うん、そうなると思ってた。
毎回毎回のエンドレス誤字報告、本当に助かっております!ありがとうございます!
少しでも減らせるように頑張ります。
ギルド長に案内されて解体部屋に行き、出せと言われたので次々に魔物の死体を出していたら、
「ちょっ!ちょっと待て!どれだけ入ってるんだ?!それにこの魔物!ギガリザードンにメガサイクロプス?!オーガキングも居るじゃないか?!どうやって倒した?!そもそもお前が倒したのか?!」
小さい魔物を十体程出しただけなのに凄く叫ばれてる。
解体担当の職員は目をキラッキラさせてるのに、紹介されてないヒョロガリさんは物凄く眉間に深い皺を刻んでる。
うん、そうなると思ってた。
でもギガとかメガとか、スマホの通信容量とか、重さの単位とかじゃなかった?なんででかいとか強いとかの単位みたくなってんだろうね?
そして我がペット達が若干ドヤ顔に見えるんだけど?そうね、競って倒してきたの君達だからね。
「まだまだありゅけど~?」
「これ以上にか?!」
「もっとでっかいのがいっぱい」
「でっかいのって、これだって十分にでかくて強いだろうが?!」
「でも、もっとでっかい」
「はうっ、ふ~~ふ~~。よし!なら持ってるなかで一番でかいやつを出してみろ!」
何かの挑戦ですか?自棄っぱちですか?
広い解体部屋の空きスペースに移動して、ドドンと今朝狩られたばかりの魔物を一体だけ出してみる。
部屋の半分が魔物でミチミチ。
ちょっと机とか椅子とか潰しちゃったけど、出せって言ったのそっちだからね?
ギルド長が泡吹いて倒れ、ヒョロガリサンが唖然とし、解体担当の職員が踊り出した!
でも凄く邪魔になるのですぐしまったけど。
目の前から巨大な魔物の死体がなくなったので、ちょっと冷静さが戻ったのか、ヒョロガリさんが、
「失礼した。このササ、リュグナスラ王国王都支部ギルド長のクレッセンスだ。貴方がSランク冒険者だと確認した。解体と買い取りは私が責任もって請け負おう」
「このひとは?」
「この者は副ギルド長だ。私は見た目から侮られる事が多いので、面倒だから立場を入れ換えて名乗っているんだ」
「ふ~ん。んで、解体いちゅおわりますか?」
「どこかへ行く予定でも?」
「んっと~、かいたいおわりゅまでは、おうといりゅよ」
「普段は王都には居ないのかね?」
「うん。島でくらちてる」
「島?」
「そ!南にありゅ島」
「そうか。なるべく急がせるが、まだまだありそうなので、何時までとは確約は出来んな?それに一度にこの場に出されても処理仕切れぬようだし?」
「ん~じゃ~、みっかに一回くりゃい顔だすから、かいたい出来る分お願いちます!そのとき、かいとりりょうきんくりぇる?」
「ああ。それなら可能だろう。近隣の解体担当者にも声をかけて、なるべく早く多くの魔物を処理出来るよう手配もしよう」
「よろしくお願いちます!」
その後の交渉はスムーズに進み、解体担当者とヒョロガリギルド長が相談しあって魔物の数を決め、それを預けてギルドを出、ようとして絡まれた。
「お~~い!ここはガキの遊び場じゃね~んだぞ~?ガキと動物どもは踏み潰されないうちにさっさと帰れ~!」
見て分かる酔っぱらいが、目の前に立ち塞がり臭い息を吹き掛けながら絡んでくる。
俺はルクスちゃんを押さえるのに忙しい!手を離したら酔っぱらいをズボッと一撃しそうなんだもの!
その代わりギルドでは邪魔にならないように中型犬サイズだったソラとラニアンが俺の前に立ち、ラニアンの頭の上に居る野球ボールサイズのハクが触手でビシビシ床を叩いてる。
うちの子達、俺に似て不潔で臭い人嫌いなんだよね!
ハクがビシッとする前に、ラニアンとソラの、
「ガルルルルルルルル」
「グルルルルルルルル」
と言う唸り声とその迫力だけで戦意喪失してる酔っぱらい。
この程度で戦意喪失するなら構わなければ良いのにね?
