↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「鑑定しかできない無能」と追放された俺、実は壊れた才能を直せる唯一の神職でした〜捨てられ聖女と辺境村を修理していたら、勇者より先に国を救ってしまった〜  作者: 藤原朝臣御神常陸介釋寛浩


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
192/235

第192話 読ませるなと書いた男

 読ませるな。


 黒革表紙の内側に、赤字でそう書かれていた。


 ダリオさんの手控え。


 燃えたとされ、消えたと思われていた三冊のうちの一冊。


 そこには、ダリオさん自身の字でこうあった。


『戻す線は逃がし線を殺す』


『外縁は命令を返す道ではない。逃がす道だ。戻すな』


 その二つの文は、オルド外縁覚書本文と一致していた。


 井戸。

 石列。

 薬草帯。

 青根布。


 それらが積み上げてきた現場とも一致していた。


 つまり、ダリオさんは、あの時すでに見ていた。


 命令戻し線は危険だと。

 外縁は戻す道ではなく、逃がす道だと。


 だが、その手控えのそばに、誰かが赤字で書いた。


『読ませるな』


 それがカリム・ロッサ系赤字注記かもしれない。


 まだ確定ではない。


 けれど、誰もがその名前を意識していた。


 朝の中央井戸は、いつも通り静かだった。


「朝。中央井戸、水温正常。水面揺れなし。濁りなし。匂いなし。青反応、微弱安定。ダリオ・ヴェント手控え断片確認後、継続異常なし」


 副記録係が読み上げる。


 ニコルは少しだけ目を伏せ、それから頷いた。


「よいです」


 トマは井戸の水面を見て、ぽつりと言った。


「水面は、読ませるなとか言わないからいいよな」


 ニコルが首を傾げる。


「どういう意味ですか」


「いや……見えるものは見せるし、揺れる時は揺れる。隠そうとしないだろ」


「井戸にも、見えない底はあります」


「そう返すか」


「でも、水面の変化を隠したりはしません」


「だよな」


 トマは腕を組んだ。


「読ませるな、って何なんだろうな。危ないから読むな、なのか。都合が悪いから読むな、なのか。ダリオさんを守るためなのか、消すためなのか」


 ニコルは記録板を開いた。


「それを、今日は分けます」


「分ける日か」


「はい。混ぜたら危険です」


 トマは苦笑した。


「最近、混ぜるなって話ばっかりだな。水に戻すな。土へ戻すな。命令へ戻すな。怒りと結論を混ぜるな」


「今日は、赤字と本文を混ぜない日です」


 その一文を、ニコルは自分で書いた。


『赤字と本文を混ぜない』


 トマはそれを見て、小さく頷いた。


「それ、大事だ」


 広間では、朝から紙が並べられていた。


 オルド外縁覚書の本文写し。

 余白補修注記の写し。

 D.V.へ渡すな、の末尾別紙片の写し。

 そして、昨日確認されたダリオ手控え断片の写し。


 もちろん、どれも写しであって、現物ではない。


 現物は王都外部監査部で再封緘されている。


 村長は机の上に木札を三枚置いた。


『本文』

『余白』

『赤字』


 その下に、さらに一枚。


『混ぜるな』


 トマがそれを見て言った。


「今日の村長、札が強い」


 村長は静かに返す。


「強くせねば、紙は人を迷わせる」


 ダリオさんは机の端に座っていた。


 豆の椀はある。


 今日は一粒減っている。


 トマは見たが、言わなかった。


 ダリオさんが言う。


「今日は数えないのか」


「昨日で学びました」


「何を」


「本当に重い日は、豆を数えない方がいいって」


「それは間違っている」


「え?」


 ダリオさんは豆を一粒つまんだ。


「数えろ。いつも通りのことが一つくらいないと、重い話ばかりで潰れる」


 トマは目を瞬かせた。


 それから椀を見て、真面目に言った。


「二粒です」


「よろしい」


「よろしいんだ……」


 セリアが少し微笑んだ。


「いつも通りも、緩衝帯ですね」


 ダリオさんが豆を噛みながら頷く。


「そうだ。豆も外縁だ」


 トマが吹き出した。


「それはさすがに広げすぎです」


 ニコルが筆を動かしかける。


 ダリオさんが即座に言った。


「書くな」


「……はい」


 広間に小さく笑いが起きた。


 けれど、それはすぐに静かな集中へ戻った。


 王都再審査室から通信が入る。


『王都再審査室、外部監査部、技師組合保存官より。昨日確認されたダリオ・ヴェント手控え黒革表紙内側の赤字“読ませるな”について、初期照合結果を報告する』


 ニコルが復唱する。


『赤字“読ませるな”初期照合結果』


 王都側。


『赤字筆跡は、ダリオ・ヴェント本人筆跡と非一致。黒革表紙本文墨とも非一致。赤墨質、返し線、止めの癖が、オルド外縁覚書余白の制止短文“これ以上戻すな。封印が泣く”と一部近似。カリム・ロッサ系赤字注記候補として継続照合する。ただし確定不可』


