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アイコン三国志  作者: 小金沢
第九章 南中の戦い
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89/126

〇八八   南中への道

~~~呉 濡須(じゅしゅ)~~~



挿絵(By みてみん) 徐盛(じょせい)

「がっはっはっ! 掛かったな曹丕!

そら、火と矢の雨を浴びせてやれ!!」



挿絵(By みてみん) 桓階(かんかい)

「味方は徐盛軍の奇襲を受け総崩れです!

張りぼての城壁や軍船で我々の目をかく乱し、徐盛は背後に回っていました。

我が軍の船は次々と焼き払われています!」



挿絵(By みてみん) 司馬懿(しばい)

「へ、陛下! こ、ここはもう危険です!

な、流れ矢が! 流れ矢が飛んできます!!」



挿絵(By みてみん) 曹丕(そうひ)

「ふむ。遠征のたびに軍船を焼き払われては、いくら造ってもきりがないね。

かくなる上は、僕も認めざるをえないようだ」



挿絵(By みてみん) 司馬懿(しばい)

「な、なにをですか? ああっ! 矢です!

ほら! 矢ですよ矢! 射程圏内です!!」



挿絵(By みてみん) 曹丕(そうひ)

「僕は父上ほど、曹操ほどは戦が上手くないということだよ。遺憾ながらね」



挿絵(By みてみん) 孫韶(そんしょう)

「ヘーイ! 曹丕はそこかい? 江東一の伊達男、ショウさんとは俺のことさ!

あんたの首をシャンパンタワーの頂上に飾らせてもらうぜ!」



挿絵(By みてみん) 司馬懿(しばい)

「敵です! 今度は敵です! 流れ矢も飛んでます! 敵です! 矢です!

もう駄目だ! 死ぬ! みんなここで死ぬんだ!!」



挿絵(By みてみん) 曹丕(そうひ)

「落ち着きたまえ。援軍が来たようだよ」



挿絵(By みてみん) 張遼(ちょうりょう)

「陛下! 無事かてめーら!」



挿絵(By みてみん) 臧覇(ぞうは)

「臧覇が参ったぞ! 今のうちに退却せよ!」



挿絵(By みてみん) 曹丕(そうひ)

「張遼君に臧覇君か。

病気で後方に下げられていると聞いたが元気そうだね。ここは任せたよ」



挿絵(By みてみん) 張遼(ちょうりょう)

「ケッ。病気は確かだがただの左遷だっつーの。

おらおら、さっさと逃げろよ!」



挿絵(By みてみん) 臧覇(ぞうは)

「! いかん張遼! 左だ!」



挿絵(By みてみん) 丁奉(ていほう)

「むううううううん!!」



挿絵(By みてみん) 張遼(ちょうりょう)

「ぐわっ! な、なんだこりゃ……石片か?」



挿絵(By みてみん) 臧覇(ぞうは)

「伏兵だ! 大丈夫か張遼!」



挿絵(By みてみん) 張遼(ちょうりょう)

「脇腹にもらったがかすり傷だ。逃がさねーぞてめえ!!」



挿絵(By みてみん) 丁奉(ていほう)

「あれで動けるのか? 張遼やはり恐るべしだな……」



挿絵(By みてみん) 曹丕(そうひ)

「彼らが足止めしている間に総退却する。全軍に合図を送りたまえ」



挿絵(By みてみん) 桓階(かんかい)

「はッ!」



~~~蜀 成都(せいと)~~~



挿絵(By みてみん) 伊籍(いせき)

「曹丕は再び大軍を催し濡須を攻めましたが、徐盛によって撃破されました。

遠征軍は多数の軍船を失い、合肥に守備兵を残し総退却した模様です」



挿絵(By みてみん) 諸葛亮(しょかつりょう)

「また軍船を失ったのか。曹丕は道楽で戦をしているようだな」



挿絵(By みてみん) 劉禅(りゅうぜん)

