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アイコン三国志  作者: 小金沢
第二章 魔王・董卓
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〇〇九   曹操の初陣

~~~洛陽(らくよう)の都 宮廷~~~



挿絵(By みてみん) 董卓(とうたく)

「何ィ? 曹操のヤツめ、しばらく姿を見ないと思ったら、

この洛陽に向けて進軍しているだと?」



挿絵(By みてみん) 董旻(とうびん)

「だが曹操の手勢は少ないし、

反乱軍から合流する兵もごくわずかだそうだ」



挿絵(By みてみん) 董卓(とうたく)

「ならば吾輩が動くまでもない。四天王に曹操を襲わせろ!」



挿絵(By みてみん) 董旻(とうびん)

「兄貴、呂布の守る虎牢関(ころうかん)には援軍を送るか?」



挿絵(By みてみん) 董卓(とうたく)

「フン、反乱軍に負けるとは見損なったが、

それでも虎牢関くらいは守れるだろう。その必要はない」



~~~洛陽の都 西方 曹操軍~~~



挿絵(By みてみん) 戯志才(ぎしさい)

「曹操、思い切った策に出たな。

まさかこの程度の兵力で都を攻めるとは思わなかったぞ」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「策も何もないよ。玉砕は覚悟の上さ。

この戦で曹操の名を天下に知らしめることだけが目的だ。

……それにしても戯志才君、

僕をたきつけておいて、まるで他人事のように言うんだね」



挿絵(By みてみん) 戯志才(ぎしさい)

「責任転嫁はよくないぞ。私はお前の行く道に従うだけさ。

……おっと、無駄話はここまでのようだな。

早速、董卓軍のお出ましだ」



挿絵(By みてみん) 徐栄(じょえい)

「そんな小勢で都を攻めようとは、見くびられたものだな。

この徐栄がここから先は通さぬ」



挿絵(By みてみん) 戯志才(ぎしさい)

「どうする曹操?

敵は徐栄だけではなく、我々を包囲しつつあるようだ」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「迷うことはない。突撃して道をこじ開けるんだ!」



挿絵(By みてみん) 曹洪(そうこう)

「かかれッ!!」



挿絵(By みてみん) 李儒(りじゅ)

「しゃにむに突撃するだけとはなんと愚かな。

李傕、郭汜よ! 曹操軍を包囲殲滅せよ!」



挿絵(By みてみん) 郭汜(かくし)

「おうよ!!」



挿絵(By みてみん) 戯志才(ぎしさい)

「やれやれ、兵が少ないというのは悲しいものだな。

この私の智謀をもってしてもどうしようもない」



挿絵(By みてみん) 曹洪(そうこう)

「曹操様! もはや持ちこたえられんぞ! 早く逃げるんだ!」



挿絵(By みてみん) 戯志才(ぎしさい)

「もう十分、董卓軍に痛手は与えた。

我々の奮戦ぶりは各地に伝えられることだろう。

さあ曹操、時間を稼いでやるからお前はさっさと逃げろ」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「…………」



挿絵(By みてみん) 戯志才(ぎしさい)

「また迷っているな?

いいか曹操、お前はこの戦を機に飛躍するだろう。

そうすれば私程度の人材など、掃いて捨てるほど手に入るのだ。

迷うことなど無い。私を見捨てて逃げろ」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「戯志才君……」



挿絵(By みてみん) 戯志才(ぎしさい)

「曹洪、この軟弱者を連れていってくれ」



挿絵(By みてみん) 曹洪(そうこう)

「おう。……すまんな、戯志才」



挿絵(By みてみん) 李傕(りかく)

「待て曹操! 四天王筆頭・李傕がお前の首を頂く!」



挿絵(By みてみん) 戯志才(ぎしさい)

「そうはいかない。この私がお相手しよう。

……とは言え、弱い私に稼げるのは十秒がいいところだろうな」



挿絵(By みてみん) 李傕(りかく)

「邪魔するヤツは死ねえええッ!!」



挿絵(By みてみん) 戯志才(ぎしさい)

「曹操、死ぬ前の十秒に私を思い出せ。

その十秒は、戯志才がくれた十秒だとな……」



~~~曹操軍~~~



挿絵(By みてみん) 鮑信(ほうしん)

「曹操、到着が遅れて済まぬ!」



挿絵(By みてみん) 王匡(おうきょう)

「敗残兵は我が軍が収容した。

俺たちの戦力では董卓軍に勝てない。早く逃げ出すぞ」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「……ああ、恩に着るよ」



挿絵(By みてみん) 鮑信(ほうしん)

「なんの、お主の戦いぶりに我々も奮い立った!

今は我々だけだが、心ある者が続々と駆けつけてくれるだろう」



挿絵(By みてみん) 曹洪(そうこう)

「曹操様、いったん故郷の譙(しょう)に帰ろう。

曹仁(そうじん)の兄貴や、夏侯(かこう)兄弟が兵を集めて待っている」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「ああ、戯志才の心を無駄にしないためにも、今は耐え忍ぼう。

そしていつか戻ってくるんだ、この洛陽の都に……」



~~~洛陽の都 西方 董卓軍~~~



挿絵(By みてみん) 李儒(りじゅ)

「ククク……逃がすものか。曹操軍に追撃をかけよ!

