第71話 蘇るトラウマ、乱れる心
どうも、秋水です。
結論から言いますと、狐饂飩はTwitterだけでいいかなと思えてきたので変更無しで行きたいと思います。
「……」
「……」
何を話せばよいのか分からず、2人共黙り込んでしまい辺りは静寂に包まれる。だがただ黙り込んでいるわけではなく、お互いの顔色を伺う様な感じだった。チラチラと目配せし、視線が合えばまた逸し……の繰り返し。2人共胸の奥にくすぐったさともどかしさを憶えながらも、それが心地良く感じてしまい動けない状況になってしまっている。
しかしここで、雪咲は過去の事を思い出してしまう。それはフラッシュバックかの如く脳裏に浮かび、暫くの間頭から離れなくなり苛まれる。過去の事というのは前の世界に居た妹の事で、リィナの雰囲気は何処か妹に似ていた。危なげと言うか、何を考えているのか分からない所がまるでそっくり。先程までの胸の高まりは、いつの間にか動悸へと変わっていた。冷や汗が頬を伝い落ち、視線が震えるように泳ぎ、呼吸がかなり乱れ始める。
「……雪咲っ!?」
リィナも雪咲の変わり様に驚き、抱き締めるように肩にそっと手を触れた。だがその瞬間雪咲は吐き気にも似た感覚を催し、頭を抱え込んでしまう。だが両腕で自身の頭を締め付ければ締め付けるほど、脳裏に刻み付いた記憶は色濃くなっていき……そのまま、倒れるように気を失ってしまう。意識を闇に手放す直前、リィナの叫びにも似た呼び声が聞こえた気がした。
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「ん……」
雪咲は意識が戻ったのかと思い目を開けてみると、辺りは暗闇の空間に一人ぼっち。他には誰も居らず、生き物の気配すら感じない。
「な、何が……此処何処!?」
嫌な胸騒ぎがし、平安を保てなくなりつつあった雪咲の心は揺れに揺れていた。自分以外誰も居ないという状況は、今の雪咲にとって最も恐れている事。そんな中、突如強烈な頭痛に襲われる。まるで金槌で思い切り殴られたかのように、鈍く鋭いような痛み。立っているのすら困難で、暗闇の空間の中思わず足腰の力が抜けてしまいそのままへたり込んでしまう。
「っ……!」
顔を歪めながらクシャッと自分の髪を撫でるように頭を抑える、だが痛みは和らいでいくどころか鮮明さを増していくばかり。痛みに苦しむ最中、一瞬テレビの砂嵐の様な所に一人立ち尽くしている女性が脳裏を横切る。その光景は瞬きする間に消えてしまい、また現れる。それはまるで点滅しているかのようで、現れては消えてを繰り返していた。
しかし不可解なことが起こる、それは女性の人数が1人から2人に増えたり消えたりしていることだった。だが一見してみれば別人の様だが、髪の長さを変えれば瓜二つ。顔までははっきりと見えないが、この違和感には憶えがあった。
「……玲那……なのか……?」
とっさに口にした名はとても馴染み深く、いつも口にしていたような感覚。その感覚に頭を悩ませていると、不意にその少女の口元が動く。そしてそれは、確実にこう言っているように思えた。
”……お兄ちゃん”
次話、深層心理!
内容は……お楽しみに!




