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川越流警備術

警棒を振り上げるロン毛野郎…クッやるしかないのか?


ガッ


その時、誰かがロン毛野郎の腕を掴むのが見えた。


「クッ」顔をしかめるロン毛野郎、掴まれた腕が痛いのか、警棒を落とし、うずくまる。


「ふう…途中までは様子を見ていようと思っていましたが、特殊警棒は流石にまずいですね」


俯いていたロン毛野郎がキッと、その相手を睨む。


そこにいたのは、金の鹿の様な刺繍が施された黒いスーツを着た金髪赤目の超絶イケメンだった…


「黙って見ていたのか?随分と良い趣味だことだ」


肩を竦めながら俺が言うと、そっと近寄って来て、ひそひそと話す


「いえいえ、タンサ様に絡んでいる、あの男を見て手加減できそうになかった物ですからね。洋一様のお陰で落ち着きましたので出て来たと言う訳です」


まあ、こいつの方がタンサよりも、ある意味ヤバいからな…本当に俺が対応して良かった。


「なッなんですかあ~貴方は?」


身なりの良いトナカイさんを見て態度を変えたらしいロン毛野郎、金持ちケンカせずって事か。


「いえいえ、私はただの教師ですよ。本日からこちらに赴任してきました」


きゃ~とか、カッコいい、ヤバいヤバいとか言う声が聞こえてくる。


有名私立校のお嬢様と言っても、その辺の女共と変わらんな…やはり女は二次元に限る…


「フンッたかが教師風情ですかあ~僕の様なセレブに対しての教育がなってないなッ!お前も一緒に矯正して…」


と言って警棒を握りなおそうとしたロン毛野郎


その前に立ちふさがり、再度、挑発する


「おい!お前の相手はこの俺だろ?」


でないと、トナカイの野郎に殺されかねんからな…


「良いだろう…そんなに死にたければ、お前から殺してやる!」


いくらセレブでも殺したら罪に問われると思うぞ?問われるよな?


「けりゃー」叫びながら斬り込んでくるロン毛野郎


中々に鋭い剣筋だ。電話脳でスローモーションにしなければ俺にもハッキリとは見えなかっただろう


しかし、当たらなければどうと言うことはない!攻撃をサッ、サッと何とかかわす。


「貴様ああァッバカちんにしやがってえ」


怒りのあまり更に言葉使いが変になっているロン毛野郎。


「おフランスのイメージが崩れるから、この技はあまり使いたくなかったのだがな…」


大丈夫、既に色々とキャラ崩壊してるから…


警棒を両手で握りなおし、右上段に構えをかえたロン毛野郎。


あれは…薩摩次現流一の太刀!二撃目を考えず、一刀に全てを込める技だ…その分、威力も上がり剣速も早くなる!


「キエエーチェストォオオー!」


と言う掛け声と共に、俺に向かって走ってくるロン毛野郎


俺は前傾姿勢をとり、帽子を深く被りなおし、帽子のつばに力を込める!


「川越流警備術裏奥義!啄木鳥ッ」


叫ぶと同時にクルクルと回りながらロン毛野郎に向かって飛んでいく学帽


ロン毛野郎の顔面に命中し奴の目の辺りにがガガガッと短い音が連続して響いた。


「ぐおぉ目が、目が~」


目を押さえながら転げ回るロン毛野郎。


「おお!凄いな洋一!ただ帽子を投げただけに見えたのだが」


「フッそれでは、ただの飛燕になってしまうな…」


「どう違うのじゃ?」


「飛燕は確かに強力な技だが目潰しには向いてない。何故なら片目しか攻撃できないからな…

しかし、啄木鳥は帽子を飛ばす時に強力な回転をかける事により、右目に命中した後グルグルと回りながら左目にも攻撃できるのだ!

しかも、帽子のツバが回りながら啄木鳥の様に何度も目の辺りを攻撃するから目潰しの効果も高い」


「なるほど、そんなに凄い技じゃったのか…」


「ああ」


「だが何で裏奥義なんじゃ?」


「それは…」


「その話し私も興味がありますね」


「トナカイ?」


「私にも教えて頂けますか?なぜ裏奥義なのかと言うことを」


仕方がないな…出来れば秘密にしておきたかったのだが


「それはな…」

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