「金があるってうらやましいなあ。わしらにはそんな遊びできないよ」



挿絵(By みてみん) 諸葛亮(しょかつりょう)

「つづけて攻撃を受け、呉と魏の関係はもはや修復不可能であろう。

呉に使者を送ればたやすく同盟を結べるに違いない」



挿絵(By みてみん) 来敏(らいびん)

「宿敵の呉と同盟するだと?」



挿絵(By みてみん) 諸葛亮(しょかつりょう)

「すでに不戦条約は結んでいる。それをもう一歩進めるだけだ。

だいたい呉を目の敵にしていたのは劉備だ。余には関係ない」



挿絵(By みてみん) 劉巴(りゅうは)

「………………」



挿絵(By みてみん) 諸葛亮(しょかつりょう)

「蜀には呉と魏を同時に相手にする力はない。呉も同様だ。

利害は一致する。孫権に人並みの脳みそがあれば同盟は必ず成るであろう」



挿絵(By みてみん) 龐羲(ほうぎ)

「………………」



挿絵(By みてみん) 諸葛亮(しょかつりょう)

「どうした。何か言いたそうだな。

察するところ呉と同盟することよりも、余の存在自体に異議があるようだな」



挿絵(By みてみん) 秦宓(しんふく)

「…………単刀直入に言おう。我々はお前が復帰したことに納得していない」



挿絵(By みてみん) 諸葛亮(しょかつりょう)

「ほう。貴様らが納得していようがいまいが余には関係ないが?」



挿絵(By みてみん) 劉禅(りゅうぜん)

「わしは納得してるぞ。っていうかわしが諸葛亮を呼び戻したんだし」



挿絵(By みてみん) 劉巴(りゅうは)

「恐れながら陛下! 我々はこの諸葛亮という男が信用できません。

夷陵の戦いを前に、自分勝手な理由で離脱しておきながら、

今またのこのこと帰ってきて、我が物顔に振る舞うこの男を!」



挿絵(By みてみん) 諸葛亮(しょかつりょう)

「余は劉備と劉禅に全権を託されている。

余に逆らうことは劉備と劉禅に逆らうことと同義であるぞ」



挿絵(By みてみん) 龐羲(ほうぎ)

「ぐっ…………」



挿絵(By みてみん) 劉禅(りゅうぜん)

「おっ。出たな身も蓋もない発言!

諸葛亮~。これじゃあ議論が発展しないじゃん。

わしが許すからみんなこいつを口撃していいぞ。

ほらほら武官も黙ってないでなんか言えよ」



挿絵(By みてみん) 趙雲(ちょううん)

「……自分は劉備先輩が諸葛亮先輩に後を託すのをこの目で見たッス。

劉備先輩の遺志に従うだけッスよ!」



挿絵(By みてみん) 来敏(らいびん)

「む、むう。そうか……」



挿絵(By みてみん) 黄月英(こうげつえい)

「趙雲の実年齢を知ってからみんなの反応が変わったです。

扱いに困ってるです」



挿絵(By みてみん) 呉懿(ごい)

「我々、武官は難しいことは考えられません。

指揮官が誰であろうと関係なく、命令通りに戦うだけですよ」



挿絵(By みてみん) 馬岱(ばたい)

「わては先帝(劉備)は関係なく、馬超はんや董白の姐御に後を託されたんや。

諸葛亮だろうと誰だろうと、命令に従い戦うだけや」



挿絵(By みてみん) 馬忠(ばちゅう)

「馬岱殿の言うとおりだ。夷陵の戦いで多くの将兵が失われた。

残された我々は死んでいった彼らの分も戦うまでだ!」



挿絵(By みてみん) 李厳(りげん)

「つーかよ。だったら諸葛亮の代わりが務まるヤツが他にいんのかよ?

