9話 後始末が大変な雨の日
書けた書けた( ^ω^ )
ユーイチは、雨に濡れる事を気にせず、走って村へと急ぐ。マモリちゃんから『子供達が泣いている。またお兄ちゃんが死んじゃう。』と言っている。と聞いたからだ。
木々の間を走り抜け、村の門まで辿り着く。村の門の高見台にゴワイルが居るのを見つける。
皆が警戒して武器を持って待ち構えていたようだ。ユーイチは悪態をつく。
「ゴワイルめ!家に篭ってろと言ったのに!」
(ヤバイよなぁ。今回の原因って、俺がここに居たから村にモンスターが攻め込んできたんだろ?
説明した方が良いと思うけど、そしたら村から離れないといけないんだよな。)
(説明の方向性を変えてみては?魔獣の群れを察知して、討伐してきた。人型に関しては姿を消した。と言えば良いのです。1人は燃え尽きて。2人は国に帰ったので、姿を消した事に間違いはありません。)
(マモリ。ちゃん。頭いい。)
(食事の時にリリアさんも毎回来ていたので、相談するのも良いかもしれませんよ?)
ユーイチは門の所に行くと、まずは門番のダンチに謝る事にする。ダンチはまだ、二十歳になっていない活発そうな男の子で、身長が低いのが気にしている子だ。
「ダンチ。さっきは済まなかった。門番の仕事を疎かにさせてしまった。許してほしい。」
ユーイチは頭を下げる。
「気にしていないよ。まぁあれには驚いたけどさ。まさか門を飛び越えて出て行くとは思わなくて。思わず上を見上げながら口を開けていたから、雨が口に入って喉を潤せたのがネタになったよ。」
そう言って笑っている。そして真面目な顔をして聞いてくる。
「それより、ユーイチさんは何かあって急いだんだろ?森の中でデカい音が聞こえたり、ゴワイルさん達も走って帰って来たし。」
「あぁ。みんなに説明するから門を開けてくれ。」
ゆっくりと門が開くと、村人達がクワや棒を持って待ち構えていた。村長のグイフ君も居る。
「みんな!まずは結果を先に報告する。魔獣やモンスターを討伐した。その量が多くて、俺の奥の手の武器を使ったんだ。」
それを聞いて安心する一同。ゴワイルが聞いてくる。
「どれほどの量がいたんだ?」
「モンスターが数千匹だ。正確な数までは知らん。」
ざわめく一同。そりゃ近くまで数千匹のモンスターが近づいていたのを聞いたら焦るよな。
「モンスターに関しては綺麗さっぱり消滅させた。残っているのは魔獣の遺体だけなんだ。売れるか?ゴワイル?」
誰も返事をしない。ゴワイルまで固まってるぞ。
「ゴワイル。聞いてるか?」
ハッとしてこちらを向くゴワイル。
「あぁ。魔獣は売れる。だが数千匹を倒したというのか?ユーイチ。あと、消滅とはなんだ?」
「消滅と言うのは、木を燃やせば灰になるだろ?その灰も残らない、何もない事にしてしまうのが消滅だ。」
もぅ俺は魔法が使えなくても、マモリちゃん。ナノ君が居れば十分過ぎると思い始めてる。そしてどんどん秘密がバレていく。秘密とゴワイル達の命なら、ゴワイル達を取るしかない。
「子供達にも心配をかけているから、一旦家に帰る。村長。村のみんな。戦った地域は遠いのと、量が多いから、これから話す事。見た事は出来る限り内緒にしてくれるか?」
グイフ君は村長らしき顔つきで答える。
「村長の名にかけて約束する。今から話す事を他に漏らす事を禁ずる。」
ちゃんと『俺』の事も伝えないとな。
「魔獣を倒すのに奥の手を何個か使ってたんだが、その奥の手が『銀の鎧』とあだ名をつけている。銀色の門よりデカい人型だから驚くなよ?
魔獣の殺し方は別の奥の手になるから聞かないでくれ。傷はない筈だ。
そこで本題だ。うちの行商人達を後で来させるから、解体して町に売りに行こうと思う。村長。解体を村にお願いしたい。
費用は売った金額の8割を払う。モンスター達のせいで獣は取れなくなるし、少しの間不自由になると思う。
村のみんなの生活の足しにして欲しい。
そして、ガリス王国か?そこの奴らと話しをつけてきた。上手くすれば、数十年から百年位は戦争をふっかけて来なくなると思う。以上だ。俺は子供達の所に一旦戻るから。」
家に向かって走り始めるユーイチ。後ろで歓声が上がっているが知らん。ユーイチは家に急いで帰る。
(なんでこんなに忙しくなるんだ!)
