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アイコン三国志  作者: 小金沢
第四章 官渡の戦い
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35/126

〇三四   官渡の戦い

~~~官渡(かんと) 袁紹陣営~~~



挿絵(By みてみん) 審配(しんぱい)

「ふむ、劉備が敗れたか。

まあどうせ駄目元で送り込んだのだ。大勢に影響はない」



挿絵(By みてみん) 逢紀(ほうき)

「十分に後方撹乱はできた。いい厄介払いにもなったな」



挿絵(By みてみん) 沮授(そじゅ)

(……人望のある劉備を手元に置いておけば

いろいろと使い道はあったのだ。

田豊殿や私に発言権が残っていれば、

むざむざ劉備を手放しはしなかった)



挿絵(By みてみん) 許攸(きょゆう)

「デュフフwww 袁譚(えんたん)殿、袁煕(えんき)殿から

準備が整ったと連絡が入りましたぞ。

これで拙者たちと合わせ三方から一斉に侵攻できる(笑)

うはwwキタコレww 楽勝wwwww」



挿絵(By みてみん) 袁紹(えんしょう)

「よし、もはや機は熟した!

名族の名族による名族のための戦を始めようぞ!」



~~~官渡~~~



挿絵(By みてみん) 曹洪(そうこう)

「いよいよだな。

敵は袁譚と袁煕の東西の方面軍に半数の兵を分けたが、

それでも五十万もの大軍が揃っている」



挿絵(By みてみん) 夏侯惇(かこうとん)

「これだけの大軍ともなると、

地を埋め尽くすようなという表現がぴったりだな」



挿絵(By みてみん) 夏侯淵(かこうえん)

「腕が鳴るぜ! 殿! 早く俺に出陣を命じてくれ!」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「そう焦るな。まずは挨拶をして来るとしよう。

――久しぶりだね、袁紹君。董卓君のもとから逃げ出して以来かな」



挿絵(By みてみん) 袁紹(えんしょう)

「元気そうだな曹操!

あの頃はまだお前と名族にさほどの差はなかった。

だがこの兵力差を見よ!

いまやお前と名族の間には覆すことのできない

決定的な溝ができてしまった!」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「兵の多寡は関係ないよ。

僕は君のところよりも優秀な人材を揃えたつもりさ。

それに献帝陛下は僕のもとにいる。

正義は我にありってところだね」



挿絵(By みてみん) 袁紹(えんしょう)

「恐れ多くも陛下を傀儡の立場に置く逆賊めが、

正義とは片腹痛いわ!

お前から陛下と正義の旗印を奪い返してくれる!」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「いい切り返しだね。

あの檄文を書いたという陳琳(ちんりん)君の台本かな?」



挿絵(By みてみん) 袁紹(えんしょう)

「ほう、よくわかったな」



挿絵(By みてみん) 審配(しんぱい)

「か、閣下……」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「正義や悪だのの水掛け論はおいておこう。

袁紹君、君は僕にとって越えなければいけない壁だ。

僕の全力をもって越えさせてもらうよ」



挿絵(By みてみん) 袁紹(えんしょう)

「望むところだ曹操!

名族の恐ろしさを思う存分味わうがいい!

まずは個の力を見せつけてくれる。行け高覧よ!」



挿絵(By みてみん) 高覧(こうらん)

「はッ!」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「待たせたね夏侯淵君、一番手は君だ!」



挿絵(By みてみん) 夏侯淵(かこうえん)

「待ちくたびれたぞ! うおおおおお!!」



挿絵(By みてみん) 高覧(こうらん)

「むうううううん!!」



挿絵(By みてみん) 夏侯惇(かこうとん)

「夏侯淵ばかりにいい格好させるかよ!

俺と戦いたい奴は出てきやがれ!」



挿絵(By みてみん) ??

「待ていっ!」



挿絵(By みてみん) 夏侯惇(かこうとん)

「!?」



挿絵(By みてみん) ??

「己の武勇を頼りに我を通そうとする者。

自らの足元に口を開けた陥穽に気づかない。

人、それを蛮勇と言う……」



挿絵(By みてみん) 夏侯惇(かこうとん)

「何者だてめえ!」



挿絵(By みてみん) 張郃(ちょうこう)

「貴様らに名乗る名前はない!

行くぞ! 張郃ボンバー!」



挿絵(By みてみん) 夏侯惇(かこうとん)

「うるせえ! 道化が俺にかなうと思ったか!」



挿絵(By みてみん) 張郃(ちょうこう)

「笑止! 陛下を脅かす逆賊が俺に勝つ気でいるとはな!

はあああああああッ!!」



挿絵(By みてみん) 夏侯惇(かこうとん)

「! こいつ……できる!」



挿絵(By みてみん) 荀攸(じゅんゆう)

「顔良(がんりょう)と文醜(ぶんしゅう)を欠いてもなお、

夏侯将軍たちと互角に戦える者がいるとは……」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「まだまだこっちにも切り札はあるさ。――曹洪君」



挿絵(By みてみん) 曹洪(そうこう)

「おう! お呼びがかからなかったら恨んでたぜ。

俺と戦える奴はいないか!?」



挿絵(By みてみん) 袁尚(えんしょう)

「パパ! あいつはオレに任せろ!」



挿絵(By みてみん) 袁紹(えんしょう)

「よくぞ言った袁尚!

