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〈第十一話 死ねない死者〉

 


 かなり前の話だと思っていたけど、まさか、二百年以上前の話だったとはーー。流石の私も、ビックリした。



 まぁ、伊織さんが大賢者だってことは、納得出来るけどね。



 それよりも、王陛下であるジェイさんが重要なことを知らなかったことに、私とシュリナたちは呆れていた。この大陸のトップが知らないのだ。おそらく、宰相さんたちも知らないだろう。



 ーーもしくは、最大最悪の汚点だから、闇に葬り去られたか。



 どちらにせよ、ジェイは知らないのだ。仕方ない。



「それじゃ、一から説明するね」



 私は軽く溜め息をつくと、二人のギルマスに視線を合わせた。



「どこから説明しようかなぁ。……まず、ゼノムが掛けられた【呪い】についてかな。ゼノムたち、眷族を殺した人に掛けられた【呪い】は、殺した人数×最低百回の死を体験しないと死ねないこと。但し、殺した者の年齢に比例して、死ぬ回数は増えるけどね。特にゼノムに関しては、首謀者として、殺された全ての命を背負うこと。つまり、一万回近くは死なないと死ねないよね。まぁ、【呪い】が解けても、残りの人生〈永久奴隷〉として生きるんだから、それはそれで、地獄だよね」



「…………つまり、ゼノム=ユリアスは生きている可能性がある、ということか」

「…………」

「というよりは、生きているでしょうね」



 疲れ果てたような、力ない声で、ジェイは答えた。ケイは無言のままだ。



「それから、この【呪い】を掛けたのは、シュリ様や長老様たちじゃないよ。この【呪い】を掛けたのは、伊織さん。私のお師匠様だよ。といっても、孫弟子だけどね」

「「ーー!! ムツキが、イオリ様の孫弟子!!」」



 ジェイとケイは一瞬、驚愕の表情を浮かべるが、すぐに納得したのか黙り込む。



「何故、その場に伊織さんがいたのか。それは、シュリ様や長老様たちと交流があったから。……他に、疑問点はありますか?」



 私は二人に、伊織さんが神殿に呼ばれた理由を話さなかった。



「いや、ない」



 ジェイは短く答える。

 私は少しの間を空けた後、核心をついた。



「……ジェイさん、ケイさん。今回の件は、ゼノムが裏で暗躍していると考えた方がいいと思います」と。



 現に、ゼノムは私に敵愾心を持っていたリクに接触した。

 おそらく、黒いローブを着た者は、ゼノムの格下か、ゼノム自身。そう考えるのが自然だった。

 つまりそれは言い換えれば、ゼノムは私たちの行動を監視しているということだ。それが分かった上で、私は「暗躍している」と告げた。



「それはまず、間違いない」



 ゼノム=ユリアスが生きているのなら、全てが辻褄があう。ジェイはそう確信していた。



「今まで、存在を知られないようにしていたのに、姿を現したのは、スザク様が目覚め、〈護りて〉が選ばれたことが切っ掛けだと捉えた方がいいな」



 ジェイとケイの言葉に、私は頷く。



 ーー逆恨みからくる復讐のためか。

 それとも、【呪い】の苦しみから解放して欲しいからなのか。



 理由は分からないが、只言えることは一つ。



「奴は絶対に、我々に接触してくるだろうな」



 シュリナの一言が、重く私にのし掛かる。



「とりあえず、結界の件があるので、私はこのまま、皆と翠の大陸に向かいたいと思います。それから、大事な人とは出来るだけ、接触を避けるようにします」

「ムツキには、辛い思いをさせるが、少しだけ我慢して欲しい」

「ケイの言う通り、少しの間だけだ。必ず、ゼノムの居場所を突き止める!! ムツキにこれ以上悲しい思いをさせないから、安心しろ!」



 力強く、ケイとジェイは断言した。



 ほんと。格好いいなぁ、二人とも。



「ありがとうございます。ジェイさん、ケイさん。でも、無理はしないで下さい」



 私は立ち上がると、二人に頭を下げた。



「ケイ、お前がこの件に関して、指揮をとれ! 俺はムツキに同行する!」



 はい? ジェイが同行……?



「えっ! えーーーー!!!! ちょっと駄目だよ!! ジェイはギルマスだし、王様だよ。王様が大陸を離れてどうするの!!」



 突然の宣言に、慌てふためく。

 しかし、ケイは「任せろ。情報は逐次報告するから安心しろ」と、ジェイの翠の大陸行きを認める。



「ムツキは心配しなくていい。宰相には了承を得ている」



 宰相様、何で!?



「嘗て、アキラの時も勇者が同行したからな。勇者である、その男が同行することはおかしいことではないぞ」

「それは、まだ、勇者が王になる前でしょ!」



 今は時代が違う!!



「世界が滅ぼうか、滅ばないかの瀬戸際に、何を言っている?」



 シュリナの言うことは至極尤もだ。世界が滅んでしまえば、民を守りたくても守れない。



「確かにそうだけど……」

「〈護りて〉に危険が迫っているのだぞ」



 シュリナは畳み掛ける。



「う~ん。じゃ、手っ取り早く、私を囮にしたらどうかな?」

「「「「「却下だ!!!!」」」」」



 その場にいる全員から怒鳴られ、却下された。



 やっぱりね……。




 お待たせしました("⌒∇⌒")


 ムツキは怒る(キレる)と敬語ではなく、タメ口口調になります。


 それでは、次回をお楽しみに(*^▽^)/★*☆♪



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