 広間に重い空気が落ちる。


 ニコルが書く。


『赤字“読ませるな”:ダリオ本人筆跡と非一致。余白制止短文と一部近似。カリム・ロッサ系赤字注記候補。確定不可』


 トマが低く言った。


「“これ以上戻すな”と“読ませるな”が近い……」


 セリアが続ける。


「同じ人が、戻すなとも、読ませるなとも書いた可能性」


 ダリオさんは腕を組んだ。


「気持ち悪いほど、ややこしいな」


 王都側の声は続く。


『赤字位置は、本人署名および“戻す線は逃がし線を殺す”の短文付近。本文を塗り潰してはいない。削除線もなし。短く制限語のみを添えている』


 村長が問う。


「隠したいなら、塗り潰すのではないか」


 ダリオさんが答える。


「場合による。読むなと命じるだけで十分な場なら、塗り潰す必要はない。むしろ塗り潰せば、何かあると知らせることになる」


 トマが言う。


「でも、“読ませるな”って書いた時点で、何かあるって分かりません?」


「その紙を見る立場の者にはな。だが、封緘箱の中なら、そもそも見る人間が限られる」


 ニコルが整理する。


『赤字“読ませるな”の機能候補:

一、閲覧制限。

二、内容隠蔽。

三、危険図面の流出防止。

四、ダリオ見解の抹消。

五、特定人物への警告。

六、後年の保護措置』


 トマがそれを見て、眉をひそめた。


「保護措置って、まだ入れるんですか」


 ニコルは頷く。


「入れます。可能性を消すには証拠が足りません」


「でも、ダリオさんの正しい手控えを読ませなかったんですよ」


「はい。だから隠蔽の可能性も大きいです。でも、危険な図面断片や封印補助線草案が同じ箱にある以上、読ませないこと自体がすべて悪意とは断定できません」


 トマは納得していない顔だった。


 けれど、反論はしなかった。


 ダリオさんが静かに言う。


「ニコルの言う通りだ。腹は立つが、分けるしかない」


 セリアが続けた。


「薬草で言えば、根を抜くなと言った人が、根を守りたかったのか、根の状態を隠したかったのかは、それだけでは分かりません」


 トマはため息をついた。


「分かりました。分けます。でも、怒りは残します」


 村長が頷いた。


「よい。怒りは捨てるな。混ぜるな」


 ニコルが記録した。


『怒りは捨てない。結論に混ぜない』


 午前の後半、中枢室での総合照合が行われた。


 俺、ダリオさん、ニコルが地下へ降りる。


 今日は、セリアも入口まで来た。


 薬草の話ではないが、青根布、根系、外縁思想が関わる。


 リーゼさんは広間と地下の間に立つ。


 トマは、やはり広間待機だった。


 文句を言いかけたが、自分で飲み込んでいた。


 中枢室に登録する情報は慎重に選んだ。


『オルド外縁覚書本文:外縁は水と土に逃げ道を与える支え。古図を絶対とするな。井戸、石列、薬草帯、青根布はいずれも逃がし機能。

余白補修注記:命令戻し線。これ以上戻すな、封印が泣く。

末尾別紙片:D.V.へ渡すな。渡せば戻し線を断つ。

ダリオ手控え:戻す線は逃がし線を殺す。外縁は命令を返す道ではない。逃がす道だ。戻すな。

赤字注記:読ませるな。』


 中枢室の光は、しばらく何も表示しなかった。


 ただ、青白い線が何本も重なり、黒紫の細い線がそこへ絡み、少しずつほどけていく。


 やがて、文字が浮かんだ。


《外縁逃がし思想:複数資料一致》

《オルド本文:一致》

《ダリオ手控え:一致》

《現地外縁:一致》

《余白命令戻し線:不一致》

《赤字制限注記:意図未確定》

《命令核分離条件:再構成可能性上昇》


 俺は読み上げた。


「外縁逃がし思想、複数資料一致。オルド本文、一致。ダリオ手控え、一致。現地外縁、一致。余白命令戻し線、不一致。赤字制限注記、意図未確定。命令核分離条件、再構成可能性上昇」


 ダリオさんが、静かに息を吐いた。


「再構成可能性、か」


 セリアが入口で言う。


「命令核分離作戦を、組み直せるということですか」


「その可能性が上がった」


 ダリオさんは表示を見つめた。


「これまで、命令核を封印層から外すには、封印圧をどこへ逃がすかが問題だった。だが、外縁が命令を戻す道ではなく、逃がす道として復元できるなら、命令核だけを切り離せる可能性が出る」