魔王様にあだなす者を皆殺しにするのだ!」



挿絵(By みてみん) 郭汜(かくし)

「ぐ、軍師! 反乱軍の背後に残した樊稠(はんちゅう)から急報だ!

敗走したはずの孫堅軍が都に奇襲をかけたそうだ!」



挿絵(By みてみん) 李儒(りじゅ)

「なんだと!? 孫堅め、やってくれたな……。

不本意だが都に戻るぞ!」



挿絵(By みてみん) 孫堅(そんけん)

「おっと、情報が正確じゃねェようだな。

都を攻めたのは程普(ていふ)と韓当(かんとう)だけだぜ!

孫堅はここだ!」



挿絵(By みてみん) 郭汜(かくし)

「げえっ! 孫堅が現れたぞ!!」



挿絵(By みてみん) 徐栄(じょえい)

「軍師殿、ここはお逃げ下さい!」



挿絵(By みてみん) 孫堅(そんけん)

「てめェ、祖茂(そも)を殺したヤツだな!

ちょうどいい、仇討ちしてやるぜ!」



挿絵(By みてみん) 徐栄(じょえい)

「ぐああッッ!!!」



~~~洛陽の都 宮廷~~~


挿絵(By みてみん) 董卓(とうたく)

「どういうことだ!

孫堅のヤツは李儒が倒したのではなかったのか!?」



挿絵(By みてみん) 董旻(とうびん)

「孫堅にいっぱい食わされたようだ。

曹操も鮑信、王匡と合流して再攻撃してくるかもしれん。

どうする兄貴?」



挿絵(By みてみん) 董卓(とうたく)

「吾輩が守る洛陽は鉄壁だ!

孫堅や曹操が束になってかかってきても――」



挿絵(By みてみん) 張繍(ちょうしゅう)

「長安(ちょうあん)から急報です!

馬騰(ばとう)、韓遂(かんすい)の騎馬軍団が襲撃してきたとのこと!」



挿絵(By みてみん) 董卓(とうたく)

「…………。弟よ、たしか長安には孫娘の董白(とうはく)がおったな」



挿絵(By みてみん) 董旻(とうびん)

「あ、ああ。

長安なら董白の父親の牛輔(ぎゅうほ)が守ってるから心配はいらな――」



挿絵(By みてみん) 董卓(とうたく)

「吾輩は急に董白の顔が見たくなった!

吾輩は長安に帰るぞ!」



挿絵(By みてみん) 董旻(とうびん)

「え、あ、兄貴。じゃあ洛陽はどうするんだ?」



挿絵(By みてみん) 董卓(とうたく)

「フハハハハハ! もはや洛陽などに未練はない!

長安に遷都だ! 献帝(けんてい)をつれて長安に移るぞ!

洛陽など焼き払って反乱軍にくれてやれいッ!!」



~~~虎牢関(ころうかん)~~~



挿絵(By みてみん) 呂布(りょふ)

「sdl;;aki123456789」



挿絵(By みてみん) 陳宮(ちんきゅう)

「大変ですみなさん。

ミスター董卓は移動しました。洛陽を捨て、長安へと。

私たちに連絡はありません。ですが早く逃げたいと思います。

孤立をする前にです」



挿絵(By みてみん) 張遼(ちょうりょう)

「つまり魔王様はオレらを見捨てたっつーことか?」



挿絵(By みてみん) 呂布(りょふ)

「fgsdjlsdasdak;987654321」



挿絵(By みてみん) 陳宮(ちんきゅう)

「そうではありません。少し連絡が遅れているだけでしょう。

洛陽を捨てるのならば、もう虎牢関も必要ないです。

だから逃げるのです。それだけのことですよ」



挿絵(By みてみん) 張遼(ちょうりょう)

「大将は気が良いからそう取るんだろーけどよ。

これは間違いなく見捨てられたんだと思うぜ?」



挿絵(By みてみん) 高順(こうじゅん)

「やめろ張遼。魔王様の意思は関係ない。

我々は呂布様に従うだけだ」



挿絵(By みてみん) 呂布(りょふ)

「…………」



~~~洛陽の都~~~



挿絵(By みてみん) 献帝(けんてい)

「ああ、偉大なる先帝たちよ……。

朕が不甲斐ないばかりに、都を捨てることをお許し下さい……。

朕は必ずや、必ずやいつの日か、この都に戻って参ります……」



挿絵(By みてみん) 董卓(とうたく)

「フハハハハハ! 陛下、何をそんなに嘆かれるのだ。

長安には吾輩の孫娘がいる。

陛下と年齢も近いし、良い遊び相手になってくれるだろう!」



挿絵(By みてみん) 王允(おういん)

(董卓め、いつまでも貴様の天下が続くと思うなよ……)



~~~~~~~~~



かくして董卓は洛陽を捨て、長安へと強引に遷都した。

はたして孫堅、袁紹ら董卓追討軍は焼け野原となったかつての都に何を見るのか?

そして董卓の栄華はいつまで続くのか?


次回 〇一〇   西涼の鉄騎兵

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