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比翼の烏  作者: どくだみ
2-6:因縁の終着点
95/95

登場人物等紹介(第2部完結後)

名前:出雲 楓

年齢:20歳

種族:人→半神

好きなもの:紅茶。読書。料理。最近は身体を動かすこと。


本作の主人公。やたらと人外にモテる。多分動物にも好かれるタイプ。

元々は福岡の大学に通う普通の大学生だった。超がつく程のお人好しで、人を疑うことをあまりしない。結果として損をすることも得をすることもあり、本人的にはこのままでいいかなと思っている。

その性格は、人知れぬ黒羽の尽力によって作られたもの。余計な悪意から隔離されて育った、いわゆる“温室の花”。外に出て枯れるかは彼次第。

女性の好みは、どちらかというと年上。黒髪ロングだとなおよく、我が道を突き進む強い人であれば更によい。本人は決して明言しないが、要するに黒羽はドストライクであった。最初は彼女にメロメロになっていたが、二人で窮地を乗り越えていく内に段々と男らしくなり、最近はもっぱら主導権を握っている。

第1部では、黒羽を救うために人であることをやめ、マヤの力を受け継いで半神になる。そこから黒羽とのトレーニングや、蛇神=エックスとの対決を経て少しずつ力を使いこなせるようになり、最終的に絢音との死闘を経て覚醒。結城と木崎を眷属にし、彼は再び日常へと戻っていく。


……かのように思われたが、そうでもない。絢音が言ったように、上質な楓の霊力は怪異にしてみれば極上の一品であり、本編終了後も様々な存在から“興味を抱かれる”こととなる。

平穏は遠い。



徒手格闘

半神としての馬力を乗せて放つ、付け焼き刃気味の体術。本人曰く「足技の方が得意」とのこと。

黒羽と出会って1ヶ月後の夏。強くなりたいと思った楓は、黒羽に稽古をつけてもらうようになった。それ以外も自主トレを続け、3ヶ月経った時点である程度の動きは出来るようになっている。が、練度としてはまだ初心者。素の格闘勝負で、絢音や黒羽には敵わない。


鬼火

術者が指定したものだけを燃やす、青い妖火。元は木崎の十八番だったものを、頼み込んで教えてもらった。半徹夜で練習した末、翌朝の蛇神戦までに何とか形にする。最初は不慣れな部分もあったが、戦いの中で自然と洗練され、オリジナルな使い方まで編み出すようになった。

ただしここでも初心者故の弊害はあり。体内の霊力を汚染されたり、何らかの要因(痛みや快楽、あるいは強い恐怖のような感情)で集中を乱されたりするだけで、すぐに使えなくなってしまう。絢音との死闘ではそれを見透かされた結果、毒を打ち込まれて好き放題された。


ブレイズキック

鬼火を付与した格闘術。命名者は絢音。食らったのも絢音。キックというが普通にパンチも含まれる。絢音の再生を阻害するために楓が考え出したもの。やってみたら出来た……というより、やらざるを得なかった様子。


切り裂きの術

第1部で黒羽から習った護身術。分かりやすく言えばカマイタチ。真空の刃を放って敵を切り裂く。威力自体は、当たり所によっては致命傷になる……かな? というレベルの微妙なもの。

最近はあまり使わなくなった。


左手に引っ付いている絢音のこと。命令権は楓にあるが、実際は絢音の意思で動く。鞭のような使い方をしたり、包帯代わりにして止血を行ったりと、色々融通が効く。


vs絢音

殺されるor完全に取り込まれる前に覚醒出来るかが鍵。すれば割と勝てる。しなければどう転んでも負ける。良くて惨殺、悪ければ心が壊れるまで延々と弄ばれ続けることになる。




名前:黒羽

年齢:実年齢は13歳。見た目と精神年齢は楓より少し上。

種族:烏→人になりかけの人妖

好きなもの:筋トレ。楓を愛でること。


年上オーラ。男前。黒髪ロング。高身長。低温ボイス。残念美人。作者の趣味を惜しみ無く詰め込んだ(詰め込み過ぎた)、いわゆる強いヒロイン。その立場と行動上、楓に振りかかる災難をよく肩代わりして酷い目にあっている。