この悪人面を追い出して、国が成り立つのかよ?」



挿絵(By みてみん) 馬謖(ばしょく)

(…………私がいる、と名乗り出られる雰囲気ではないな)



挿絵(By みてみん) 費詩(ひし)

「諸葛亮殿の実力は我々もよく知っている。

若き新帝を迎えたいま、仲間割れをすべきではないでしょう」



挿絵(By みてみん) 劉巴(りゅうは)

「……確かに我々の腹積もりで国を揺るがせるわけにはいかないな」



挿絵(By みてみん) 秦宓(しんふく)

「だが諸葛亮。二度と我々を、いや蜀と劉禅陛下を裏切ることは許さん!

お前の一挙手一投足に我々は目を光らせていると肝に銘じよ!」



挿絵(By みてみん) 劉禅(りゅうぜん)

「だってさ」



挿絵(By みてみん) 諸葛亮(しょかつりょう)

「フン。話はそれだけか? ならば鄧芝(とうし)を呼べ」



挿絵(By みてみん) 許靖(きょせい)

「トウシ? 誰だそれは」



挿絵(By みてみん) 諸葛亮(しょかつりょう)

「貴様らボンクラの百倍は使える男だ。

なぜかこの軍議の場には呼ばれていないようだがな。

そろいもそろってたいした節穴を顔の真ん中に空けているようだ」



挿絵(By みてみん) 秦宓(しんふく)

(……暴言も控えろと言っておけばよかった)



挿絵(By みてみん) 李恢(りかい)

「そのトウシという男に何をさせるおつもりですか?」



挿絵(By みてみん) 諸葛亮(しょかつりょう)

「話の流れを忘れたのか?

呉との同盟が必要だと説いてやっただろうが。

鄧芝を使者として呉に送り、孫権を説得させる」



挿絵(By みてみん) 伊籍(いせき)

「ご、呉との交渉にそんな

軍議の場にも出ていないような無名の者を使われるのですか」



挿絵(By みてみん) 諸葛亮(しょかつりょう)

「ご高名な貴様らの百倍はマシな男だと言った。

地位を気にするなら将軍職でもなんでもくれてやり箔を付けてやれ」



挿絵(By みてみん) 劉禅(りゅうぜん)

