21話 マモリちゃん達からのサプライズ
ちょこちょこ書いては消してを繰り返しつつ、楽しく書けました(笑)
お昼ご飯を食べ終わると、直ぐに宴の準備に行くメリッサ達。そして食事が終わっても、何故か帰らずにユーイチの隣に座って手を繋いでいるリリア。そんな姿を見て、ユーイチは不思議そうに尋ねる。
「今日は残っていられるのか?」
するとリリアは笑いながら答える。
「ほら。今回の件が前回同様に、リエラが関連するでしょ?そのお詫びで、何かユーイチのために何かしよう。って話しになったのよ。
でもユーイチは特に欲しい物とか無さそうだし、それなら私の仕事をタナティウスが代わりにやって、夫婦水入らずで過ごしたら良いんじゃないか?って事になったのよ。タナティウスから『よろしく伝えてくれ。』って伝言よ。」
「確かに。リリアと一緒に過ごせた方が俺は嬉しいな。」
「とりあえず3日間の休みを貰ったから、一緒に過ごせるわよ。」
ユーイチの手を握りながら、リリアは答える。
「それは面倒な事が起きた報酬としては、嬉しいな。初めてリエラに言葉で伝えられる位、感謝の気持ちだな。」
にこやかに笑いながら見つめ合う。そして、それを聞いたマモリちゃんは、ユーイチに内緒で指令を出す。
《範囲警戒以外の全ナノマシンに伝達。夫婦での3日間での生活をこの村で行う為、居住スペースの建造を開始します。
ユーイチさんにはサプライズとして行動を開始。ユーイチと鎧の接続を一時的に切断。偽装データをユーイチに配信。》
初めての夫婦生活に、不便な思いをさせるのは許さないと思ったマモリちゃん。独自に動く決断をして、上位者の幸せの為に秘密を持てるようになった。
そんな事を気が付かず、ユーイチがイチャイチャしている所で、マモリちゃん、ナノ君達の暴走が始まった。
そして、マモリちゃんは立ち上がると、ユーイチに伝える。
「少し用事が出来ましたので、外に出て来ます。ユーイチさん達は家に居て貰っていいですか?」
「了解。何かあったら連絡してくれ。このままノンビリとさせて貰うからさ。」
マモリちゃんは的確な指示を出しながら、村長の所の元へ向かう。
《作業可能なナノマシンは、ナノ君の指示通りに木々の伐採、乾燥、建築予定場所への道を作成。登録データにあるロフトを建築する為の計画を作成中。完了。
鎧は、ナノ君の準備した木材を使用しての建築を開始。》
《まかせて。ちゃんと。準備。出来た。》
村付近の木材がナノマシンによって切断、乾燥されて倒れて行く。
《村人達には、私から事情を説明します。3日間の滞在を報告しておけば問題ないでしょう。》
ユーイチは、そんな大事になっているとは思っておらず、家で子供達とノンビリしていた。マモリちゃんはグイフ君の元へ向かうと、村人達と共に広場で慌てており、近づいて来たマモリちゃんを見かけると、声をかけてくる。
「マモリさん!鎧が、急に木を運び始めたんだけど!」
「メリスリリアさんが3日間、この村で過ごす事になったので、急遽ですがユーイチと寝泊まりする住まいを建てる事になりました。
建築は鎧に任せておけば、すぐ出来ますので。夜の宴にも参加予定です。
そして、過ごしやすくする為に、この村の整地や、周りの防壁として木々の加工などを行い、村の敷地を広げたいんですが。」
すると、グイフ君は固まったかと思うと、『俺じゃ無理だよ!ちょっと待ってて!!』と大声をあげながら、真っ青な顔をして走り始めた。どうやら父親に報告する為に走り始めたようだ。
周りで祭りの準備をしていた村人達も、その言葉を聞いて慌て始める。
「大丈夫ですよ。ユーイチさんの奥様としてメリスリリアさんは参加もしますので、そんなに慌てなくても。」
マモリちゃんはAIなので、信仰心に理解がない。なので、そこまで慌てる必要性を感じないのだが、村人達は女神と一緒の宴と考えると、前代未聞なので慌てふためいている。
しばらくすると、リッケルド達が慌てて来たので、改めて泊まる事を伝えると、焦った表情で答える。
「メリスリリア様を迎えるような用意が難しいのですが、マモリちゃんは、メリスリリア様の好みなど、知っていますか?知っているようでしたら、教えて貰いたいのですが。」
「普段は私達と同じ物を食べたりしています。ユーイチさんが作った料理も喜んでいますね。キリキル漬けや宿屋の食事など美味しく食べて貰えると思います。
それと、メリスリリアさんの滞在場所として、ユーイチさんと共に暮らす家を建てたいのですが、許可を貰えますか?」
「それは勿論!息子から料理の追加を頼んであります。そして前からユーイチさん達の家を建てようと話してましたので、建てるのは問題ありません。ですが、流石に今からでは間に合わないのでは?」
マモリちゃんはにこやかな笑顔で答える。
「ジルさんのキリキル漬けは楽しみですね。建物と宴の準備にに関しては、私達に任せれば問題ないかと。」
マモリちゃんは笑顔で宣言する。祝いの席は華やかに。というデータから、皆が幸せになれる提案をする。