元々は普通のカラスだった。鷲に襲われ怪我を負ったあと、狐(後の宗像)に食べられかけたところを、通りすがりの楓に助けられ、以来彼に恋をする。妖怪になってからも楓に付きまとい、人間になりたいと願い続けた結果、ある朝起きてみれば身体が変化していた。胴体は人、腕は翼、足は鳥。いわゆる半人半鳥である。

第1部の最後で楓と結ばれてからは、10年間こじらせ続けてきた想いに正直になった。人前では加減をするものの、動物らしく積極的に楓に甘えているらしい。酒を飲ませると本性が見れる。

妖怪なので食事はあまり要らないが、楓の作る料理は美味しいので食べる。自分でも一度、作ろうとしてみたのだが、卵を握り潰した辺りで楓からストップがかかった。以後、リベンジを誓っている。


戦い方は完全なる武道派。持ち前の素早さと飛行能力を活かした立体機動戦で相手を翻弄する。また、単純な格闘力では楓よりも上。

総じてそれなりに強い人……ではあるのだが。毎度、相手が相手なので、いかんせん戦績が芳しくない。


恋人に引っ付いた絢音は目の上のたんこぶ。引き摺り出してバラバラにする機会を常に窺っている。木崎と共同戦線を展開中。




名前:宮野 絢音

年齢:18歳。(人間としての年齢を含む)

種族:ヤドリギ

好きなもの:スポーツ全般。ロック(Queen)。


泣沢村に住む女の子。高校3年、受験生。第2部で登場した、強いヒロインその2。コンセプトは女子校の王子様。ショートカットの髪、キリッとした瞳に若干男寄りの口調と、黒羽とは違うタイプのイケメン。

なお中身はドSである。


その正体はヤドリギの怪物。他者の霊力を吸い取って成長する、マヤに言わせれば「最強の寄生体」、それが成長しきった姿。人間だった頃の格闘術と、植物特有の超再生力などを駆使し、楓たちを苦しめた。


楓と出会った当初、彼に抱く感情はヤドリギとしての捕食欲のみであった。しかし彼らと行動を共にする中で、人としての心が楓に恋を抱いてしまう(初恋だったそうな)。

とはいえ最初は、精々が“行き過ぎた思い”程度のものでしかなかった。転換点は、楓と初めて戦ったとき。苦悶の表情を浮かべながら必死に立ち向かってくる青年の姿を見て、絢音の中で悪いスイッチが入ってしまった。そして暴走を始める。

最終的には楓に敗北。ほぼ全ての力を失い、一本の蔦になって楓に根付いた。実は独立して動けるが、(そんなことすると黒羽や木崎が殺しに来るので)彼の手を終の住処にしたようだ。


ちなみにヤドリギの花言葉は「私にキスして」というもの。絢音はされるよりする側だが。


背中から生えている四本の蔦。鞭にしたり、盾にしたり、腕代わりにしたり、何かと使い勝手はいい。切り落とされても再生する。


空手

いわずとしれた格闘技。人間の絢音が身に付けていたもの。年単位で習っていたらしく、その練度は黒羽以上。県大会で優勝したこともあるとか。


超再生

植物最大の強み。並みの妖怪が死ぬような怪我を負っても普通に回復する。腕が千切れたり、頚椎を砕かれたりしても(一応)大丈夫。上半身が吹き飛んでも時間をかければ治る。

そんな彼女を殺すには、戦車砲や爆撃のような大火力で粉砕するか、炎で再生を封じつつ破壊するかしかない。単純な打撃に対しては擬似的に無敵。黒羽が絢音に勝てない理由が、これ。


ヤドリギスーツ

蔦を編んで作った絢音の勝負服。軽くて薄くて動きやすく、防刃完備に衝撃吸収と、何気に高性能なスーツ。鬼火の直射にも一度なら耐える。見た目は奇抜なタイツである。


絢音ルート

覚醒前の楓であれば、正面からの戦闘で圧倒出来る。つまり、いかに楓を覚醒させぬまま、彼の心を掌握するか。それが鍵。

ぶっちゃけ黒羽を人質にすれば勝てたが、絢音のポリシーがそれを許さなかった模様。




名前:宗像 結城

年齢:15歳。精神年齢と見た目は楓くらい。

種族:狐

好きなもの:嫁。ブラックコーヒー。(ある意味)楓。


ゲームでいうとこの戦士枠。楓に一方的な敵対心を抱いている狐で、木崎とは夫婦の関係にある。

本編より10年前。楓の無邪気な善意が切っ掛けで死ぬこととなった彼は、その恨みで妖怪と化し、楓を付け狙っていた。だが最終的にその野望は挫かれ、悶々とした思いを抱えながらも、木崎と共に蛇神の庇護下で余生を送る……筈だった。

