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射!~Kyudou~  作者: ココロ丸
3/23

カーリー来日

どうもです!今回も少し用語説明を入れておきます。次回から登場人物の説明を入れる予定です!


〇丹田・・・お腹の下あたり


〇滑走・・・矢が的に届かず、地面を滑るようにして矢が飛ぶこと。というか、飛んでいないw地面を滑っているイメージです


〇弽・・・「かけ」という。ここでは、「カケ」と書こうかと思います。カケはあの右手につけている手袋のようなもの。親指の部分に溝があり、そこに弦を引っ掛けて弓を引く。


〇ぎり粉・・・カケにつける滑り止めのようなもの。こいつをつけたときの音がなかなか癖になるww


両親は今日から海外で仕事、家では俺が1人のはずだ。なのに・・・・



「・・・どうしたゆっきー?難しい顔してる。」



なぜこの子はリビングでスコールを飲んでいる・・・・


「えと、君はどこから来たの?なんで俺の家に?」

「アメリカ。・・・もしかして何も聞いてない?」

「・・・・・」


無言で携帯を取り出し、かあさんに電話をする。

何がどうなっているか聞かないと・・・



「・・・あ!かあさん!家に居る金髪美少女だれ!?」

「・・・・はぁ?説明しにくい?なんで・・・・孤児!?」


つまり、かあさんの言い分はこうだ


メキシコ勤務だ。ゆっきー寂しがるかな?⇒向こうの友達の子が引きこもりだし、ゆっきーと同居!


向こうというのはアメリカで、知り合いがこのカーリーという子を日本に来させたらしい。



「美少女だなんて・・・ぽっ」

「ぽっ・・・じゃねえよ。引きこもりは日本でも引きこもりだろ?」

「ゆっきーの学校の制服預かってる。・・・明日から一緒に登校。」

「・・・・・」


展開が早すぎる・・・でももう仕方ないか



「・・・はぁ、分かったよ。それで?いつまでここに?」

「未定・・・らしい。」

「なんて適当なんだ・・・でも、編入ってことだし、卒業までは一緒なのか・・・」


もう一度かあさんに電話してみる


「あ、かあさん。いつ帰ってくる?え、たまに帰ってくる?・・・・ああ、もう分かったよ・・・」



とりあえず1ヶ月以上は帰って来ないらしい。



「ゆっきー、お腹すいた・・・」

「・・・飯作る気になれないな。食いに行くか?」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




「ここは・・・?」

「ふふふ、アメリカでは屋台なんか無いだろ?来日初日でラーメンというのはどうかと思うけど、まぁいいだろ?」

「・・・いい匂い。はやく食べたい」


「おじさん、ラーメン二つ!」

「あいよ!兄ちゃん可愛い彼女連れてんな!こんな屋台でいいのかい?」


ニヤニヤしながら屋台のおじさんが言う。


「・・・私、妹。でも長い間会ってなかった。」

「え?ああ、そうかい!じゃあ、再会を記念してサービスしとくよ!」

「あ、ありがとうございます!」


「はい、ラーメンおまちっ!」

「・・・おいしそう!」

「え?どうした急に大きな声出して・・・」

「・・・おいしい!特にこのスープが良い」

「お?お嬢ちゃんうれしいこと言ってくれるね!」

「うん、確かにうまい。特にこの海苔とキクラゲ。」

「・・・・兄ちゃん渋いね~」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「ただいまー」

「・・・ただいま」


「さて、どうしようか・・・色々聞くことと決めることもあるけど・・・」

「・・・お風呂」

「え?風呂?ああ、でも今沸かしてないからシャワーになるけど?」

「・・・それで良い」


タッタッタッと風呂場に向かうカーリー。


「あ、待て、着替えは?あるのか?」

「・・・そうだった。そこのバックの中にある」

「ったく。ほらよ!・・・僕は2階で勉強するから上がったら呼べよ~」

「・・・分かった」




「ふー、なんでこうなった・・・。いや、考えても意味が無いんだろうけど・。」


学校のみんなに説明するのめんどくさいなぁ・・・。明日も朝練あるし、登校時間ずれるしな。あいつだけ先に行っても余計ややこしくなりそう・・・いや、転校生って担任の紹介で教室に入るから大丈夫か。

