第56話 残された時間は……
どうも、秋水です。
今回の話は、ほぼ独自の設定が出てきます。ですが解説もきちんとしますので、置いてけぼりは無いと思います。
「俺のスキルの中に、神・魔王化というのがあるでしょう……?」
「そうですね、ですがこれに何の関係が……?」
「あったんですよ……関係」
すると、アメノウズメの表情はだんだんと親妙になってくる。そう、まるで仲間を見つけたかのように……。
「……どうやらこのスキルがある限り、俺は”死”も”老”も”生”も無いらしいんです」
この世界では様々な言い伝えがあり、その最も有力かつあの神様が教えてくれた信用ありそうな情報。死が持つ性質、それは転生を表す。老が持つ性質、それは年季。生が持つ特性、それは命。人間にはその3つが備えられており、誰とてそれは例外ではない。不老長寿とまで言われたヴァンパイアですら、3つの概念は兼ね備えている。だがこの世の者でない物……妖怪・幽霊・神は、これに該当しない。妖怪や幽霊は退治と言っているが、実質追い払っただけで退治など出来るはずがない。生の特性を持った人間は特性を持たぬ者に干渉出来ず、しかし逆は有り得る。しかし直接的な干渉は出来ず、間接的ではある。
雪咲には3つの特性は持ち合わせていない、つまりはこの世には存在しない者としてある。言うなれば概念と言えようか、しかし干渉が出来ぬ概念ではない。では何故干渉できるのか、それは……。
「……神卸の禊ですね」
神卸の禊とは、ある程度神に見初められた者にのみ与えられる祝福の一つ。本来であれば清められた魂は同じ世界に生を受けるまで保管される仕組み、しかしこの禊はその場では清めず新たな新天地にて転生を行う。その地で生きていく内に魂は清められていき、やがては神と同等の存在になるチャンスを得る事が出来る。しかし新天地では不老不死の存在として居なければいけないため、普通の転生よりも心身共にかなり消耗する。つまり、神からお迎えが来ない限りはずっとその世界に取り残されることになる。
恋をしようが世帯を持とうが神はそれには触れぬが、全ての行動は自己責任で行われる。
「貴方はさしずめ、神様見習いと言ったところです」
「見習い……」
その言葉を噛みしめるように、ゆっくりと口にする。その光景を前に、アメノウズメはうっとりとした顔で見つめている。
「貴方にお迎えが来るのは、早く見積もっても数万年後だと予想できます」
その言葉に、雪咲の表情は微笑んだまま固まっていた。あまりにも長過ぎる年月に、頭の中では処理しきれなかった。
「まぁ……そう気を落とさないでください」
言葉を口にしながら空を見上げる、そこには無数の星星が煌めいていた。それにアメノウズメは少し感動していたが、雪咲はそれどころでは無かったようだった。このまま、ただ無情に時は流れるだけだった。
神様の仲間入り、出来るならしてみたいですね。それどころか、異世界に行きたいです。
っと失礼、願望が表に出過ぎましたね(苦笑)
次話では、2人の巡り合わせが……!




