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1人の方言話者より  作者: 言根(ことね)
12/20

「からう」

 中学生が笑い話として


「私らさ、全然身長伸びとらんけん、小学生料金でも多分バレんよね。やらんけど。」


「私服でランドセルからっとったらマジ行ける。」


と言っていたら、何となく伝わりますか?


「私たちさ、全然身長が伸びていないから、小学生料金でも多分バレないよね。やらないけど。」


「私服でランドセルを背負っていれば本当にまかり通ってしまう。」


書き言葉の方が自信がありません。



「からう」と言うのは方言だそうですね。


私は未だ、からうと言って伝わらないという経験をした覚えがないのですが、標準語は「背負う」だそうです。



「背負う」は精神的に重たくないですか??



「からう」と言えば、まず思い浮かべるのはランドセルです。


遠足のリュックも、中学校指定のスクールバッグも、両肩で支えているのなら「からう」と言えますが、やはり6年間毎日からっていた馴染み深さでしょうね。


物理的な意味以外では「からう」は使えません。



「からう」があるからこそ「背負う」は重たく感じるのです。


事情や責任を抱えているような気がします。



「1人で背負い込み過ぎんでね。うちらもおるっちゃけん。」

(1人で背負い込み過ぎないでね。私たちもいるのだから。)



「この選手、娘と同い年らしいよ。日本を背負ってオリンピックに出るってすごいね。」


という使い方の「背負う」も標準語ですよね?



日常で何気なく、それを当たり前と思って「からっ」ているランドセルに、そのような精神的な重さのニュアンスはそぐわないように感じられます。


ランドセルを「背負う」と、


「日本の小学生像」や「そのランドセルのメーカー」でも背負っているのかしら?そんなはずがないか。


なんて思考が脳裏に浮かぶかもしれません。


意識的ではないですし、多少大袈裟ですが、「背負う」という単語を知りながら使わない理由の説明にはなるかと思います。



標準語話者の方々には物理的、精神的ニュアンスが混在しないのでしょうか?


文脈できっぱりイメージが分かれるのか、精神的な方が隠喩のように聞こえるのか。


私には分かりません。




未然形 からわ ない

    からお う

連用形 からい ます

    からっ た/て

終止形 からう 。

連体形 からう とき/ので

仮定形 からえ ば

命令形 からえ !



ワ行五段活用の動詞「からう」は伝わらない人もいるらしい。



そうか。でも、「背負う」は精神的に重た過ぎる。それなら「背負(しょ)う」かなぁ?



……「背負(しょ)う」も方言なんだ?!



音感として、約まっている感じがしますから、方言と言われれば、まあそうかと思います。


どちらかそ言うと、背負(しょ)うが方言であったことよりも、標準語が()()う以外に言い換えようがないことの方に驚きました。



ランドセルはどうしても「からっ」てほしいのですが、リュックは「背負(しょ)っ」ても良いかなと思ったのに。



譲歩になっていなかったようです。



ちなみに、背負(しょ)うと表記させていただいているのは、ひらがなで「しょう」だと「しょー」と読んでしまうからです。私が。


背負(しょ)う」は、



「エッセイを書いてみましょう!」


の"しょう"よりも"う"を流すことなく発音しているように思います。



 1人の方言話者より


「からう」だけでなく「背負(しょ)う」も方言とされるらしいです。


「からう」や「背負(しょ)う」に馴染みない方々が「()()う」に乗せるニュアンスは私と異なるかもしれません。


標準語話者の感覚というのは、あまり説明しようと思っていただけないのかもしれませんが、私も生の語感が知りたいです。

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