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アイコン三国志  作者: 小金沢
第八章 夷陵の戦い
PR
82/126

〇八一   次代の風

~~~蜀 成都(せいと)~~~



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「荊州への遠征軍は3つに分かれて進軍してもらうわ。

中軍は劉備、左軍は黄権、右軍は程畿が総大将よ。

水軍は呉班と陳式にお願いね」



挿絵(By みてみん) 黄権(こうけん)

「任せるタイ!」



挿絵(By みてみん) 程畿(ていき)

「心得た」



挿絵(By みてみん) 呉班(ごはん)

「委細承知の介」



挿絵(By みてみん) 陳式(ちんしき)

「は、はい…………」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「中軍の先鋒はアタイ。副将に王甫、関興」



挿絵(By みてみん) 王甫(おうほ)

「私の顔のように美しい戦いをお見せしよう」



挿絵(By みてみん) 関興(かんこう)

「………………」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「関興?」



挿絵(By みてみん) 張苞(ちょうほう)

「いっちょまえに関羽様の真似をしてんだよ。

父上の心を受け継ぐんだとさ。

形ばっか真似したってしかたねえのによ」



挿絵(By みてみん) 関興(かんこう)

「………………」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「ま、その心意気は買ってあげないとね。

わかったわ。張苞、その代わり幼なじみのアンタが通訳すんのよ」



挿絵(By みてみん) 張苞(ちょうほう)

「げ」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「んで、右軍の副将は張南と馮習にお願いね」



挿絵(By みてみん) 張南(ちょうなん)

「おう!」



挿絵(By みてみん) 馮習(ふうしゅう)

「孫権の小僧など一蹴してやる」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「その他に馬良に一部隊を率いてもらって、

武陵(ぶりょう)の蛮族を扇動してもらうわ。

武陵蛮に孫権軍の背後を襲わせて、挟み撃ちにするの」



挿絵(By みてみん) 馬良(ばりょう)

「………………」



挿絵(By みてみん) 簡雍(かんよう)

「面倒くさがりの馬良に扇動なんてできるのか?」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「大丈夫。ある情報をつかんでるから、

そのへんの心配はいらないわ」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「他のみんなにはこの益州を守ってもらう。留守を頼んだぞ」



挿絵(By みてみん) 趙雲(ちょううん)

「ちょっと待ってくださいッス。自分も遠征に出たいッスよ!」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「龍さんには白帝城(はくていじょう)に後詰めに入ってもらう。

魏を警戒しつつ、もしわしらに何かあったら救援に来とくれ」



挿絵(By みてみん) 趙雲(ちょううん)

「しかし――」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「馬超も黄忠も倒れてるから、

残る五虎将軍のうち片方が留守番やんのは当然でしょ。

アタイたちは、一番頼りになるアンタに留守を任せたいの」



挿絵(By みてみん) 趙雲(ちょううん)

「……承知したッス。関羽先輩の仇討ちは任せるッスよ」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「魏延さんや呉懿さん、張翼さんには漢中で魏軍に備えてもらう。

今回の戦は長くなりそうじゃ。しっかり後を頼んだぞ!」



挿絵(By みてみん) 孫乾(そんけん)

「へ、陛下!」



挿絵(By みてみん) 劉巴(りゅうは)

「なんだ騒々しい、軍議中だぞ」



挿絵(By みてみん) 孫乾(そんけん)

「急ぎお耳に入れたきことが……。

り、劉封様が帰還なさいました」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「! 封さんが…………」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「孟達に上庸を奪われて逃げてきたそうね。

いくらか兵は連れてんの?」



挿絵(By みてみん) 孫乾(そんけん)

「残兵を500ほど。あとは孟達に降るか討たれたそうです。

あ、あと霍峻殿も上庸を脱出する時に負傷されたが、帯同しています」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「そう……。とにかく本人から話を聞くわ。ここに通しなさい」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「待った張さん!

……霍峻さんと兵は収容してかまわん。

じゃが劉封さんは、いや劉封の入城は駄目じゃ」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「ど、どうしてよ?」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「わしらはこれから関さんの仇を討つ戦に出る。

じゃというのに、経緯はどうあれ

関さんを見殺しにした劉封を許すわけにはいかん。

もしここに劉封が来たら、わしは思わず殴っちまうかもしれん。

いや! 殴るならまだいい。斬りかかっちまうかもしれんぞ……」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「……関羽を失って、さらに劉封まで失いたくはないのね。

もしここに諸葛亮のバカがいたら、

嬉々として劉封を殺すでしょうけど……。

ううん、いなくなったバカのことはどうでもいいわ。

まずは関羽の仇を討つ。劉封の処遇のことは後で考えましょ」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「すまんな張さん……。

そうじゃな。亮さんがいたら、

わしを甘いと笑ってコケにするじゃろうな……」



