4層新管理者 バンシーのクローラ
「で! アタシにどうしろって!?」
「あなたに私のダンジョンの管理者をやって欲しいの」
「・・・・・・やってもいいけど、お給料を上げて!」
11層の面接室。
前に話題にあがっていたバンシーの彼女を面談中だ。
もう一体のスコーピオンのほうは退職してしまっていた。
「―あなたの給料は私より貰っているじゃない・・・・・・"パパ"から」
「ぐっ! なんでそれを!?」
「あらあら? なんででしょうね? 顔が怖くなってるわよ?」
女の戦い怖っ。
僕は見守るだけにしよう。
「年下のパパなんて聞いたことないわね~。どこに報告しようかしら~?」
「うるさい!! アンタは降格よ!! 言いつけてやる!!」
「へぇ? 姿を見せていいわよ」
はい。
僕は透明化を解いて、パッと出てベリルの横の椅子に座っている。
もちろん今のやり取りはカメラにばっちり映っている。
「どうも」
「誰よこいつ!! カメラで撮ってるなんて聞いてないわ!! 無効よ!!」
「そのパパより偉い魔人よ。どうしましょう?」
「・・・・・・外には言わないでください。なんでもします」
「さっきまでの威勢はどこにいったの? 急にしんなりして」
「冷静になったら、魔界を追い出されたら行くところないのよ。また檻の中は絶対イヤ!」
「ほうら。じゃあ4層の管理者をあなたに任せるわ。今の話はどこにも出さないわよ。あなたがおとなしく働いていれば」
「―わかった」
悔し気な表情の彼女にベリルは書類をどんどん渡していく。
これを読むことで、このダンジョンで働くことに同意したことになるのだ。
「一番大事なことを伝えておくわね。あなたの部下にタイゾウというタイタンがつくのだけれど、彼に命令とかしないこと。あなたのほうが見かけ上は上の立場で、実権は彼の方にあります」
「なにそれ!?」
「別になんでもないわよ。ただ、このダンジョン歴はあなたより上だから。あとは彼の戦えないような苦手な敵と戦ってほしいという話」
「苦手な敵ってなによ?」
「主に純粋な魔法特化の勇者よ。肉弾戦が中心の彼とは相性が悪いし、ちゃんと本気を出して戦うタイプだから逃げることができないの。それで怪我されても困るし」
「・・・・・・そういうことなら」
ちなみにバンシーの彼女は嫉妬狂い状態で殺されない限りは物理ダメージには不死身だ。しかし、不老不死ではなく、寿命がある。
それを利用して外では酷い実験を受けることが多い。