「ふーん。ま、とにかくそのトウシ? っていうの連れてきなよ。

あと無名で貧乏だろうから、服とか馬とか従者とか用意してあげて」



~~~呉 建業(けんぎょう)~~~



挿絵(By みてみん) 孫権(そんけん)

「蜀が同盟を持ちかけてきたって?

つーかこの手紙を書いてんの諸葛亮センセじゃねェか。

いつの間に復帰しやがったんだ?」



挿絵(By みてみん) 諸葛瑾(しょかつきん)

「つい先日、下の弟(諸葛均)に会いましたが、

まだ無職だと聞いていたのですがね」



挿絵(By みてみん) 張昭(ちょうしょう)

「そんなことより問題は内容のほうじゃ。

我々は毎年のように魏から攻められておる。

蜀との同盟は願ってもない話じゃろうて」



挿絵(By みてみん) 孫権(そんけん)

「おっ。珍しいじゃねェか。張昭が何かに賛成するなんてよ」



挿絵(By みてみん) 張昭(ちょうしょう)

「なんですと孫権殿!

まるでワシが内容に関わらずなんでもかでも反対しているようではないか!

ワシはいつも国のためになることだけを願い、

国のために思案をめぐらしているというのに、まったく――。

ガミガミガミガミガミガミガミガミ!!」



挿絵(By みてみん) 孫権(そんけん)

「わーった。わーった。オレが悪かったよ。

で、蜀から使者として来てんのは誰だって? トウシ? 誰だそりゃ」



挿絵(By みてみん) 顧雍(こよう)

「諸葛亮の復帰に際し、新たに将軍位に任じられた者だそうです」



挿絵(By みてみん) 孫権(そんけん)

「へえ。…………あれ? 顧雍、おめェ最初からいたっけ?」



挿絵(By みてみん) 顧雍(こよう)

「最初からいました。

しかしこの鄧芝という者、若手ではなくだいぶ年齢は行っているようですな」



挿絵(By みてみん) 孫権(そんけん)

「ふーん。諸葛亮センセに見込まれたオッサンか。面白そうじゃねェか。

ま、とりあえず会ってみようや。つれてきてくんな」



挿絵(By みてみん) 張昭(ちょうしょう)

「ガミガミガミガミガミガミガミガミ!!

――孫権殿、蜀と同盟を結ばれるおつもりか?」



挿絵(By みてみん) 孫権(そんけん)

「ガミガミ言いながらちゃんと聞いてやがったのか……。い、いや。なんでもねェよ。

同盟するかどうかはオレの決めることじゃねェ。判断は陸遜に任せるぜ。

オレはそのオッサンに会いてェだけだ」



挿絵(By みてみん) 張昭(ちょうしょう)

「………………まったく」



挿絵(By みてみん) 鄧芝(とうし)

「お、お初にお目にかかります!

と、鄧芝として参りました使者という者です!!

…………あれ?」



挿絵(By みてみん) 孫権(そんけん)

「そんな大声出さねェでも聞こえんよ。まあ落ち着けよ。

別にオレらはアンタを取って食おうなんて思っちゃいねェんだ。

それとも煮えたぎった大釜でも用意して待ち構えてると思ったか?」



挿絵(By みてみん) 鄧芝(とうし)

「わ、私はそのようなことはですね!

考えたこともないというかなんと言いますか!!

あ、でも魚は焼くよりも煮たほうが好きではあります!」



挿絵(By みてみん) 虞翻(ぐほん)

「…………この男、ノープランでしゃべってないゲスか?」



挿絵(By みてみん) 孫権(そんけん)

「ははは。今まで来てた堅苦しい連中よりはいいじゃねェか!

まあ立ち話もなんだし、こっちゃ来いや。

酒の用意がしてあんだ。いける口だろ?」



挿絵(By みてみん) 鄧芝(とうし)

「い、いけると言えばいけますし、いけないと言えばいけません!

し、しかしお望みとあらばいって見せますとも!!」



~~~蜀 成都~~~



挿絵(By みてみん) 黄月英(こうげつえい)

「これから御主人様が考えた南蛮討伐軍のメンバーを

発表するからお前ら耳の穴かっぽじって聞きやがれです」



挿絵(By みてみん) 馬謖(ばしょく)

「まず先鋒に趙雲、魏延。左右の軍に王平と張嶷。遊撃隊に張翼」



挿絵(By みてみん) 趙雲(ちょううん)

「ウス」



挿絵(By みてみん) 楊儀(ようぎ)

「私のギヱンに任せよ」



挿絵(By みてみん) 魏延(ぎゑん)

「      」



挿絵(By みてみん) 王平(おうへい)

「がってんだ!」



挿絵(By みてみん) 張嶷(ちょうぎょく)

「承知」



挿絵(By みてみん) 張翼(ちょうよく)

「かしこまった!」



挿絵(By みてみん) 馬謖(ばしょく)

「後衛は馬岱と馬忠。本隊の副将に李恢、それに私、馬謖(ドヤァ」



挿絵(By みてみん) 馬岱(ばたい)

「はいな」



挿絵(By みてみん) 馬忠(ばちゅう)

「熱い戦いをお見せしよう!」



挿絵(By みてみん) 李恢(りかい)

「はッ!」



挿絵(By みてみん) 馬謖(ばしょく)

「漢中の守りは…………ええと、誰だっけか。ああ、呉懿将軍か。

永安には鄧芝を入れる。また成都には張苞、関興、星彩を残す。異変に備えよ」



挿絵(By みてみん) 呉懿(ごい)

「はいはい。お任せください」



挿絵(By みてみん) 鄧芝(とうし)

「そ、備えます! 地震雷火事親父に備えます!」



挿絵(By みてみん) 張苞(ちょうほう)