~~~成都 城門前~~~



挿絵(By みてみん) 劉封(りゅうほう)

「そうか……。義父上は俺に会わないと言われたか……」



挿絵(By みてみん) 霍峻(かくしゅん)

「劉封……殿。時機が、悪かった……のだ」



挿絵(By みてみん) 劉封(りゅうほう)

「無理にしゃべられるな。

貴殿の入城は許された。ごゆるりと療養なされよ」



挿絵(By みてみん) 霍峻(かくしゅん)

「す、すまない……。これだけは、言わせてくれ……。

陛下は、あなたの、ことを大事に思われて、いる……。

どうか、恨まれるな……」



挿絵(By みてみん) 劉封(りゅうほう)

「恨むわけがない! この俺が愚かだったのだ……。

かくなる上は――」



挿絵(By みてみん) 霍峻(かくしゅん)

「ど、どこに行かれる、つもりだ……?」



挿絵(By みてみん) 劉封(りゅうほう)

「俺のなすべきことをする。

……義父上には、劉封は死んだと伝えてくれ。さらばだ」



挿絵(By みてみん) 霍峻(かくしゅん)

「劉封……殿……」



~~~呉 建業(けんぎょう)の都~~~



挿絵(By みてみん) 孫権(そんけん)

「ほーう。劉備のジジイは魏じゃなくてオレらを攻撃してきたか。

関羽の仇討ちを優先させるたァ意外だな。

諸葛亮のセンセとか反対しなかったんか?」



挿絵(By みてみん) 諸葛瑾(しょかつきん)

「それが……どうやら弟は劉備様のもとを離れたようです」



挿絵(By みてみん) 孫権(そんけん)

「離れた? 暴言が過ぎてとうとうクビにされたんか?

いや、諸葛亮センセが劉備のクビを切るならまだしも、逆はねェよな」



挿絵(By みてみん) 諸葛瑾(しょかつきん)

「私も風の便りに聞いただけで、理由はわかりません。

なにぶんあんな弟ですから、私的な付き合いも無いもので……」



挿絵(By みてみん) 潘璋(はんしょう)

「人間かどうかも怪しいもんな、あの男」



挿絵(By みてみん) 孫権(そんけん)

「まあとにかく、センセがいねェってのは朗報だ。

で、劉備軍の陣立ては? ……ほうほう。地味だが無難な陣容だな。

兵力もオレらよりずっと多いようじゃねェか」



挿絵(By みてみん) 吾粲(ごさん)

「すでに孫桓(そんかん)様と朱然(しゅぜん)将軍が迎撃に出ていますが、

彼らだけでは防ぎきれません。援軍が必要です」



挿絵(By みてみん) 孫権(そんけん)

「おうよ。陸遜! おめェどうするよ?」



挿絵(By みてみん) 陸遜(りくそん)

「それじゃあボクが援軍に行きます!

ボクにどーんと任せちゃってください!」



挿絵(By みてみん) 孫権(そんけん)

「そうか。んじゃあ総大将は陸遜だ。

編成とかはおめェに任せるぜ。好きな将を連れてきな」



挿絵(By みてみん) 陸遜(りくそん)

「はーい」



挿絵(By みてみん) 挿絵(By みてみん) 挿絵(By みてみん)

「「「………………」」」



挿絵(By みてみん) 孫権(そんけん)

「んん? どうしたてめェら。

面白くなさそうな顔してんじゃねェか。

言いたいことがあんなら言ってみろ」



挿絵(By みてみん) 甘寧(かんねい)

「……呂蒙や艦長が陸遜のこと認めてんのは知ってるけどさー。

俺らは正直、ガチで陸遜やれんのか? って思ってんだよね。