いや待て、まずカーリーって何科だ?あとで聞いとくか


「・・・さて、勉強勉強!専門教科から始めるかな。」



30分後・・・・・・・・・



コンコン


「え?あ、そうか。えっとカーリー?上がったら冷蔵庫の飲み物飲んでいいぞ。」


カーリーがいること忘れてたよ


ガチャ・・・


「ゆっきー・・・」

「ん~・・・っ!?おま!なんで着てないの!あ、いや、大丈夫!下は見てない、見てないから!」


「・・・?ここでは裸は駄目なの?」

「駄目っ!アメリカではどうだったか知らないけど、日本は駄目だから!」

「・・・分かった。覚えておく」


やはり女の子と同じ屋根の上だなんて・・・・



「あ!そういえばカーリーは何科に入るの?」

「・・・・・機械科」

「・・・なんで?」

「ゆっきーと同じクラスになれる。ゆっきーと一緒だから」

「ッ!?////」


なんか顔が赤くなるのが自分でも分かった。

ああ、なんて恥ずかしいことを言うんだ・・・アメリカ人恐るべし



「わ、分かったよ。毎朝僕は朝練に行かないと駄目だから登校時間になったら・・・そうだな」


綾乃には事情を説明して、明日一緒に行ってもらおう。近所だし、幼馴染は有効活用。


「俺の友達と一緒に学校に行けよ?カーリーのこと紹介しておくから。」

「・・・朝練?」

「僕、弓道に入っているんだ。6時には家を出るから。」

「・・・・私も行く。きゅうどうを見てみたい」

「はぁ?嫌だよ、恥ずかしいし・・・」

「ゆっきーを見るわけじゃない。きゅうどうを見るの」


なんか心に突き刺さる言葉・・・・。



「・・・分かったよ。じゃあとりあえず僕はシャワー浴びてくるから。飲み物、冷蔵庫な?」

「・・・スコール飲む」






家事の分担とか、部屋割りも考えなきゃなぁ・・・はぁ。


そんなことを考えながらシャワーを浴びていた。


ああ、金髪少女と同居なんて、隼人が発狂するかもな。あいつアニオタだし、こういう世界にあこがれてそうだし・・・。

まぁ、なんとかなる・・・たぶん。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「そういえば、日本語ペラペラだな?」

