ダンジョン荒らし
前日譚を入れるのを失念していたので追加しました。
「さあ、行こうか!」
「おうよ!」
「うっしゃあ!」
「・・・・・・おー」
全員で手を繋いで石の開いたドアを抜ける。
俺たちは『ダンジョン荒らし』、そう呼ばれる4人組。
今から入るは、なかなか予約の取れないダンジョンである、
半年の待ち期間を経て、ようやっと俺たちの番がやってきたというわけだ。
背後で石のドアが閉まる。これで真っ暗だ。
盗賊―もとい探検家のジョーを先頭に魔法使いのヨングフラウが杖明かりを点ける。
100段ほどの階段を下ると、目の前には森林が広がっていた。
「どこのダンジョンも変わらないな」
まずは元騎士。リーダーのヒッグスマン。
盗賊のジョー。
女性格闘家のフェン。
小柄な女性魔法使いのヨングフラウ。
「おいおい、なんかぬるいよなぁ? こいつら弱すぎるし」
襲ってきた5体のゴブリンを適当にぶち殺し、
「ここ、今まで行ったどこよりも広いぜ。今日中に次の階層に行けるか怪しいな」
「まあいいんじゃん。次の予約したダンジョンまで2か月あるからな。2週間くらいでクリアできるだろ」
2日後、下りのらせん階段を発見して下る。
そこはまた自然の多い、これまでより水辺の多い地域だった。
野生動物の姿も多数確認できる。
「ウサギでも狩って食おう。食料が足りない。いっぱい干して持っていこう」
「・・・・・・地下だけど火を焚いて大丈夫?」
「平気だ平気」
食料を確保しつつ、2日後、次の階層への下り階段が見つかった。
次の階はレンガでできた壁で区切られ、無理やり抜けることはできなさそうだ。
「にしても広いな。全然2週間で帰れる気がしねぇ」
「まあ、適当に撤退しようや」
「こんな見るからに怪しい宝箱開ける訳ないだろ!」
行き止まりにこれ見よがしに宝箱が設置されていた。
ジョーがそう言って当然スルーする。
この階層で襲ってくるのは、ゾンビや顔のないホムンクルスやらシャドウと呼ばれる霊体などだった。
「えぇ~! ここを行くの!?」
下へと下る階段を遠目から発見したが、ロープのような触手がウネウネと動く水の入ったプールを渡らなければならなかった。
「魔法で駆除してくれ」
コクリと無口な魔法使いのヨングフラウが頷き、詠唱して杖を振るう。
「―魔法がでない」
「ふふ、でもこれで燃やせばいい」
ヨングフラウは小瓶を取り出し、目の前の触手に振りかけた。
水の中だというのに炎があがり、中身を振りかけたところの触手は死滅した。
服を薄着に着替え、泳ぐ4人。
(いい眺めだぜ・・・・・・)
女2人の尻と胸を眺めながらそう思うジョー。
「疲れたな。もう終わりとかじゃねぇのか?」
「わからない。自動筆記してあるから帰り道は楽」
第4層。
「―こいつはヤバいぜ」
筋骨隆々のオレンジの体をしたタイタン相手にスキルを使って互角の立ち合いをするフェン。
『その程度か!』
タイタンの筋肉がさらに肥大し、フェンの力を上回った。
均衡が崩れ、自ら吹き飛ばされるフェン。
「食らえ! タイタン!」
攻防すること数分。どちらも引かず、冒険者は傷つき、倒れていく。
『ぐぉおおおおおお!!!』
「くそっ・・・・・・俺たちもここまでか―」
タイタンの姿は光塵とともに消えていく。
その光景を最後にヒッグスマンの意識は闇へと飲み込まれた。




