10話 雨時々晴れ、所により血の雨?
巨大ロボは憧れがありますよね!
マモリちゃんとナノ君がフレンチトーストを大量に生産していく。そして泣いていた子供達がもう笑っていた。
「「おいちぃね〜。」」
「ユーイチ兄ちゃん!これもうまいから、たべて!」
メルが笑顔でフォークで刺したフレンチトーストを俺に差し出す。蜂蜜が垂れているのに気がついて欲しい。
「ほら早く!たれちゃったぞ!」
責任は俺なのね。と笑いながら口を開けると、フレンチトーストの卵や砂糖の甘さ。蜂蜜の甘さ。トッピングはイチゴの甘酸っぱさ。全部が甘い。
「美味しいね。みんなお昼ご飯は食べれるようにほどほどにするんだよ?」
「「「「はーーーい。」」」」
ちなみにミリィちゃんはまだ抱きついてグズグズ言ってる。俺はマモリちゃんから貰ったフレンチトーストを、片手で器用にフォークで一口大にカットすると、ミリィちゃんに差し出す。
「ミリィちゃんも食べてごらん?はい。あーん。」
ミリィちゃんは顔を赤くしながらも、口を開けて食べる。
「美味しい?」
無言で頷く。そしてまた口を開ける。ユーイチはフレンチトーストを一口大にカットしてミリィちゃんの口に入れる。
「私にも食べさせてくれないんですか?ユーイチ。」
子供達に挟まれて、先ほど現れたリリアもフレンチトーストを食べている。
「子供達を泣かせてしまったんだから、待って貰わないと。『今は仲良く甘いのを食べよう。話しは後だな。』」
リリアは普段の笑顔でなく、初めに会った頃の表情で微笑む。
「ええ。理由を尋ねたいのでしょう?後で答えましょう。」
神様モードだなこの顔は。そんな事を考えつつ、メルにも食べさせたりしている。
「マモリちゃん?ナノ君?なんでメルちゃんの後ろに並んで、俺にあーんさせる順番を待ってるの?」
「味が変わるのです。その検討ですね。」
「僕も。あーん。したい。されたい。」
順番に食べさせたり、食べたりしつつミリィちゃんも落ち着いたのか、膝の上から降りていく。顔を赤くしたまま下を向いて、少し離れて座ってる。
「ナノ君。片付けをお願いしてもいい?」
「平気。コーヒー。飲む?」
「ありがとう。でもリリアに聞きたい事があるから、ちょっとテントに行ってくるね。みんなもテントで大事な話しをしてくるから、待っててね。」
みんなの頭を撫でてから、外のテントにリリアを誘う。
「リリア。傘がないんだけど、レインコートでも平気か?」
「私は雨に濡れないから大丈夫。では行こうか。ユーイチ。」
ユーイチはレインコートを着て。リリアはそのまま外に歩いて、横にあるテントへと向かう。確かにリリアには雨が触れていない。
神様モードなリリアっぽいので、奥の席を譲って座ってから、ナノ君にコーヒーをお願いする。お互いにミルク多めの砂糖3杯だ。
「ユーイチ。何が聞きたい?」
「聞きたい事は何個か。あの場で言った意味の確認をしたい。3人が言った言葉だ。『神の名の下に。ユーイチを守護し、他の束縛を禁ずる。』はどう言う意味なんだ?」
「その通りの意味だよ。ユーイチを守護し、他の権力からの束縛を禁ずる。3人の場合だと、人族、魔族、神族からの束縛を禁じている。契約で不当な事は縛らないようになっている。そして君に災いが降りかかる時には、神の力を行使すると言う事さ。」
「さっきの場面では行使されないと?」
「ああ。必要無いだろう。君を殺す事は出来ないし、束縛する事もなかった。相手が殺そうとしてきていたけどね。それに神の加護を与えられている『2人』に被害が行く事も無いからね。何もしないさ。」
あぁ。甘ったれるな。と言う事か。
(マモリちゃん。顔に来る痛みの再現を100%にして。)
(了解しました。)
ユーイチは右手で全力で自分の顔に拳を叩き込む。痛さで何もわからない。のたうち回りたい。だけどリリアの前だ。かっこ悪い事は出来ない。
時間が経ち、なんとか会話が出来る。
「リリア。ごめんな。馬鹿な質問をして。馬鹿な事を言ってる時は普通に文句を言ってくれ。神様としてではなく、嫁さんとして。」
表情が普段のリリアに戻る。
「わかったわ。ユーイチ。流石にそこまで叩かないから安心して頂戴。神様はみんなを救う事は出来ないの。みんなが生きていて、争っても大切に思うから。生きるって事は戦う事でも有るし、弱肉強食でもあるから。」
加護は守ってくれる。だが、村人達は違う。そこは俺が守りたいと考えてる所なんだから、俺が頑張らなきゃいけない。
「所で、リエラはいきなりで暴走してるわけじゃ無いよな?簡単に伝言を頼んでみたけど、落ち着くのかな?」
「知ってるわ。守護してるって事は見守ってるって事だし、リアラもこの状況と貴方の言葉も聞いてるはずよ。