実績とかねーし。それなのに陸遜が総大将デスって言われて、

はいはいそうですかって気にはなれねーっつーか」



挿絵(By みてみん) 孫権(そんけん)

「なんでェそんなことか。

――陸遜! おめェにこれをくれてやんよ」



挿絵(By みてみん) 陸遜(りくそん)

「うわわっ! か、刀を投げないでくださいよ~。危ないなあ。

この刀、酷い刃こぼれしてるし、なんかばっちいし……」



挿絵(By みてみん) 孫権(そんけん)

「ただの小汚ない刀じゃねェ

オヤジが使ってた古錠刀(こていとう)だ」



挿絵(By みてみん) 張昭(ちょうしょう)

「そ、孫堅殿の遺品を投げた……。

それにろくに手入れもしていないのか……」



挿絵(By みてみん) 孫権(そんけん)

「いいかてめェら! この刀を持ってる奴ァ、オレだと思え。

遠慮はいらねェぞ陸遜。

逆らう野郎はその刀でぶった斬っちまえ!」



挿絵(By みてみん) 陸遜(りくそん)

「ええ~。ボクって剣術は苦手なんだけどそんなことできるかなあ?

あ、べ、別にみなさんを本当に斬り捨てちゃうつもりはないですよ?

た、譬えですからね」



挿絵(By みてみん) 韓当(かんとう)

「……艦長がそこまで言うなら、否も応もない。

我々は陸遜将軍に従おう」



挿絵(By みてみん) 孫権(そんけん)

「それでいい。任せたぜてめェら!

――そういやあこいつはオレが呉(ご)王に封じられてから初めての戦だな。

へへっ。曹丕んとこにならって、

オレらも『呉軍』と名乗るとしようぜ。

呉軍の船出の戦だ! 大戦果を上げてこいよ!!」



挿絵(By みてみん) 陸遜(りくそん)

「はーい!」



挿絵(By みてみん) 挿絵(By みてみん) 挿絵(By みてみん) 挿絵(By みてみん)

「「「「おう!!!!」」」」



~~~呉 夷陵(いりょう)~~~



挿絵(By みてみん) 孫桓(そんかん)

「蜀軍の先鋒の水軍が迫っている。

オレらの援軍も近づいてるようだが……どうするよ?

援軍を待たずに先制攻撃を仕掛けるか?」



挿絵(By みてみん) 李異(りい)

「遠征軍に益州の将は黄権と呉班くらいしか

連れてきていねえようだな。その他も新顔が中心のようだ。

力がよくわからねえし、正面からぶつかるのは賛成できねえぞ」



挿絵(By みてみん) 譚雄(たんゆう)

「ムン。そういえば李異は益州出身だったな。フン」



挿絵(By みてみん) 朱然(しゅぜん)

「火火火(ヒヒヒ)ッ。

敵は燃えやすい船に乗って、

燃えやすい葦の群生地に差し掛かっている。

火をつける絶好の機会をみすみす見逃すつもりか?」



挿絵(By みてみん) 謝旌(しゃせい)

「待つアル。火計は劣勢の時に用いる奇策ネ。

一戦も交えずに奇策を頼るなんて、

陳武(ちんぶ)師匠の弟子として賛成できないヨ」



挿絵(By みてみん) 朱然(しゅぜん)

「馬鹿な。火計は戦争の美学だ。

せっかく美しく燃え広がる炎を見られるのに、

火をつけないなんて理解に苦しむぞ」



挿絵(By みてみん) 譚雄(たんゆう)

「ムン。変態放火魔め……」



挿絵(By みてみん) 朱然(しゅぜん)

「ん? 何か言ったか筋肉馬鹿」



挿絵(By みてみん) 崔禹(さいう)

「やめろ。仲間同士で争っている場合か!