日本一周新婚旅行から帰ってきた二人は、あろうことか主人の蛇神から攻撃を受ける。自分たちだけではどうにもならず、屈辱を呑んで楓たちに救援を要請。一時的な同盟を築いた四人は、事態の解明に乗り出すのであった。

楓のことは気に入らないと思いつつも、助けて貰っているため敵対は出来ず。彼を殺したいと思いつつも、他人の手で殺されるのは気に食わないので結果的に彼を助けつつ。そんな振る舞いを続けていると、楓から一定の信頼を抱かれてしまった。

葛藤を抱えながらも、最後には楓に決闘を吹っ掛けた結城。その結末は望ましいものだったのか。本心は彼のみが知っている。


本編終了後は、木崎と共に山の中で暮らしつつ、やって来た楓に喧嘩をふっかけている。本気の殺し合いではなく、あくまで喧嘩(楓にしてみれば格闘の実戦訓練)。黒羽や木崎が見守る中、存分に鬱憤を晴らしているのだとか。

ちなみに戦績は5部5部らしい。



名前:木崎 加奈

年齢:15歳。精神年齢の見た目は楓くらい。

種族:狐

好きなもの:読書。黒羽(ただし捕食対象)。夫の手綱を握ること。


コーヒーは嫌いです(確固たる意思)。

第1部後半で颯爽と本性を現し、主人公らを苦しめた策略好きの妖狐。ヒロインか否かはさておき、結城を尻に敷くなど強い女性である。か弱い女は本作にいない……。

第2部では頼もしい仲間となり、参謀役として1部ラスボスの名に恥じぬ活躍を見せる。蛇神巨大化の仕組みを見抜き、信仰の兵糧攻め作戦では裏方ながら最も重要な役目をこなし。味方になっても強いタイプの敵であった。

性格は、誰にでも敬語で接する柔らかい雰囲気の女性。……と見せかけて、中身は結構陽気。でもって敵に対しては冷酷。敵前でみせる微笑みは、彼女なりの死刑宣告である。


本人の中では予想の域を出ていなかったが、泣沢村への道中、件が現れたと楓から聞いた時点で、何か裏があるなと考えていた。予言の中身から、少なくとも楓は大丈夫と判断し、蛇神戦の前夜に彼の申し出を受けて妖術を教える。同時に絢音のことは最初から信用しておらず、楓に警告っぽいことを告げたりしていた。

そんな疑惑の念を、絢音もしっかりと感じ取っており、要注意人物として木崎をマークしていた様子。


夫を痛め付けられた件もあり、絢音のことが大嫌い。いつか燃やして灰にしてやろうと画策している。最近、黒羽に共闘を持ちかけたらしい。


楓との関係

対立したときもあったが、今は事実上和解。初めて自分を負かし、かつ夫を生かしておいてくれた彼を、内心で認めている。一方の楓も、木崎のことを妖術の“先生”として信用している模様。互いに相手を敵視する理由は無く、読書という共通の趣味もあるおかげで意外と仲良し。


木崎さんルート

黒羽と結城が殺され、楓と木崎だけ生き残ってしまった場合、互いの傷を舐め合っている内にくっつく可能性がある。

……が、そうなったところで誰も幸せにならない。




名前:マヤ

年齢:585歳。本人は500と言い張っている。

種族:山犬

好きなもの:旅。我が子。仄白む朝焼け。


元・神様。楓に力を譲ってからは、ちょっと強い山犬の妖怪。楓たちのピンチに颯爽と登場し、先代様々の頼もしさで彼らを勝利に導く。

神としてのオンオフがはっきり分かれており、オフのときはいい加減……失礼。親しみのもてるフランクなジジイ。黒羽や楓に対しても、基本的には好きに振る舞わせ、時として背中を押すなどして見守ってきた。一方、“神としての”楓に対する態度は厳格そのものであり、本人が嫌がろうが躊躇おうが必要とあらば戦わせようとする強引さもある。ただしその場合でも、楓1人に責務を押し付けるわけではなく、先代として、お義父さんとして、楓と苦を分かち合おうとする姿勢を見せる。