 ニコルが書く。


『命令核分離再設計:外縁逃がし線を利用し、命令核のみ切り離す可能性』


 中枢室の表示が続く。


《再構成条件候補》

《一:外縁は命令を返す道ではなく逃がす道》

《二:青根布は撤退時間確保具》

《三:古図を絶対としない》

《四:現在の生活技術を外縁更新として扱う》

《五:ダリオ手控えとオルド覚書を照合》

《六:命令網逆流を避ける》

《注意:命令戻し線使用禁止》


 俺は一つずつ読み上げた。


「再構成条件候補。

一、外縁は命令を返す道ではなく逃がす道。

二、青根布は撤退時間確保具。

三、古図を絶対としない。

四、現在の生活技術を外縁更新として扱う。

五、ダリオ手控えとオルド覚書を照合。

六、命令網逆流を避ける。

注意、命令戻し線使用禁止」


 広間の通信から、トマの声が入った。


『命令戻し線使用禁止。そこ、赤でお願いします』


 ニコルが返す。


「すでに赤で書いています」


『さすが』


 ダリオさんが言う。


「赤字に赤字で対抗するのか」


 ニコルは真面目に答えた。


「こちらの赤字は、読ませるための赤字です」


 その言葉に、ダリオさんは少しだけ笑った。


「いいな、それ」


 セリアも柔らかく頷く。


「隠す赤ではなく、止めるために見せる赤ですね」


 ニコルが書いた。


『読ませるための赤字』


 中枢室がさらに表示を変える。


《命令核分離条件:再構成可能》

《外縁逃がし線:復元開始》

《現地照合:継続》

《命令網逆流:高危険》

《注意:戻すな》


 俺は、ゆっくり読み上げた。


「命令核分離条件、再構成可能。外縁逃がし線、復元開始。現地照合、継続。命令網逆流、高危険。注意、戻すな」


 地下工房が静まり返った。


 戻すな。


 ダリオさんの手控えにあった言葉。

 オルド覚書の思想と繋がった言葉。

 そして、これからの作戦の中心になる言葉。


 ダリオさんは低く言った。


「ようやく、逆向きにされていた道を、本来の向きへ戻せるかもしれん」


 セリアが少し考えてから言う。


「戻す、という言葉が難しいですね」


 ダリオさんは一瞬目を丸くし、それから苦笑した。


「確かに。逃がす向きへ戻す、か」


 ニコルがすかさず言った。


「表現を変えます」


 記録に書く。


『逆向きにされた道を、本来の逃がす向きへ直す』


 トマが通信越しに言った。


『それなら分かります』


 広間へ戻ると、村長が総合整理を求めた。


 ニコルは大きな紙を広げた。


『命令核分離再設計・新条件』


 一、外縁は命令を返す道ではなく、逃がす道である。

 二、井戸は水面で逃がす。

 三、石列は冷え圧を林縁へ逃がす。

 四、薬草帯は浅根で受け、横根で逃がす。

 五、青根布は勝つ道具ではなく、逃げる時を買うもの。

 六、古図を絶対とせず、現在の生活技術を外縁更新として扱う。

 七、ダリオ手控えとオルド外縁覚書を同時照合する。

 八、余白命令戻し線は本文思想と不一致。使用禁止。

 九、赤字“読ませるな”の意図は未確定。本文とは分ける。

 十、命令網逆流を避ける。

 十一、命令核だけを切り離し、水腐れ封印層を傷つけない。

 十二、現地手順変更不可。分かったから触らない。


 トマが最後を見て言った。


「十二番、やっぱりいるんだな」


 セリアが頷く。


「一番いるかもしれません」


 リーゼさんが短く言う。


「最後に書くから効く」


 村長は全体を見て、ゆっくり頷いた。


「ようやく、次の段へ進める」


 ダリオさんは静かに言った。


「命令核分離再設計編、だな」


 トマが少し笑った。


「なんか王都っぽい名前ですね」


「文句を言うなら、お前が名前をつけろ」


「えー……逃がし道作戦?」


 広間に微妙な間が落ちた。


 トマが慌てる。


「いや、今のなしで」


 ニコルが筆を止めた。


「記録しません」


「ありがとう!」


 ダリオさんが豆を一粒食べた。


「命拾いしたな」


 少しだけ笑いが広がった。


 笑える。


 それだけで、この村はまだ大丈夫だと思えた。


 午後、王都へ正式な総合見解を送った。


『リベル村総合見解。

オルド外縁覚書本文、ダリオ・ヴェント手控え断片、現地外縁挙動は、いずれも“外縁は命令を返す道ではなく逃がす道”という思想で一致する。

余白命令戻し線注記は、本文思想と不一致。命令網維持化の危険あり。現段階で使用禁止。