「ああ、背後は心配しないでくれ!」



挿絵(By みてみん) 関興(かんこう)

「………………」



挿絵(By みてみん) 星彩(せいさい)

「関興もあたいもがんばるよ!」



挿絵(By みてみん) 馬謖(ばしょく)

「で、兵站はいつも通り李厳に一任と。……こんなところだな」



挿絵(By みてみん) 鮑三娘(ほうさんじょう)

「ちょっと待ったコーール!!」



挿絵(By みてみん) 関索(かんさく)

「お邪魔します。諸葛亮殿、俺も遠征軍に加えてください」



挿絵(By みてみん) 関興(かんこう)

「!!」



挿絵(By みてみん) 星彩(せいさい)

「関索兄ちゃん!」



挿絵(By みてみん) 諸葛亮(しょかつりょう)

「誰かと思えば父の危機も放って気ままに旅していたドラ息子か。

どういう風の吹き回しだ」



挿絵(By みてみん) 関索(かんさく)

「……ようやくお役に立てる力が身についたと自負しています。

どうか雑兵の端にでも加えてください」



挿絵(By みてみん) 鮑三娘(ほうさんじょう)

「ぶっちゃけ師匠に修行がてら行ってこいって言われたッキャ♪」



挿絵(By みてみん) 関索(かんさく)

「余計なことを言うな鮑三娘」



挿絵(By みてみん) 張苞(ちょうほう)

(!? いま、気配が変わったような……)



挿絵(By みてみん) 諸葛亮(しょかつりょう)

「フン。こき使ってくれと言うならば望み通りにしてやるまでだ。

余の側に付き従え」



挿絵(By みてみん) 黄月英(こうげつえい)

「………………」



挿絵(By みてみん) 鮑三娘(ほうさんじょう)

(キキ? なんか敵意に満ちた視線……)



挿絵(By みてみん) 馬雲緑(ばうんりょく)

(おっ。張飛はん亡き後のヒロインの座(?)をめぐってつばぜり合いや。

こいつはおもろくなりそうやで)



挿絵(By みてみん) 諸葛亮(しょかつりょう)

「此度の戦は、文明の光届かぬ未開の地の蛮族どもが相手だ。

貴様らには文明人としての叡智と矜持を示してもらおう。行け」



挿絵(By みてみん)  挿絵(By みてみん)  挿絵(By みてみん)  挿絵(By みてみん)

「「「「はッ!!!!」」」」



~~~南中 越嶲(えっしゅん)~~~



挿絵(By みてみん) 雍闓(ようがい)

「蜀の遠征軍が現れただと?

ブハハハハハ! 待ちくたびれたぞ!」



挿絵(By みてみん) 高定(こうてい)

「フシュルルルル……。都のひょろひょろ侍など恐れるに足らん。

この高定様が返り討ちにしてやろう!」



挿絵(By みてみん) 朱褒(しゅほう)

「……しかしまだ二酸化炭素を吐き出して永昌(えいしょう)郡は呼吸をしている。

放っておいたら背後に不安が残るのではないか」



挿絵(By みてみん) 雍闓(ようがい)

「チッ。これだからもともと蜀の臣下だった奴は頼りにならん。

我らの背後には南中王、それに呉がいるのだ! 蜀が何するものぞ!」



挿絵(By みてみん) 高定(こうてい)

「フシュルルルル……。

そんなに不安ならば朱褒、お前が永昌郡の包囲に残れ。

蜀軍が怖い怖いと震えているがいい」



挿絵(By みてみん) 雍闓(ようがい)

「ブハハハハハ!」



挿絵(By みてみん) 朱褒(しゅほう)

「……………………」



~~~南中 蜀軍~~~



挿絵(By みてみん) 馬雲緑(ばうんりょく)

「あんた、敵の先鋒部隊が見えてきたで!」



挿絵(By みてみん) 趙雲(ちょううん)

「ウス。いよいよっスね」



挿絵(By みてみん) 楊儀(ようぎ)