――ならばまず、俺が一軍を率いて敵の力量を推し量ってこよう」



挿絵(By みてみん) 朱然(しゅぜん)

「火火ッ。まーた崔禹のおいしいとこ取りが出たぞ」



挿絵(By みてみん) 謝旌(しゃせい)

「いつもずるいアル」



挿絵(By みてみん) 孫桓(そんかん)

「いや、冷静な崔禹なら引き際も心得ているだろう。

譚雄とともに攻撃を仕掛けてくれ。ただし無理はするなよ」



挿絵(By みてみん) 崔禹(さいう)

「承知した」



挿絵(By みてみん) 譚雄(たんゆう)

「ムン。任せろ!」



~~~夷陵 張飛軍~~~



挿絵(By みてみん) 張苞(ちょうほう)

「へへへ。孫権軍め、俺らを正面から迎え撃つつもりだぜ。

腕が鳴るなあ、関興」



挿絵(By みてみん) 関興(かんこう)

「………………」



挿絵(By みてみん) 張苞(ちょうほう)

「おっと、関羽様にならって無口になったんだったな。

やりづれえな、おい」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「張苞、敵が来たって?」



挿絵(By みてみん) 張苞(ちょうほう)

「おう。5千ぽっちだから様子見ってところじゃねえか?

これなら母ちゃんの出る幕はないぜ」



挿絵(By みてみん) 星彩(せいさい)

「そうね。ここはあたいらに任せてよ」



挿絵(By みてみん) 張苞(ちょうほう)

「星彩! お前また軍中に潜り込んでたのか……。

女はおとなしく留守番してろよ」



挿絵(By みてみん) 星彩(せいさい)

「なんですって?

そのセリフ、張飛母さんや董白さんにも言えるの?」



挿絵(By みてみん) 張苞(ちょうほう)

「か、母ちゃんらは別だろ。

母ちゃんは女なのは心だけだし、董白さんはすげえおっかないし……」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「はいはい。兄妹ゲンカはやめなさい。

……ま、たしかにアタイが出るまでも無さそうね。

危なくなったら助けてあげるから、

アンタたちと関興で攻撃しなさい」



挿絵(By みてみん) 張苞(ちょうほう)

「そうこなくっちゃ! 行くぜ関興!」



挿絵(By みてみん) 関興(かんこう)

「………………ッ!」



挿絵(By みてみん) 星彩(せいさい)

「ちょっと! 黙って先に行くなんてずるいわよ!」



挿絵(By みてみん) 張苞(ちょうほう)

「待ちやがれ関興ーーーッ!!」



挿絵(By みてみん) 王甫(おうほ)

「…………よろしいのですか? お子らだけで行かせて」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「……あの子らを見てると、若い頃の自分や関羽を思い出すわ。

関羽が死んで、アタイも引き際を考えるようになったの。

この戦が終わったら、引退しようと思ってる。

だから、アタイの後が務まるようにあの子たちを鍛えてあげないとね」



挿絵(By みてみん) 王甫(おうほ)

「なるほど……。

では、私はこの髭のように美しく敵の背後に回り、

若武者たちの援護をします」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「ええ。頼んだわよ」



~~~夷陵 戦場~~~



挿絵(By みてみん) 張苞(ちょうほう)

「俺の名は張苞! 張飛の十人いる養子の長男だ!!」



挿絵(By みてみん) 星彩(せいさい)

「同じく末娘の星彩よ!」



挿絵(By みてみん) 関興(かんこう)

「………………ッ!」



挿絵(By みてみん) 張苞(ちょうほう)

「そしてこいつが関羽の次男、関興だ!

