第73話 後悔と選択肢
どうも、秋水です。
今日はとても寒く、6月とは思えないくらいです。
お蔭で体調は崩しかけ、具合もあまり良くはありませんが……。
更新ペースはまた落ちてしまうかも知れませんが、それでも待って頂けたなら幸いです!
アメノウズメが消えてから、数分経った頃だった。何もない真っ暗な空間から一転、目を開くことの出来ぬ眩き光に包まれる。だがその光は直視不可な程の光なのに、身体的に特に異常は感じられなかった。それどころか、砕けそうになった精神を暖かく包み込んでくれているようだった。
「……これは」
見に覚えはなかったが、もう暫くその光に身を委ねてみようと思った。そして再度目を薄っすらと開いてみると、見知らぬ天井がそこにあった。何が起こったのか分からず動揺しながらも視線だけで横を見てみると、雪咲の手をしっかりと握り締めつつウトウトしているリィナ。その後ろには、心配そうに見つめてくるアメノウズメが。
「良かった、目を覚ましたのですね」
「……一体何が」
取り敢えず状況を整理しようと身を起こすが、途中でアメノウズメに止められる。
「まだ寝ていてください」
「でも……」
「……言いたいことは分かります、ですが今は体と心を休めてください」
「……」
雪咲はアメノウズメの言う通り再度横になる、するとリィナは微かな振動で目を覚ます。そして雪咲の顔を見るなり、瞳が潤んでいく。そして涙が頬を伝い、勢いに任せ雪咲を思い切り抱きしめる。
「もう……心配したんだから……バカぁ!」
「ご……ごめん……」
それ以上は何も言えず、黙って優しく頭を撫でた。すると、一つの疑問が頭を過った。
「そういえば……今何時くらいかな……?」
「今は丁度お昼過ぎた所ですよ」
「え、もうそんな時間!?」
〈体感だとまだ昼前かと思ってたけどなぁ……〉
そう思いながら窓の外へ視線だけを移す、小さめの鳥が元気よく空を飛んでいるのが目に映る。それと同時に、雲一つ無い青空に何を思ったのか、手を空に向かって伸ばした。
「……俺の望んでいた自由って、何だったんだろうな」
小さく呟く雪咲、リィナは首を傾げアメノウズメは黙って俯くだけだった。
「それって、どういう意味?」
「ん……気にしないで、ただの独り言だから」
「そう……?」
首を傾げていたリィナだが、少し時間が経つと何か軽く食べられそうなものを作ってくると言って部屋を後にする。その後、アメノウズメはそっと雪咲の寝ているベッドの端に腰を掛ける。
「……後悔しているのですか?」
「何が?」
「盗賊になった事です、貴方は自由を取るためでしたよね?」
「うん……だけど、もしあの時皓達と一緒に行くと決めていたらどんな事になっていたのかなって……」
「……それは分かりません、ですがそれはその時になってみなければ分からないものですよ?」
「それは分かってるんだけど……偶に考えちゃうんだよね」
小さくため息をつく雪咲、気が付くとアメノウズメは雪咲の手にそっと手を重ねていた。
「考えるなとは言いませんが、程々にしないと前に勧めませんよ?」
「うん……」
そのまま静かな時間が経ち、リィナが部屋へ戻ってくる。アメノウズメはいつの間にか少し離れていて、そのまま自身の部屋へと戻っていった。その後雪咲は、リィナが付きっきりで看病してもらい数日間ここに滞在することを決めた。
次話、平穏な1日!
数日間滞在することを決めた雪咲、次の話ではその1日が描かれる!