「・・・英語も日本語どっちも話せる。勉強はしていた。でも学校行ってない」

「そ、そうか」


テレビを見ながらカーリーが少し寂しそうな顔でそう言った。基本彼女は無表情だが、ラーメンの時や今のように少し表情が変化することがある。

にしても、向こうの学校で何かあったのかな?あまり良い思い出がなさそうな声だったし



「じゃあ、明日は早いし、もう寝ようか?俺は少し勉強するけど」

「・・・じゃあゆっきーの部屋で寝る。」

「それは駄目。俺の部屋の隣に空き部屋があるから、そこをお前の部屋にするから。そこで寝てくれ?」

「・・・童貞」

「おい今なんて言った・・・」

「何も言ってない。おやすみ」

「・・・あ、カーリー!」

「・・・なに?」


「えっと・・・これからよろしくな!」

「・・・よろしく、ゆっきー」


ふふっとカーリーが笑ったような気がした。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





「朝から酷い目にあった・・・」

「どうして日本人はすぐ私達を撮るの?兄妹という設定なのに」

「ああ、あれはバカッターだ。気にするな。それより乗客の視線が痛い・・・俺が美少女連れてたら犯罪ですか・・・」


「・・・ここが学校?」

「そうだよ、ここが八城工業高校。弓道場はこっちだ。ほら、行くぞ!」

「うん」




ガラララー・・・


「おはようございまーす!」


「「おはよう」」


「・・・・おはよう」

「・・・・・・」


あ、みんな、ん?って顔してるな。当然です、はい。




「えーと、こいつはカーリーと言って、アメr・・・待て隼人、なぜ僕に弓を構える!」

「まさか雪に裏切られる日が来るとは・・・覚悟だ、雪!」

「・・・・弓」

「おい、お前が原因なのに弓に見とれるな!」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




「なるほど、妹ねぇ・・・?」

「信じてくださいよ葉月先輩・・・」

「疑っているわけじゃないわ。でも、金髪だし、スタイル良いし」

「まぁ、雪。お前の割りに合わないってことだ!」

「井田先輩・・・・」


同級生だったらシバいていたかもしれない



「でも雪、良かったじゃないか。こんな美少女が家に来て。しかも二人で生活だろう?」

「・・・どうなんでしょうね?」

「というか、水谷君!なんで昨日来なかったの?」

「そんなに怒るなよ主将様?色々あるんだよこっちにも」

「まったく・・・。鹿本さんはもう体調は大丈夫?」

「うん、もう大丈夫よ。ごめんね、大変だったでしょ?」



今日は全部員集まっている。鹿本先輩は身体が少し弱いため、学校自体休むことも珍しくない。

水谷先輩はちょくちょく練習をサボる。というか、屋上で寝ている。しかし、的中率が高くて、僕が入部をしてから先輩が外したところをあまり見たことがない




「・・・理解したか?隼人?」

「・・・まぁ・・・竜はどう思う?」

「ゆっきーは過ちを犯すような奴じゃないだろ?別にどうこう思わねぇよ」

「・・・むぅ、そうか。」



「きゅうどう・・・見たい!」


突然のカーリーの発言



「そうね。アメリカには弓道はないからね。今日は見学をしてもらいましょうか。良いわよね、井田君?」

「俺は主将の意見を尊重するからな!いいと思うぜ」


「じゃあ、拝礼をして始めようか?」


水谷先輩の呼びかけでみんな並び始めた。カーリーは頭にはてなマークを浮かべているようだ。


・・・パンパン!

「「お願いします!」」


チラッとカーリーを見てみる。・・・なんで拝礼であいつは目をキラキラさせているんだ?





巻藁練習も終わり、いよいよ的前での射込みとなる。


「・・・・・・・」


僕は集中には自信がある。


弓を持つ手は昔から鶏の首、握卵などと言われている。つまり、強く握りこむなということ。


弓道には射法八節というものがあり、足踏み、胴造り、弓構え、打ち起こし、引き分け、会、離れ、残心という構成になっている。


手首の力を抜き、丹田に意識を集中させる。


打ち起こしまでは良い状態で持っていけている。でも、いつもここから手首に力が加わってしまう・・・


会。もう完全に手首の力だけで引いてしまっている。


離れ。初心者は会は5秒は持たなければならないが、2秒ほどで離してしまう。


「・・・・・」


矢は弧を描き、的の下に滑走してしまった・・・


「・・・・はぁ」


四本引き、矢取りに向かう。

・・・あ、水谷先輩だ。


「・・・・・・・」


いつもの穏やかな顔と爽やかな笑顔とは違う、また別の先輩がそこにいた。


「雰囲気から違うもんなぁ・・・」



まさに王道といった引き方。人によって少し引き方にアレンジがあるらしいが、水谷先輩はそれがない。まるで教本に載っているような射をしている。



ギリギリとぎり粉のすれる音が微かに聞こえる。手首の力が抜けている証拠だ。


・・・・キャン!・・パンッ!


「・・・凄いなぁ。」


水谷先輩は僕の憧れだ。今年の総体も唯一2年生の中でレギュラーだったし、引退した3年生の先輩よりも的中率は高かった。井田先輩もメンバーだったけど、補欠だったし・・・いや、馬鹿にしているわけじゃない。きっと水谷先輩が凄いからなんだろうな。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「どうだったかな?カーリーちゃん?」

「葉月がカーリーちゃんっていうと違和感たっぷりだね」

「黙って鹿本・・・。」

「あはは、ごめんなさい、ふふふ」


上品な笑い方だな~、鹿本先輩は・・・。


今日は昨日のこともあって弓は引いていなかった


「ねね、どうだった俺?かっこよかった?」

「隼人、食らいつくな・・・それより、俺どうだった?」

「隼人、竜、お前ら一緒のこと言ってるぞ・・・」


「・・・隼人と竜は見てない。きゅうどう・・・・弓道を見ていた」


あ、二人ともショック受けてる。カワイソウー・・・。



「・・・でも、水谷は良かった」

「先輩覚悟オオオオっ!」

「まて隼人!先輩に弓を構えるなあああ!」



「・・・弓道かっこいい。とてもクール。」



「・・・・・弓道する!」



「「え?」」



突然の発言にみんな目を丸くした・・・



用語の説明も分かりにくいところが多々あるかと思います。特に射法八節なんか、経験者じゃないと分かりませんよね・・・。え?じゃあ未経験者はどうすれば良いかですか?それは・・・弓道を始めるしかないですね!笑

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