名族の血は武勇にも応用できるのだと教えてやれ!」



挿絵(By みてみん) 曹洪(そうこう)

「袁紹の三男坊だと?

面白い、おぼっちゃまがどんな技を使うのか見せてみろ!」



挿絵(By みてみん) 袁尚(えんしょう)

「くらえッ! 袁家流奥義!!」



挿絵(By みてみん) 曹洪(そうこう)

「なにィッ!?」



挿絵(By みてみん) 袁尚(えんしょう)

「チッ、かわしたか。やるじゃん」



挿絵(By みてみん) 曹洪(そうこう)

「こいつは油断ならん……」



挿絵(By みてみん) 程昱(ていいく)

「あのドラ息子やりおるわ。

曹洪と同等に斬り結んでおる」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「感心してばかりもいられない。

一騎討ちの次は軍を動かすとしよう。

于禁君、張遼君。左右から挟撃するんだ」



挿絵(By みてみん) 于禁(うきん)

「待ってたぜ!」



挿絵(By みてみん) 張遼(ちょうりょう)

「ヤローども続け!」



挿絵(By みてみん) 逢紀(ほうき)

「おうおう、少ない兵力で工夫して攻めて来るな。

だがただでさえ少ない兵を分けたのは失敗だ。

于禁、張遼は無視して曹操の本隊を攻めるぞ」



挿絵(By みてみん) 袁紹(えんしょう)

「名族もそう思っていたところである! 全軍進め!!」



挿絵(By みてみん) 王朗(おうろう)

「て、敵は全軍を挙げて一直線にこちらに向かってくるぞ!」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「かかったね。――今だよ郭嘉君!」



挿絵(By みてみん) 郭嘉(かくか)

「発射」



挿絵(By みてみん) 李典(りてん)

「射ちます、はい」



挿絵(By みてみん) 袁紹(えんしょう)

「うおおおお!? な、なんだこの轟音は!」



挿絵(By みてみん) 夏侯惇(かこうとん)

「い、いったいどうなってやがる!?」



挿絵(By みてみん) 許攸(きょゆう)

「マ、マジありえねえってwww

い、岩が空を飛んでくるんですけどwwwww」



挿絵(By みてみん) 沮授(そじゅ)

「投石車だと……」



挿絵(By みてみん) 劉曄(りゅうよう)

「命中率が悪いな。

まあ袁紹にばれないよう秘密裏に造っていたから

試射もできなかったんだ。このくらいでも上出来だろう」



挿絵(By みてみん) 審配(しんぱい)

「被害はさほどでもないが、兵が動揺している!

これでは戦にならんぞ!」



挿絵(By みてみん) 袁紹(えんしょう)

「やむをえん、戦略的撤退だ! 一時的に陣を後方へ下げろ!」



挿絵(By みてみん) 賈詡(かく)

「まずは将を押し出し一騎討ちを挑み、

次いで左右に兵を回す常套手段と見せ、

虚を突いて新兵器で圧倒する。

なるほど、これが曹操殿の戦か……」



~~~官渡 曹操陣営~~~



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「初戦はとりあえず物にできたかな。ご苦労だったねみんな」



挿絵(By みてみん) 夏侯惇(かこうとん)

「おい曹操! あんな物を投入するなら最初から言っておけ!

大岩に頭上を飛び回られたら落ち着いて一騎討ちもできんぞ!」



挿絵(By みてみん) 夏侯淵(かこうえん)

「いや、俺は聞いていたが」



挿絵(By みてみん) 曹洪(そうこう)

「俺も投石車を実戦投入すると知っていた。

あんなにすさまじい物だとは思わなかったがな」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「ああ、そういえば夏侯惇君にだけは言い忘れていたかな」



挿絵(By みてみん) 夏侯惇(かこうとん)

「てめえわざとだろ……」



挿絵(By みてみん) 程昱(ていいく)

「はっはっはっ。

夏侯惇が本気で驚いたなら、相手はもっと驚いたじゃろうな」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「それより今日、一騎討ちをしてもらった相手は

なかなかの使い手だったね。

袁紹君の三男坊は無理としても、

他の二人はぜひ味方にしたいくらいだ」



挿絵(By みてみん) 荀攸(じゅんゆう)

「もしや、人の力で袁紹を上回ろうという、殿の言葉とは……」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「そう、袁紹君の陣営を少しずつ切り崩すんだ。

すでに顔良君、文醜君、劉辟君は討った。

劉備君や張飛君も追い出した。

田豊君や沮授君は、袁紹君が自ら遠ざけてくれたね。

実に順調じゃないか。

この調子で袁紹君の側に一人も残らないようにしてしまおう」



~~~~~~~~~



かくして袁紹との初戦は曹操が物にした。

兵ではなく人を切り崩す曹操の作戦は功を奏したかに見えたが、

いまだ圧倒的な兵力差を誇る袁紹軍の優位は崩れていなかった。


次回 〇三五   見参!烏巣特戦隊!!

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