第54話 見つからぬ雪咲と、冬望の思い……!
どうも、秋水でございます。
今回の話では、ちょっと意味深的な発言が含まれています。
別に今後の展開のネタバレと言うほどではないのですが、察しの良すぎる方なら一瞬で見抜かれてしまうと思いますがご了承くださいませ。
「どうだった……?」
「駄目、こっちも目撃は無かったみたい」
「私の所も……」
「くそっ……」
一通り雪咲を探し終えた一行は、情報整理すべく宿屋の一室へと集まっていた。そこに居たのは皓・冬望・眞弓・ユリナ・アーシュ・グラン・リーシア、他の団員達は引き続き探してくれるとのことだった。だが一向に目撃証言すら入ってこず、途方に暮れていた。人気の無いところにも行ってみたが、空振りで終わった。
「グラン、他に雪咲の行きそうな所に心当たりはあるかな……?」
「俺は無い、アンタのほうが長い付き合いじゃなかったのか?」
「正直、行きそうな所はすべて探したよ……だけど、見つからなかった」
「そうか……」
全員の雰囲気が少し悪くなり、その日は解散ということになった。だが皓は、ふと思うところがあり冬望の部屋を訪ねてみる。
「まだ起きてる?」
「……どうしたのよ」
「いや、いくつか聞きたいことがあってな……中いいか?」
「……好きにしなさい」
「じゃ、そうさせてもらうわ」
そう言って、皓は怪しまれぬようにヘラヘラとしながら部屋の中に入れてもらう。少し視線だけで部屋の中を見渡し、物音を立てぬようにそっと近くの椅子に腰を掛ける。冬望はベッドの上に座り、皓の方に向かい合うように座っていた。
「それで……話って?」
「いやな、ちょっと前から気になってたんだが……何でそんなに雪咲に執着するんだ?客観的な考えで教えてほしんだが」
「……」
暫くの間無言の時間が続き、静寂が辺りを包み込む。一切冬望の目を見て離そうとしない皓と、視線を泳がせどう言い訳しようか考えている冬望。このまま平行線になっていくかと思いきや、冬望はそっと深くため息をつく。
「……このまま黙っているのも無理そうね、だけど一つだけ条件があるわ」
「条件?」
皓は首を傾げる。
「そう、”誰にも言わないこと”……これだけは約束して欲しいの。例え雪咲であっても」
「……分かった」
皓は思う所があるのか、静かに首を縦に振る。そして、冬望は小さくポツリと話し始めた。
一方その頃雪咲は、アメノウズメと共に次の街へ行くべくフェルナを旅立っていた。ゆっくりと歩きながら、話しながら歩いていた。
「それにしても、どうして歩きなの……?」
「ん~……早くあの街を離れたかったのと、偶にはこんなのもいいかなって」
「やっぱり……皆と居るのは嫌?」
「……」
雪咲はその質問には口にして答えはせずに空を眺めながら歩く、だがその様子を見ている限りでは何を思っているのか一目瞭然だった。
「……こんなの、永遠に繰り返していかなきゃ行けないのかな……」
そう呟く雪咲の瞳は、何処か思いつめたような感じだった。
次話では、冬望の思いが皓に……!
そして、雪咲に襲いかかる異変も……!?