赤字“読ませるな”はカリム・ロッサ系候補だが、意図未確定。隠蔽、保護、利用防止、ダリオ見解抹消など複数可能性を残す。本文とは分けて扱う。

命令核分離作戦は、外縁逃がし線を基礎として再設計する。命令網逆流を避け、命令核のみを切り離し、水腐れ封印層を傷つけないことを最重要条件とする』


 王都からの返答は短かった。


『リベル村総合見解を受領。王都再審査室、外部監査部、技師組合再審査室、防衛局に共有する。命令核分離条件の再構成について、リベル村中枢室を主照合点とすることを暫定承認』


 防衛局まで共有される、という部分でトマが嫌な顔をした。


「防衛局、青根布を並べようとしたところですよね」


 ダリオさんが頷く。


「釘を刺し続ける必要がある」


 ニコルはすでに赤字で書いていた。


『青根布常設不可。命令戻し線使用禁止』


 トマが頷く。


「読ませるための赤字ですね」


「はい」


 夕方、ダリオさんは一人で広間の外に出た。


 俺は少し離れて後ろに立った。


 声をかけるべきか迷っていると、ダリオさんが先に言った。


「見張りか」


「いえ」


「見張りだな」


「少しだけです」


「トマみたいな返事をするな」


 ダリオさんは空を見上げた。


 水車の音が遠くで響いている。


「読ませるな、か」


 俺は黙っていた。


 ダリオさんは続ける。


「読まれなかったから、俺は消えた。だが、読まれなかったから、紙は残ったのかもしれん」


「残すために読ませなかった可能性もある、ということですか」


「可能性だ。腹立たしい可能性だがな」


 ダリオさんは苦笑した。


「カリムが何を考えていたのか、まだ分からん。俺を消したのか。俺を守ったつもりだったのか。工房を守ったのか。封印を守ろうとして命令に寄ったのか。全部を少しずつやって、全部を歪めたのか」


「はい」


「だが、一つだけ分かった」


 ダリオさんは、こちらを見た。


「俺の字は残っていた」


 その顔は、泣いているわけではなかった。


 笑っているわけでもなかった。


 ただ、長い時間の奥から戻ってきたものを、まだどう持てばいいのか分からない顔だった。


「それで、今日は十分だ」


 夜、俺は個人記録を書いた。


『黒革表紙内側の赤字“読ませるな”について初期照合。

ダリオ本人筆跡とは非一致。赤墨質、返し線、止めの癖が、余白制止短文“これ以上戻すな。封印が泣く”と一部近似。カリム・ロッサ系赤字注記候補。ただし確定不可。

赤字は本文を塗り潰しておらず、削除線もない。閲覧制限、内容隠蔽、危険図面の流出防止、ダリオ見解抹消、保護措置など複数の意図候補。未確定。

中枢室総合照合:オルド本文、ダリオ手控え、現地外縁は“外縁逃がし思想”で一致。余白命令戻し線は不一致。

命令核分離条件、再構成可能。外縁逃がし線、復元開始。命令網逆流、高危険。注意、戻すな。

新条件:外縁は命令を返す道ではなく逃がす道。青根布は撤退時間確保具。古図を絶対としない。現在の生活技術を外縁更新として扱う。ダリオ手控えとオルド覚書を照合。命令網逆流を避ける。命令戻し線使用禁止』


 最後に書く。


『読ませるなと書いた男。

それがカリムなのかは、まだ確定していない。

何のために書いたのかも、分からない。

隠すためか。

守るためか。

利用されるのを防ぐためか。

ダリオさんの正しさを消すためか。

危険な図面を封じるためか。

まだ、どれも捨てない。

だが、赤字と本文は分ける。

本文には、ダリオさんの字があった。

外縁は命令を返す道ではない。逃がす道だ。戻すな。

それはオルド覚書と一致し、現地とも一致した。

余白の命令戻し線は、本文とは違う。

守りを命令に変える危険な道だった。

これで、命令核分離作戦は組み直せる。

古い図へ戻すのではない。

今の外縁が育ててきた逃がし線を使う。

井戸、石、根、布、水路、人。

全部を命令へ戻さず、逃がす。

命令核だけを切り離し、水腐れ封印層を傷つけない。

ようやく、次の段へ進む。

命令核分離再設計編へ。

読ませるなと書かれた紙を、俺たちは読んだ。

そして、読ませるための赤字を、こちらで書き始めた。』


 地上では、水車が回っている。


 水は戻らない。


 逃がす。


 その当たり前の動きが、ようやく作戦の中心に戻ってきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。