〇〇四 黄夫まさに死すべし
~~~潁川~~~
「フン、あれが黄巾賊か。
吾輩が薄汚い黄色を血の赤に染めてやろう!」
「愚かなる官軍め、性懲りもなくやってきおったか。
我の力の前にひれ伏すがいい! 飛べ、炎よ!!」
「ウホホッ! 来たぞ、妖術使いだ!
かかれ呂布! あいつが獲物だ!」
「HDKK+lkjajakakdskaalal@kl」
「私の相手はあれだけですか?
それなら私は一本の槍と一頭の馬を必要とするだけです。
それだけあれば十分です。あとは何も必要ないでしょう」
『あ、兄者! なんだあいつは!?
炎をものともせずに向かってくるぞ!』
「なんだと!? しかし我が奇蹟は火だけではない。
うなれ突風よ! あいつを吹き飛ばせ!」
「al;dis+kksl;:::skdhsak」
「これはとても涼しい風です。
私はあなたにお礼を言いたいと考えます。ぜひそうしたいのです。
なぜなら風が欲しいと思っていたところだからです。
マイアミのように暑い天気ですからね、今日は」
「教祖様! 効いてない! 効いてないぞ!」
「フハハハハハハ! 見たか呂布の恐ろしさを!
炎がどうした! 風がどうした! 吾輩らの敵ではないわ!」
「な、ならば雷だ! 雪だ! 地震だ! 炎だ! 風だ!」
「ghkJJdl927cc;:]aaal」
「私は槍を振ります。ただ振るだけです。
それだけで全ての敵は倒れてしまうのです。
何も不思議なことはありません。私にとっては当然のことなのです」
「うぎゃああああああああ!!!!!」
~~~潁川 近郊~~~
『な、なんだったんだあいつは。
官軍にあんな強いヤツがいるなんて聞いてないぞ!
我々があいつ一人にやられてしまうなんて……。
兄者ともはぐれてしまった……。みんな無事に逃げ延びただろうか』
「よう、仲良く話してるところ悪ィな。邪魔するぜ」
『き、貴様は孫堅!? 逃げたはずの貴様がなぜここにいる!』
「ちょっとずりィけど、逃げたふりして後方に潜んでてよ。
官軍の連中がやられてる隙に、おめェらを襲おうと思ってたんだ。
でも董卓軍が勝っちまったから、計画が台無しだ。
手ぶらじゃ帰れねェんで、おめェらの首をいただくぜ」
『わ、我々がそうたやすく敗れるわけが――ギャアアアアアアアッ!!!!!』
「旦那様、討ち取りました」
「悪ィ悪ィ。くっちゃべってる間に、配下に包囲させてたんだ。
だから言ったろ? オレはずりィんだよ」
~~~山中~~~
「ひ、酷い目にあった……。だが我はくじけぬぞ。
この太平要術の書さえあれば、何度でもやり直せる。
奇蹟は常に我とともにあるのだ!」
「張角……。張角よ……」
「お、お前はあの時のジジイ! いいところで出会ったな!
もっとすごい妖術を教えてくれ!
あの呂布とやらを倒せる妖術を!」
「だが忘れるな張角よ。
私利私欲で術を用いれば、必ずや報いが訪れるだろう」
「な、なんだ? あの時と同じことを……」
「だが忘れるな張角よ。
私利私欲で術を用いれば、必ずや報いが訪れるだろう」
「だが忘れるな張角よ。
私利私欲で術を用いれば、必ずや報いが訪れるだろう」
「だが忘れるな張角よ。
私利私欲で術を用いれば、必ずや報いが訪れるだろう」
「「「だが忘れるな張角よ。
私利私欲で術を用いれば、必ずや報いが訪れるだろう」」」
「ジ、ジジイが分身した!?
う、うわああああああああああ!!!!!」
「……太平要術の書は、返してもらうぞ。
やはり、人の子に渡すには千年ほど早すぎたようだ」
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かくして張角の野望は潰えた。
だが乱世の芽は一つだけに留まらない。
新たな戦乱の予感が、都を包もうとしていた……。
次回 〇〇五 魔王・董卓