本来の力

作中では披露されなかったが、全盛期のマヤはめちゃくちゃ強かった。楓に渡した力もマヤの全てではなく、言い換えるならば、仮に楓が全力を出せたとしても、昔のマヤには遠く及ばないとされる。

蛇神と本気でやりあったらどっちが勝つのだろうか。




名前:蛇神

年齢:321歳。神としては若手。

種族:蛇

好きなもの:庇護下の生命全て。若者たちの恋路を見守ること。


泣沢村の山奥に住む白蛇。水と再生の権能を持つ神様。絢音(人間)の友人兼、第2部での被害者枠である。

性格は、温厚。作中での傲慢な言動は、ヤドリギに操られていたが故のものであり、本来の蛇神はあんなことを言わない。全ての命を分け隔て無く愛する、包容力のある神様である。多分、楓とウマが合う。


マヤとは旧友らしいが、どのようにして知り合ったかは不明。マヤが蛇神の本名を知っているのかも不明。全体を通して謎の多い存在であり、性別まで不明ときている。男なのか女なのか。口調は若干男性寄りだが、男口調の女性が珍しくないことは周知の事実である。

一般的に山の神は女性と言われるが、男神として描かれる場合も多々存在する。日本における山の神信仰は複雑であり、蛇神も、男と女のどちらでもない、あるいは両性を有する神秘的な存在と見なすのが、一番的確かもしれない。


ちなみに、彼(彼女)が操られた際に口にしていた、高天原への復讐うんぬんのくだりは、一応事実である。しかし本人はこれっぽちも気にしておらず、むしろ立場が下がったことで、一つ一つの命との距離が縮まるため、さして不都合でもなかったのである。あの怒りは全てヤドリギ側の演技だった。


本来の力

神の名にそぐわぬ強さを持つ。作中ではヤドリギに霊力を吸われていたために、本来の実力の1割も発揮出来なかった。

正しい形で取り戻した力であれば、主人公一味など赤子の手を捻るようなもの。一睨みで木っ端微塵である。




名前:九鳥大学

福岡県にあるとされる大学。本作に限らず登場し、文学部から医学部まで4キャンパス17学部を有する巨大総合大学である。楓が通うキャンパスは田舎に位置するらしい。周囲には、“おきいしさま”と呼ばれる曰く付きの廃神社、店員が化け猫の総菜屋、住人が失踪した幽霊屋敷、花屋『花鳥風月』などが存在し、ネタには事欠かない。学生連中も大概であり、文芸部の霊感持ち、文学部の幽体離脱常習者、同じく文学部の現人神や、人のふりして講義に混ざってる狐たち等々、個性的な面子が多く見られる。

元々、絢音はここを受験するつもりであった。




名前:高千穂

宮崎県高千穂町。実際に存在する地名にして、第1部の舞台。天岩戸伝説にニニギの降臨にと、神との縁が古来より深い場所。そこで楓が神になるというのは中々に象徴的である。

神になった楓は、時々高千穂にも戻ってこい、とマヤから言われていた。数ヶ月が過ぎたが、まだ一度も帰省出来ていない。彼だって大学が忙しいのだ。年末年始までは帰らないと思う。



名前:泣沢村

第2部の舞台。宮崎県と鹿児島県の県境付近に位置するらしい、山間の村落。

村の中央を南北に川が通っており、それに沿う形で家々が並んでいる。最奥部には神社があるが、手入れもされずに放置されており、楓曰く「空っぽ」の状態であるとのこと。敷地の裏から更に山奥へ進むと、蛇神の社がある。

村の人口は200人程度で、物語開始時点で絢音を除き蛇神の洗脳下にある。子どもは少ない。公共交通機関は、最低限のバスが通るのみ。典型的な過疎地域の様相を呈している。

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