか。毒消し草を混ぜてみたら、特上ポーションに毒消しの効能がプラスされてたとか。一般には、毒消し草を混ぜても毒消しの効能はつかない。出来るのは、中級ポーションなんだよね。



 だから、どんなものが出来るか楽しくて、色々いろんなものを混ぜたりしている。【鑑定】のスキルを持ってるから、直ぐに何が出来たか分かるしね。



 結構、ハマってる。



「朱の大陸は採れる薬草が決まってるが、翠の大陸なら、色んな種類が採れるぞ」

「色んな種類!!」

「マヒ草とか眠り草とかーー」

「本当に!?」

「……ああ」



 興奮して、思わずジェイに詰め寄る。戸惑うジェイに気付かずに、私は満面な笑みを浮かべ、翠の大陸に思いをせた。





 お待たせしました("⌒∇⌒")


 次から、いよいよ翠の大陸に突入!!


 それでは、次回をお楽しみに(*^▽^)/★*☆♪

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