きっと今頃はパニックになってるでしょうね。まぁタナティウスもリエラの所に行ってるでしょうし、大丈夫でしょ。」
「それと、荷運びをしている俺なんだけど、聞かれたらなんて言えばいいと思う?」
「貴方自体が『神具』なんだから、神の力でも良いわよ。悪さをする訳では無いのだから。」
巨大ロボを作って走ったり、モンスターと1回くらいは戦ってるのを見てみたい。後は荷運び?あれ?20分で飽きる気がする。余りに使い道が無いな。悪さをする意味が無いし。
「それは大丈夫。契約をするか?」
リリアは笑いながら答える。
「契約の神の前で、契約を求めるのも不思議よね。良いわよ別に。悪さをする気がないんだから。今は神じゃなくて妻のリリアなんだから。」
うん。こっちの顔のリリアの方が美人だと思えるし、綺麗だな。
「うん。こっちの顔のリリアの方が美人だと思えるし、綺麗だな。」
顔を急に赤くするリリア。
「いきなり何言うのよ。恥ずかしいじゃない!」
あれ?口に出してたか。まぁ素直な気持ちだ。
「嘘は言ってないぞ。素直に言ってしまっただけだ。」
「ほら、また子供達がぐずりそうだから戻るわよ。そして私は『食事の時に貴方の元に来れる。』契約を自分にしているから、他で声をかけても来れないわ。忘れずに覚えておいて頂戴。さっきみたいに呼ばれても行けないんだから。」
そうか。何かあるんだな。覚えておこう。そんな事を考えながら、森の中のユーイチは、王女様達に道具や材料の開け方や使い方を説明してから別れた。
ユーイチは村に着くと、門の前に白虎を置こうとする。だが、ゴワイルから声がかかる。
「待ってくれ。血抜きをしないといけないから、せめて木にぶら下げていってくれ。」
(そうか。血抜きをしないと臭くて食べれないと言うからな。)
ユーイチは、運んで来た1匹づつを、太い木に絡みつける様にして白虎をおく。この位置なら首とかに手が届くだろう。地面に文字を書いておく。
《下ろす時に声をかけてくれれば、門の近くに下ろす。周りに獣は居ない。安心しろ。》
ユーイチは次の魔獣を取りに行く事にする。それを後ろから村人達が会話をしている。
「な、なぁ。アレがユーイチさんの言ってた『銀の鎧』か?4エム近い大きさの魔獣を3匹も担ぎながら、木を蹴り倒して進んで来たぞ?」
「だけど、ユーイチさんの言っていた通り、門の前に置いてあったし、ゴワイルさんの言ってた事を理解していたから、平気なんじゃないのか?」
高見台から見ていた村人達が、話しながらユーイチを見送る。そして魔獣に近づくとまた慌てる事になる。
「なぁ。この魔獣は寝てる訳じゃないよな?どこも傷が無いぞ?死んでるんだよな?本当に。」
そんな所に走ってくるメリッサ達。
「これですか!ユーイチさんが倒したって言う魔獣は!やったわ!!本当に綺麗な状態!!これは高値で売れるわ!!」
「さすがアニキ!ヤバイっす!最強っす!マジ最強っす!」
グレッグとメリッサは抱き合って喜ぶ!バルは驚いた表情をしながら白虎に近づく。
「これ、キングタイガーと呼ばれる魔獣の純血種ですよ...。冒険者ギルドの名簿で見た事あります。売れるのが爪と牙、毛皮と心臓に魔玉が有るらしいです。実物は初めて見ました。かなりの高値になりますよ。この1体だけでも。」
ざわめく村人達を村長のグイフ君が皆に声をかける。
「驚いていても解体は終わらないから、みんなで作業を始めよう!貯蔵庫から飯も出して村人総出で作業をするぞ!」
村人達は集まると、ゴワイルとクリミアちゃん指示で血抜きを始めたり、魔獣を解体の準備を始める。メリッサが村長に声をかけ説明をする。
簡単な予想金額を聞いて、グイフ君は目を見開くと独り言を呟く。
「また親父に相談だ...俺、村長に向いてないのかな?」
「村長。ユーイチさんからの伝言です。運んで来た銀の鎧は、町までの運搬に使えるらしいので、売り物として解体しない1匹をそのまま残しておいてください。その方が高値で売れると思います。」
雨の中、バタバタした日中を村人達は過ごす。そして村人達は思う。『どの位の量が運ばれてくるのか』と。
銀の鎧は次々と白虎を運んでは木にぶら下げ、次はドラゴンを運んでは木にぶら下げていく。
バルは村人に伝える。『ドラゴンは血も売れるらしい。村に薬師がいるなら相談するべきだ。そしてドラゴンの肉は高級食材として高値が付いている。売り切れないから食べるしかない。』と。」
村人はジル婆の所に走る。『ジル婆は薬も使っていたはずだ!』と。
森の中のユーイチはせっせとドラゴンを運び、家の中のユーイチはせっせと子供達と食事をして、ご機嫌を取るのであった。
ドラゴンの血を使ったポーションも憧れがありますよね!




