身バレ
「それでは、これが依頼の報酬とワイバーンの討伐の報酬です。」
俺は銀貨の入った袋と銅貨の入った袋を受付嬢に渡され、適当に麻袋に仕舞いこむ。
俺としては、過去の残り物があるこの場所からさっさと離れておきたいのから、早く切り上げてくれ。
「それでは、ギルドのランク試験のための内容を伝えるため、個室に案内します。」
「……分かった。」
俺は受付嬢に連れられ、奥にあるシックな個室に案内される。
良かった……これで、赤羽鯖徒から逃げれる。
それにしても、あいつは何故ここにいたんだ?俺にとってデメリットだったら……殺すか。どのみち、なるべく早めに殺す予定だし。それほどまでに彼の勇者スキルは危険だ。何せ、俺の正体に真っ先に気づくだろう勇者スキルだからな。
「ギルドのランク試験は基本は魔物の討伐です。ホワイトさんが今Gランクですが、今回の試験によってはAランクまで昇ることが出来るかもしれません。」
……つまり、試験は入試のようなそれぞれで受けるのではなく、英検や漢検のようなものか。それでも、それぞれのランクに相当する物は違うのだろうか。
「試験内容は『リヴァイアサンの討伐。場所はこの大陸の近海』です。」
リヴァイアサン……Sランク相当の魔物か。あいつの特性を考えるとシェンショウジンとは相性が良いが……何故だろう、凄い嫌な予感がする。
「リヴァイアサンはSランク相当の魔物だ。俺はGランクである以上、そこまでの事は出来ないぞ?」
「いえ、今回は勇者様方も参加するとの事ですので、比較的簡単かと。」
ほらー、嫌な予感が当たったよ。あいつらと一緒に仕事をするとか、命が幾つ合っても足りないよ。
けど、鯖徒がここに来ていた理由も分かった。恐らく、あいつは仕事内容の調整に来ていたのだろう。
「でも、勇者様方とはホワイトさんは別の船に乗るそうですよ。何でも、勇者様方も乗る人は選別しているとの事でしたし。」
助かる。マジで助かる。
「それと……これを、渡しておきます。」
「……ん?」
これは……羊皮紙?何か書いてあるのか?
☆☆☆☆☆
月読 白 種族:ヒューマン(概念到達者)
魔力:5000/5000 生命力10000/10000
俊敏:700 耐久:20000
スキル
・炎魔法(概念) ・確約された悲劇
・水魔法(概念)・呪詛
・深淵 ・精神防御
・気配察知 ・精神汚染
・回避
Eランク勇者スキル
・仙界境面
内容:現象、物質、概念を消滅させる光を放つ鏡を作り出す。
・予測不能
内容:如何なる予知能力でも完全な予知を不可能とする。
・万神の消滅
内容:因果その物を縫い付けた攻撃。その力は不死者や天使、悪魔、神すらも殺す。
☆☆☆☆☆
「……へ?」
あれれ~?おっかしいぞ~?何で『アカシックレコード』や『スペルコード』じゃなければ手に出来ない俺のステータスが現れてるの~?
てか、偽名ばれたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?
「偽名についてはどうでも良いですが……。」
「知・る・か!それよりもどうやってこれを調べた!?」
「えっと……昔からここにあるスキル検出器で調べただけですが……。」
「その検出器を作ったのは誰だ!?」
「えっと……確か、色彩 響という勇者ですが……。」
色彩響……確か五代目のEランク勇者……!こいつ、『因果応報』の使い手と言う側面と魔道具製作者としての側面があったのか……!
「……誰にも知られてないよな?」
「……えっと、副ギルド長も知っています。けど、これは言うつもりがないようですよ?」
「……なら、いい。」
それなら……こいつを殺さなくてもすむ。
「取り敢えず、試験日は何時だ?」
「えっと……明後日です。」
「分かった。」
俺は試験日を聞いて立ち上がる。
俺としてはここに長居する理由なんてないからな。さっさと出させて貰う。