「博士、ここは危険です。そろそろ後方にお戻りください」



挿絵(By みてみん) 馬鈞(ばきん)

「久々に従軍したのにつれないことを言うネ。

ホラホラ、この植物のつるは伸縮性に富んでいろいろな部品に使えそうだヨ。

おお、そこの樹からにじみ出ている樹液も接着剤にもってこいだ!」



挿絵(By みてみん) 王平(おうへい)

「がはは。ハカセは遠征じゃなく旅行にでも来たみてえだな!」



挿絵(By みてみん) 楊儀(ようぎ)

「何をのんきなことを。

もし博士や私の頭脳が失われればこの国にとってどれだけの損失に――」



挿絵(By みてみん) 鄂煥(がくかん)

「シャアアアアッ!!」



挿絵(By みてみん) 馬雲緑(ばうんりょく)

「なんや! 敵かいな!?」



挿絵(By みてみん) 王平(おうへい)

「てやんでい! 一人(しとり)で向かってくるたぁ、いい度胸じゃねえか!」



挿絵(By みてみん) 鄂煥(がくかん)

「シャアッ! タイガークロー!!」



挿絵(By みてみん) 楊儀(ようぎ)

「つ、爪使いだと!?

面白い、ギヱンのプログレッシブ・ネイルのサビにしてやろう!

ギヱン起動せよ!!」



挿絵(By みてみん) 魏延(ぎゑん)

「     」



挿絵(By みてみん) 楊儀(ようぎ)

「…………あ、あれ? ど、どうしたギヱン?」



挿絵(By みてみん) 馬鈞(ばきん)

「これは熱気と湿度にやられたようだネ。

この気候じゃ無理もないヨ。

早急にチューンアップしないと南中では使えないようだ」



挿絵(By みてみん) 楊儀(ようぎ)

「どどどどどどどうしましょう博士!?」



挿絵(By みてみん) 鄂煥(がくかん)

「タイガーアパカ!!」



挿絵(By みてみん) 趙雲(ちょううん)

「危ないッス! 博士と楊儀先輩は下がってるッスよ!」



挿絵(By みてみん) 楊儀(ようぎ)

「ヒイイイイイイイ!!」



挿絵(By みてみん) 鄂煥(がくかん)

「タイガージェノサイド!

シャシャシャ! シャシャシャシャ! シャシャシャシャシャシャシャ!!」



挿絵(By みてみん) 王平(おうへい)

「ちっきしょうめ! なんて動きの速い野郎だ!」



挿絵(By みてみん) 馬雲緑(ばうんりょく)

「接近戦は危険や! なら……ウチの弓の出番っすよ! 喰らえ!!」



挿絵(By みてみん) 鄂煥(がくかん)

「ぐっ!?」



挿絵(By みてみん) 趙雲(ちょううん)

「よくやった雲緑! そこッス!!」



挿絵(By みてみん) 鄂煥(がくかん)

「がああああっ!!」



挿絵(By みてみん) 王平(おうへい)

「さすが趙雲将軍だ! おら、おとなしくしろい!

爪を全部折られちゃどうしようもねえだろべらぼうめ!」



挿絵(By みてみん) 鄂煥(がくかん)

「く、クソ。三人がかりとはいえ俺様を捕らえるとは……」



挿絵(By みてみん) 馬鈞(ばきん)

「おや? こちらの言葉も話せるようだネ。

誰に習った? キミの他にも話せる人はいるのかな?」



挿絵(By みてみん) 趙雲(ちょううん)

「まあまあ、詳しいことは本陣に連れ帰ってから聞くッスよ。

諸葛亮先輩にいい手土産ができたッス!」



~~~~~~~~~



かくして諸葛亮の南中征伐は幕を開けた。

南中の過酷な風土や特異な戦術が遠征軍に牙をむく。

はたして蜀軍を待ち構える運命とは?


次回 〇八九   南中の門

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