プロローグ
僕には日課があった。それはお父さんが働いている病院に行って、ある同い年の女の子に会いに行くことだ。
「〇〇ちゃん、おはよう!」
今日もあの子の病室のドアを開けて、手を振りながらそう言った。母さんはいつも帰りが遅く、父さんは仕事が忙しいので、最近は毎日放課後、ここに通っている。
「こら賢治、病室に入る時はドアをノックしなさい。あと、病院では静かに。」
ちょうど父さんは〇〇ちゃんと話していて、僕はその邪魔をしてしまったようだ。
〇〇ちゃんと初めて出会ったのは小学1年の頃、同年代で話し相手になればと父さんが〇〇ちゃんに僕を紹介したのがきっかけだ。最初は窓ばかり見つめていてつまんない子だなと思っていたが、好きなアニメが一緒だということがわかり、次第に話すようになった。笑顔が素敵な子で、僕が密かに思いを寄せるくらいには魅力的な女の子だった。
「ケンちゃん、おはよー!」
いつも通り元気な〇〇ちゃんで僕は少し安心した。
「それじゃあ話の続きはお母さんが来てからにしようか」
「うん」〇〇ちゃんが返事をすると、父さんは病室を後にした。僕はいつものように背負っていたランドセルをベットの横に置き、椅子をベットの近くに持ってきて座った。
「〇〇ちゃん、昨日のアニメ見た?」
「うん、見たよ面白かったね。特にーー」
今日も〇〇ちゃんとアニメの話で盛り上がった。僕はこの時間が一番好きだった。
「ところでケンちゃん、もうすぐ誕生日だよね」
「うん、でも誕生日は来週だよ」
「細かいことはいいの、はいこれプレゼント」
「わあ、ありがとう!これキーホルダーだ。でもこれ〇〇ちゃんが欲しいって言ってたやつじゃない?」
「うん、でもこれはケンちゃんにあげたくて」
「ありがとう。一生大切にする!」
「でもケンちゃん忘れっぽいからすぐ無くしそう」
「いや、これだけは絶対に忘れない!」
「ほんと〜?」
「うん、だって今すぐにランドセルにつけるから」
そう言うと僕は、床に置いたランドセルの横のフック見たいなところに、そのランドセルを付けた。
「ねえケンちゃん、ケンちゃんの夢って何?」
「僕の夢はお医者になること。そして〇〇ちゃんの病気を治すんだ」
すると、〇〇ちゃんは急に泣き出した。驚いた僕は「どうしたの」と聞くと、〇〇ちゃんは涙を拭いて、「ううん、なんでもない」と笑った。
次の日、僕はいつものようにあの子の病室のドアをノックをせずに開くと、あの子はもういなかった。お父さんに聞くとあの子はもっと大きな病院に行ったらしい。
その時、僕は初めて一晩中泣いた。
私の小説を見てくださりありがとうございます!
文章を書くのが下手なので、誤字や日本語のおかしな点があるかもしれませんが、ご愛嬌のことよろしくお願いします。




