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アイコン三国志  作者: 小金沢
第二章 魔王・董卓
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〇〇六   名族、起つ

~~~洛陽(らくよう)の都~~~



挿絵(By みてみん) 献帝(けんてい)

「ち、朕が新たに即位したりゅうきょ……献帝である。

と、董卓から辞令を言い渡す」



挿絵(By みてみん) 董卓(とうたく)

「フハハハハハハ! 恐れ多くも陛下からの辞令だ。心して聞くがいい!

袁紹(えんしょう)は北へ、孫堅(そんけん)は南へ、

皇甫嵩(こうほすう)は西へ、朱儁(しゅしゅん)は東へ飛べ!」



挿絵(By みてみん) 皇甫嵩(こうほすう)

「……か、かしこまった」



挿絵(By みてみん) 董卓(とうたく)

「どうした返事が小さいぞ!?」



挿絵(By みてみん) 挿絵(By みてみん) 挿絵(By みてみん)

「「「ははっ!」」」



挿絵(By みてみん) 孫堅(そんけん)

「ははあ(超だりィことになっちまったな……)」



~~~洛陽の都 王允邸~~~



挿絵(By みてみん) 王允(おういん)

「董卓め、皇帝陛下と大将軍の仇討ちをしたなどと白々しいことを。

放っておけばあやつこそ陛下や将軍を亡き者にしただろうに。

飾り物にされた幼い陛下がおかわいそうだ……」



挿絵(By みてみん) 士孫瑞(しそんずい)

「しかし今や董卓には誰も逆らえぬ。

主だった将軍も皆、地方へ飛ばされてしまった。

ましてや文官の我々では……」



挿絵(By みてみん) 王允(おういん)

「いや、一人だけ心当たりがあるぞ。

曹操ならば、董卓と戦えるやもしれぬ」



挿絵(By みてみん) 士孫瑞(しそんずい)

「曹操というと……あの宦官と黄巾賊の癒着を暴いた門番か。

その功績で出世し宮廷にいるそうだな。

なかなか気骨のある男だとは聞いているが。

よし、ここでお前とうだうだ話していてもしかたない。

ひとつ連絡を取ってみよう」



~~~洛陽の都 曹操邸~~~



挿絵(By みてみん) 袁紹(えんしょう)

「曹操よ! せっかく出世して名族に並んだばかりなのに気の毒だな!

名族は南皮(なんぴ)に赴任することとなった!

またお前に先んじてしまったわ!」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「やれやれ、左遷を栄転だと誤解するとは、

あいかわらずおめでたいね袁紹君は」



挿絵(By みてみん) 袁紹(えんしょう)

「何か言ったか?」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「なんでもないよ。それより、お祝い代わりにこの手紙をあげよう。

いや、今は読まないでくれ。

もし誰かに追われて命の危険を感じたら、追っ手にそれを見せるといい」



挿絵(By みてみん) 袁紹(えんしょう)

「?? あいかわらず貴様は訳のわからないことを言うな。

しかし名族はもらえる物はなんでももらうぞ!

――おお、そろそろ南皮へ出発する時間だ。さらばだ曹操!」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「……さて、お待たせしてしまったね。

士孫瑞君、だったかな」



挿絵(By みてみん) 士孫瑞(しそんずい)

「曹操よ、もはや都にはお主をおいて頼むべき人物は見当たらない。

どうか、この国と陛下のために董卓を――」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「おっと、それ以上は言わなくていい。

言われなくても話に察しはつくし、

誰が聞いているかもわからないからね。

なに、心配はいらないさ。もう手は打った。

あとは彼がどうにかしてくれるよ」



挿絵(By みてみん) 士孫瑞(しそんずい)

「彼?」



~~~洛陽の都 近郊 間道~~~



挿絵(By みてみん) 袁紹(えんしょう)

「なぜだ! なぜこの名族が追われなければならぬのだ!?」



挿絵(By みてみん) 李傕(りかく)

「待て袁紹! 陛下の勅命によりお前はここで死ぬのだ!

その首、董卓四天王の俺様がもらったああ!!」



挿絵(By みてみん) 袁紹(えんしょう)

「冗談ではない! な、何かないか何かないか。

そ、そうだ。曹操がくれた手紙が……。

ええい、追っ手よ、これを読めい!」



挿絵(By みてみん) 李傕(りかく)

「何だこの紙切れは? なになに……

『袁紹は董卓追討軍を結成して立ち上がる。

まずは宮廷を焼き払ってやる。首を洗って待っていろ』だと!?

魔王様が危ない! 引き上げるぞ!」



挿絵(By みてみん) 袁紹(えんしょう)

「と、董卓追討軍だと!?

なんだそれは!? どういうことだ曹操!?

し、しかしここは奴の言うとおりにするしかあるまい……。

やむをえん。故郷の冀州(きしゅう)に逃れ、

名族の名のもとに兵を集めるぞ!」



~~~洛陽の都 董卓軍 陣営~~~



挿絵(By みてみん) 董卓(とうたく)

「フハハハハハ! 吾輩を追討するだと?

袁紹め、早くもしっぽを出しおったな!」



挿絵(By みてみん) 李儒(りじゅ)

「これは好機です。奴めに魔王様に歯向かう愚か者を集めさせ、

一網打尽にしてしまいましょう」



挿絵(By みてみん) 李傕(りかく)

「おお! 目にもの見せてくれるわ!」



挿絵(By みてみん) 郭汜(かくし)

「御意のままに!」



挿絵(By みてみん) 張済(ちょうせい)

「我ら董卓四天王の力を教えてやろう!」



挿絵(By みてみん) 華雄(かゆう)

「魔王様! なにも四天王の手をわずらわせるまでもない。

この俺に先陣を命じてくれ!

北の大地で鍛えられた我らの恐ろしさを味わわせてくれる!」



挿絵(By みてみん) 董卓(とうたく)

「おお、よくぞ言った華雄! ならばお前に2万の兵を預ける。

烏合の衆を蹴散らしてやれ!」



~~~~~~~~~~~~



かくして袁紹は成り行きのまま、董卓追討軍を結成することとなった。

はたしてそれは魔王・董卓に対抗しうる勢力になるのか?

そして裏で糸を引く曹操はどう動くのか?


次回 〇〇七   董卓追討軍

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