『宴の席の準備やメリスリリアさんを迎える準備を、少し私に任せてくれませんか?』と。
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「ユーイチ。そろそろ。時間。だよ。」
双子ちゃんやレオン君がお昼寝をしていたので、ミリィちゃん達とお茶をしながらノンビリとしていると、ナノ君から時間を知らされる。
「....このまま皆でノンビリしていたいと思うのは、ダラけてるのかな?」
「ユーイチ。行かない。と。だめ。一生。懸命。マモリ。ちゃん。準備。したよ。」
ナノ君が少し悲しそうな表情で伝える。それを見たユーイチは慌てて答える。
「そうだよな!せっかく準備してくれたんだから、楽しまないと失礼だよな。」
それを聞いていたリリアは、クスクスと笑いながら答える。
「確かに『色々と準備』はしてくれているわね。マモリちゃんには後でお礼を言わないといけないわ。」
ミリィちゃんは、レオン君達を起こし始める。
「さぁみんな。これからご飯を食べに行くから起きて。」
もそもそ起き始めた子供達を連れて外に出ようとすると、ナノ君が声をかけてくる。
「ユーイチ。僕と。マモリちゃん。頑張った。サプライズ。喜んで。貰いたくて。」
「あれ?ナノ君。話すのが少しスムーズになってきたね。」
AIが、主人格であるユーイチに内緒で行動を始める事を、全く不安に思わない呑気なユーイチであるが、ナノ君の言葉遣いには気がつく男である。
ナノ君はユーイチの言葉にキョトンとした後、花が咲いたような笑顔で笑いながら喜ぶ。
「本当?。それは。嬉しいな。」
そんな会話をしつつ、子供達を起こして準備をさせ、玄関を開けると景色に違和感を感じた。
この村は大した城壁もないど田舎なはずなのに、何故か村を囲うように木材の城壁が出来ていた。
周りを見渡すと、家の後ろに100坪ほどの大きさのオシャレな日本家屋が出来ていた。
「マモリちゃん。言ってたよ。奥さんと。過ごす時。狭い部屋。ダメって。だから。村長に。許可を。貰って。作ったよ。」
両手を腰に当てながら、満足げな表情で話すナノ君。
確かに住まいを気にして無かったので、嫁さんをテント暮らしをさせる訳にはいかなかったが、いつの間にか家が建っているのに驚いた。
「あれ?なんで壁があるんですか?」
家から出たミリィちゃんの的確かつ正しい疑問だ。なんで壁が出来ているんだ?そんな事を考えていると、マモリちゃんが歩いて来た。
「ユーイチさん。お迎えにあがりました。リリアさんと暮らす為に過ごしやすい家や、安全な住居を造らせて頂きました。その為の獣避けの城壁です。」
俺はこの村で嫁さんと居る為には、城壁が必要らしい。
「ここまでやってると、かなり目立っちゃうから後々が心配だよね。」
「あら、ユーイチは世界で1番目立ってるから、そんなに気にしなくていいんじゃない?」
リリアから不安な言葉を投げ掛けられて嫌そうな顔をするが、そのままリリアは続ける。
「それに、女神が3日間の滞在を地上で行うのは初めてだから、この事は歴史に残るぞ?」
そう言えば、神様降臨だわ。村長とか色々と話してないな。大丈夫か?と思うと、マモリちゃんが答える。
「村の人達にも相談されたので、色々と伝えてあります。神様であり、ユーイチさんの家族でもあるので、食事の席も用意してますし、滞在目的がユーイチさんと過ごす事とも伝えてます。」
「リリアの事も伝えてくれたんだね。ありがとうね。」
「はい。それと子供達にもお願いがあるので、2人は聞かないでくださいね。サプライズですから。」
マモリちゃんはミリィちゃん達を集めると、何やらスマホを出して何かを説明しているようだ。横のリリアは顔を赤くしながらクスクス笑っている。
「私は初めての参加だから楽しみよ。」
「マモリちゃんのサプライズは初めてだから、楽しみだね。」
リリアは何か知っているようだが、嬉しそうな表情のまま教えてくれない。知っちゃうとサプライズじゃないからね。
そんな事を考えていると、双子ちゃんから『『がんばりゅ!』』と言う声や、ミリィちゃんから『すごいね。』と声が上がる。
そして双子ちゃんを先頭に、子供達は2列で並んでユーイチの前に並ぶと、マモリちゃんに促されて広場へと向かう事にする。
「ユーイチさん。広場まで内緒にしたいので、視力、聴力、嗅覚、ナノマシンも一時的にダミーを流させて貰っています。」
「何か凄い事を言ってるけど、まぁ目隠しして歩いているって事ね。了解。」
ユーイチは偽装データを眺めつつ勝手に身体が歩いていくと、広場の外側に辿り着いたようだ。
俺の目の前には誰もいない広場が見えている。横に居るリリアは俺の腕に腕を絡ませて顔を赤らめて微笑んでいる。
そしてマモリちゃんは、広場に向かって声を出す。
「これより、新郎、新婦の入場です。」
いきなりなユーイチが可哀想(笑)襲撃より大変な戦いがこれから始まる(笑)