――ってめんどくせえなやっぱり! 自分で名乗れよ!」



挿絵(By みてみん) 崔禹(さいう)

「張飛と関羽の子か! なんと勇ましい……」



挿絵(By みてみん) 譚雄(たんゆう)

「ムン。感心している場合か。

――俺は譚雄! この筋肉美の前にひれ伏すがいい!」



挿絵(By みてみん) 関興(かんこう)

「ッ!!」



挿絵(By みてみん) 星彩(せいさい)

「関興、敵の方が力は上よ! 正面から受け止めちゃダメ!」



挿絵(By みてみん) 譚雄(たんゆう)

「ムン。どうした小僧?

その偃月刀はお前には大きすぎるのではないか? 手が震えているぞ」



挿絵(By みてみん) 関興(かんこう)

「………………」



挿絵(By みてみん) 張苞(ちょうほう)

「この偃月刀は父・関羽の愛刀と同じ物だ!

私は偃月刀から父の心をも受け継ぐのだ! ……と関興は思ってるぜ。

――だから俺に通訳させんな!」



挿絵(By みてみん) 譚雄(たんゆう)

「ムン。心意気は買おう。だが身の丈に合った武器を選ぶべきだったな。

喰らえ!

マスキュラーポーズからのダブルバイセップス・フロント!」



挿絵(By みてみん) 関興(かんこう)

「ッッ!!」



挿絵(By みてみん) 譚雄(たんゆう)

「なっ!? 俺の大太刀を支点にして反転し――ぎゃああああ!!」



挿絵(By みてみん) 崔禹(さいう)

「譚雄!!」



挿絵(By みてみん) 関興(かんこう)

「………………ッッ!!」



挿絵(By みてみん) 星彩(せいさい)

「譚雄討ち取ったりい!!」




挿絵(By みてみん) 張苞(ちょうほう)

「ずりいぞ星彩、それは俺に通訳させろよ!」



挿絵(By みてみん) 王甫(おうほ)

「孫権軍は将を討たれて醜く狼狽しているぞ!

私の顔よりも美しく背後を襲え!」



挿絵(By みてみん) 崔禹(さいう)

「背後にも兵を回していたか……。退け!!」



挿絵(By みてみん) 張苞(ちょうほう)

「ふう。なんとか勝ったな。追撃は王甫さんに任せようぜ」



挿絵(By みてみん) 星彩(せいさい)

「関興、ケガはない?」



挿絵(By みてみん) 関興(かんこう)

「………………」



挿絵(By みてみん) 張苞(ちょうほう)

「大丈夫そうだな。でもお前、運が良かったな。

長い偃月刀を譚雄の馬鹿力で押されて、

たまたま偃月刀ごと身体が回っただけだろ。

テコの原理とか言うんだっけ?」



挿絵(By みてみん) 星彩(せいさい)

「またあんちゃんはそういうことを……。

関興は実力で勝ったんだもんね?」



挿絵(By みてみん) 張苞(ちょうほう)

「おっ。なんだよ星彩。やけにこいつの肩を持つじゃねえか。

さてはお前……」



挿絵(By みてみん) 星彩(せいさい)

「はあっ? なに勘違いしてるの?

あたいはヒゲモジャの男は大嫌いよ!」



挿絵(By みてみん) 張苞(ちょうほう)

「え? じ、じゃあまさか俺のことを……」



挿絵(By みてみん) 星彩(せいさい)

「黄巾賊顔はもっとお断りよ!!」



挿絵(By みてみん) 張苞(ちょうほう)

「誰が黄巾賊だとぉ!?」



挿絵(By みてみん) 関興(かんこう)

「………………」



~~~~~~~~~



かくして張飛と関羽の子は華々しく初陣を飾った。

だが復讐戦は幕を開いたばかり。

呉の新たなる指揮官・陸遜は秘策を胸に戦場へと駒を進めていた。


次回 〇八二   蜀の明暗

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