そしてハクが止めのように酔っぱらいの横っ腹を触手で、叩くのではなく強目に撫でて退かし、悠々とギルドを出ました。
ズザザーーーゴスッガシャンガチャンとか後ろのほうで音がしてたけど知らんぷりしました。
ギルドを出て今度はお買い物。
ラバー商会に。
たった一年でメイン通りに一際大きなお店を持てるとか、ディーグリーってば流石!居抜きなのか建物は重厚な感じの古い建物だけど、中は良い感じに改装されてて、古さと新しさが混在してるのにとても上品な出来になってる。どこもかしこもピッカピカで清潔だし!
寝具一式が欲しいのです。
この一年弱は、テントの寝具を運んで使ってたけど、テントとは別の物も欲しい。
あと洋服もそろそろ新調したいところ。
常にバリア張ってるし、洗浄の魔法で何時も清潔だし、サイズも変わらないんだけど!それでもそこここが擦れたり薄くなったりはしてるからね。
滅多にお買い物もしないので、たまにはパ~っと使うのも良いよね!
大きなお店にはお店独自の預かり所がある。
それは荷物だけの所も多いけど、ラバー商会くらい大きいと、有料で託児所的な所とか、冒険者の装備とか、冒険者の従魔とかを預けられる所もあったりする。
中には大型の狼とか馬の魔物なんかを従魔にしてる人も居るからね。
ただ、従魔専用のタグを着けて、定められた大きさより小さな従魔は、主の責任で一緒にお店に入る事も出来る。
会計のすんでない商品を食い散らかしたり破損させたり、糞やおしっこをしちゃった場合は、倍額払わされたり、損害賠償請求とかがあるらしいけど。
我がペット達は大きさを変えられる子も多いので、皆して最小サイズになって何食わぬ顔で堂々と俺について来ちゃうけど。
小動物を連れた幼児の入店は妙に目立つ。
ただ、この世界にも初めてのお使い的な試みをする親もたまに居るので、生暖かな目で見られるだけで、止められたりしないのはありがたい。
寝具売り場に行って、並んでる寝具の柔らかさや大きさを確かめていると、優しげな顔をしたお姉さんが、低姿勢でにこやかに話しかけてきた。
「いらっしゃいませ!今日は何を買いに来たんですか?」
膝を付いて目線を合わせて、完全に子供扱いでゆっくりとした話し方。
「しんぐいっしき欲しいです」
「しんぐいっしき、ですか?」
「そ。しきぶとんと、かけぶとんと、まくりゃと、もうふ、しーつも。あとたおりゅもいる」
「まあ、そんなにいっぺんに?持って帰れないでしょう?お父様かお母様か、お家の人は居ないんですか?」
「マジックバッグありゅから、持って帰りぇる」
「マ、マジックバッグ?!」
マジックバッグと聞いてお姉さんの目が変わる。
何処ぞの貴族の子供とでも思われた気配。でも護衛の姿は見えないので、混乱してる。
まあ、相当なお貴族様でもないと、子供にマジックバッグは持たせないよね?相当なお貴族様なら護衛は必須なのにその気配もないから混乱するのも分かるけど、固まって動かないのはどうしたら良いの?
まあ、構わずベッドマットの固さを確かめてるから良いけど。
お姉さんが固まって動かないので、寝具売場担当のお兄さんに声を掛ける。
「はい。どう言ったご用件でございましょう?」
「んと~、こりぇと同じかんじのありますか?」
マジックバッグ内にある普段使ってる枕を取り出して差し出せば、眺めて触って弾力を確かめてから、
「これはっ!…………………少々お待ち下さい」
と言ってどっかに行っちゃった。
リュグナトフ国の王族の使ってる枕だからね。
一般の売場には置いてないよね。知ってたけど、もしかしたら良さげでお手頃な値段の物もあるかと思ってたんだけど、残念ながら肌触りから全然違うので声をかけてみた。
たぶん奥の高級品としてならあると思う。
ただそれを俺に売ってくれるかは分かんないけど。
そんな気はしてたけど、結果、売って貰えませんでした!
お金もあるし身分証も確かなのに!在庫がないって断られた。
幼児には売れないって事ですか?俺の後から来た執事っぽい人には売ってたよね?!
むくれながら店を出ました。
くそぅ!
冒険者ギルドや街門の守衛が、ケータの持ってる冒険者タグや入場許可メダルを信じないのはおかしい、最低限高ランク保持者の情報くらい覚えておけ、とご指摘頂いたんですが、たぶんギルド長とかは、情報だけは入ってたと思います。ただし、登録して十年近く経つ冒険者が幼児の姿で現れるとは予想外で、疑われたものと。
守衛の方も、幼児の持ってるメダルの裏書きが自国の王様って?!って感じです。
見た目が幼児ってことが、一番の原因です。




