2話「まさか娘が」
裕也は家に向かって歩いていた。赤く染まった空、そんな空を見ながらぼーっとしていると、子供たちがこちらに向いて走ってきている。
『ゴン』「うおぉ、いて!?」
裕也はこのままだと子供達とぶつかってしまう!と思い、咄嗟に横に避けた。しかし、「避けた」まではよかった。
子供達は、裕也の隣を当たらず通り過ぎたが裕也は咄嗟だった為、避けた先がまさかの壁であった。裕也はおでこを赤くしながらその場で疼くまってしまった。
しかし、なかなかの音だった。割れてねぇよな?てか、頭めちゃくちゃ痛い!
「えぇっと、大丈夫ですか?」
すると、子供達…いや2人組の女の子たちが裕也に近寄ってきた。
そらそうだ、あんな響くような『ゴン』という音を奏でながら疼くまるんだ。心配するわな。そう思いつつ、裕也は立ち上がって女の子立ちに向き直った。
「うん、大丈夫!おにーさんは大丈夫だよ!」
裕也はおでこを抑えながら言うが1人の女の子が
「おじさん、本当に?おでこ抑えてるけど?」
この子なかなかのワードを…まだ29歳だからね?明日までお兄さんだからね?と内心全力のツッコミを入れたが、少し深呼吸をしたあと、女の子たちの目線にしゃがみ、おでこを見せて答えた。
「ほら、大丈夫でしょ?」
裕也はおでこを女の子たちに見せると、何か生暖かいものが裕也のおでこに感じた。目の前で見ていた女の子たちからも「あ…」っと言葉が漏れていた。
「おじさん、これ」
女の子が裕也のおでこから血を流しているのをみたあと、1人はポケットから絆創膏を取り出した。
裕也は絆創膏をもらうと「ありがとう」と女の子に言い去ろうとしたが、呼び止められてしまった。
「おじさん、カットバン私が貼ろっか?」
女の子の1人がそう言ってくれた。確かにおでことなると絆創膏を貼るのは1人では少し厳しいだろう。せっかく貼ってくれるんだったら貼ってもらおうと、裕也はその言葉に甘えることにした。
「じゃぁお願いできるかな?」
裕也はもう一度しゃがむとおでこに絆創膏を貼ってもらい、女の子たちと別れた。
ーー
裕也は家、見た目はボロアパートに見えるが防音は完璧、夜中に掃除機をかけてもわからないくらいの見た目以上のちゃんとしたアパートに帰ってきた。
「あら、おかえり〜」
アパート前に着くと、ここの大家さんと会った。
「あぁ大家さん!本日もお綺麗で」
「まぁ、そんなお世辞あなたくらいよ」
実際大家さんは本当に若く見える。ちなみに、大家さんはかなりご高齢、80歳である。しかし見た目的にはまだまだ50歳に見える。ここの大家さんは裕也の高校の時からの中であり、当時は通学路だったためよく挨拶した。そして、大学生の頃から1人暮らしを始める頃、家賃を割り引く代わりにたまに手伝って欲しいと声をかけてくれた人でもある。しかし、最近はほとんど手伝いに呼ばれなくなった。
「そういえば大家さん?」
「何?どうしたの?」
「最近お手伝い呼ばれませんけど大丈夫ですか?」
裕也は呼ばれていないことを気になったので聞いてみた。
「あぁ、あなたもう30代にもなるしそろそろ結婚かしらと思って、最近は呼ばないようにしていたのよ」
大家は笑顔でそうゆうと、裕也はまさかの言葉に苦笑いを浮かべた。
「ソウデスネーイイヒトイレバ」
逃げ出したい…
裕也は本気で思った。
大家から見れば、おそらく裕也は少し遠い目をしていたのだろう。