(今の所、最善の方法ですので頑張るしか無いですよ。)
(ユーイチ。頑張れ。)
家に帰宅しながらユーイチは、『魔獣を運んでいるユーイチ。』の身体も操作している。
これはこの世界に来てから3日目に試した事。それは『登録された有機物。無機物。をナノマシンにて複製が可能。』だと言われた事。
自分自身も有機物じゃね?と思ったユーイチは自分を作ってみた。複製が作れた。
リアルな分身の術が出来て喜んだのだが、謎の負担がかかるので、現在の最大操作人数は3体までしか操れない。
森の中に居るユーイチは全力モードであるユーイチになりつつ、魔獣を担いで運んでいる。
だがやはり、自分を2人以上操作するのに違和感がある。だが早く終わらせたい。
モンスター達をナノマシン化したから、だいぶ多くなったナノ君達を集合させてみたら、4メートル程のユーイチが出来た。
魔獣達の死因を取り除いて貰ってから、担げるだけ担いで歩いていた。
だが、進行方向に王女と護衛が立っている。
「どうした?まだ用事があるのか?」
鎧姿のまま声をかける。早く帰って欲しい。
「ユーイチ様なのか?その姿は一体?」
王女に様付けられる村人とは笑えるなと思う。だが、今は忙しい。
「俺の事を全部話す理由は無いだろ?魔獣を運ぶのに忙しいから、用件があるなら早く言ってくれ。」
「一刻も帰る為に食料が必要。ユーイチに爆破されて食料が燃え尽きた。少し分けて欲しい。」
何言ってるんだ?コイツら。そんな事を考えているとマモリちゃんから話しかけられる。
(ユーイチさん。魔獣爆破の際に、魔獣に括り付けていた荷物等が焼失しています。)
(あ。アレか。それじゃ俺が原因だよな。村人達に合わせたくないし、ナノ君製でいいか。
マモリちゃん。銀色の中から、俺が出る事って出来る?)
(可能です。負荷は予想出来ないので、一時的に私がユーイチの保持を行います。)
(ありがとね!ほら、胸の所がカパッと開いて、俺が出てくるようにしたいんだけど。)
(そのような登録やデザインは、今まで行っていないので現状は無理かと。)
(そっか。後でやるのを覚えておこう。)
ユーイチは地面に膝を開くと、胸に手を当てる。そこからヌルンと飛び出るユーイチ。アニメのシーンを考えた動きに満足しながらユーイチは地面に飛び降りる。
「それで、お前達はコレを食べたらダメとか決まってる動物や植物はあるの?」
「ない。混沌の神の信者はなんでも食べる。」
「同じく。」
相変わらずこの護衛は喋らないな。まぁいいや。
「ほら、濡れない木の影に行くぞ。俺がいいと言うまで向こう向いてろ。」
後ろを向く2人。
(ナノ君。悪いんだけど、『ユーイチサンド』に使う材料と道具。あ、ガスとか無しでフライパン位ね。あと薪かな。護衛の身体がデカいから、2泊で7人前の量を出してくれる?ペットボトルの水と、テントセット2つに寝袋は一個とブランケット多めで。)
(わかった。これで。いい。?。)
(ありがとね。いつも助かります。)
「いいぞ。振り向いて。取りあえずこれだけ渡すから、今から実践するぞ。」
雨の降る中、俺は王女と護衛にテントの張り方や飯の作り方を説明するのである。
そして胸が苦しくなるユーイチ。村のユーイチの目の前にはミリィちゃん。レオン君。メルちゃん。ラルファ君。レミリアちゃんに泣かれて抱き付かれている。本体の心の苦しさが半端ない。
「ゴメンよ。心配かけて。怖いモンスターや魔獣が居たから退治してきたんだ。多かったからさ。全力で戦かわないと危ないと思ったんだ。もう平気だからね。 」
「ユーイチ兄さんが、ウォル兄さんと、同じ顔で、オーク退治しに、行った時と、同じで。」
泣きながら、ミリィちゃんは言葉を振り絞る。多分、ウォル君もオーク退治の時に同じ事を行って出て行ったんだろう。
「ミリィ姉ちゃんが、ユーイチ兄ちゃん、死んじゃうって。」
「しんじゃやだぁー!」
「「うぇーーん。」」
心配かけた所に、ミリィちゃんにつられて泣いちゃった訳だね。全員を抱きしめながら慰めていく。
「大丈夫だからね。心配かけてゴメンね。みんなのお兄ちゃんは強くてカッコいいんだ。モンスターなんかに負けたりしないからね。」
「流石ですアニキ!やっぱりアニキは最高です!」
「本当に魔獣達を倒したのですか?貴方1人で。」
グレッグ達も騒ぐ。なので子供達を抱きしめながらお礼を言う。
「みんな。本当にありがとうな。戦えたのもお前達が子供達を守ってくれているとわかっていたからだ。」
「当然です!アニキ!アニキの家族を守るのは俺の仕事ですから!!」
パシリ感が増えてきたグレッグ。アニキと呼ばれるのに違和感がなくなってきたのが、少し怖い気がする。
「さぁ商人のみんな。美味しい商売の話しだ。さっき見せた魔獣達。傷がない状態で全て確保出来た。と言ったらどうする?
村にも獣が取れなくなったりする被害があるから、利益の8割は渡すつもりだ。だが、あれだけの量の金額の2割がこちらの手元に来るぞ。売れる部位の確保。はぎ取りの指示。荷台に乗せられる量。それで金額が変わるが、我らの商人はどのように売り捌く?
ちなみに運べる新たな足として、村の門よりデカい巨人が荷物を運んでくれるから、運送力は増えてるぞ。あと少しで門まで運んで来てくれるから、君達の力に期待します!」
「行くわよ!グズグズしないの!」
メリッサが急いで立ち上がり、レインコートを掴むと、着ないまま外へと走り出す。続いてバル。グレッグ。
ゴロスはレインコートを着込むと、ユーイチに声をかけてくる。
「無事に帰ってきてくれて何よりです。行ってきます。」
そして家には子供達の泣く声と雨音。そして甘い香りが漂っている。
「ユーイチさん。そろそろチョコレートも溶けましたし、今回はフレンチトーストの上にバナナとアイスを乗せてみました。この料理の本は素晴らしい知識ですね。
ユーイチさんは精神的に疲れてますから、甘い物の摂取を勧めます。子供達もそろそろ泣き止むとお腹が減るでしょうし。」
「ユーイチ。僕も。作った。」
相変わらずの2人だった。
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