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チートを貰ったが、異世界では……。  作者: 月詠 秋水
第4章 アルステン王国編
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第37話 陰謀の渦中

この話でスカッともさせようとしてみたんですが、もう少しだけ続けてみます。


ですので、まだまだ胸糞は続きそうです。

「おら、ここに入ってろ!」


そう言って兵士は、雪咲を薄汚い牢獄の中へと蹴り飛ばす。何とか受け身を取るも、すぐに牢の扉は閉められ独りぼっちになった。グラン達はどうしているかは分からないが、無事であってくれと祈らんばかりだ。


どうしようかと悩みつつも牢屋の中を見渡してみる、だが近場には何もなくただの牢だった。日はそろそろ暮れる時間帯と言った時でも、雪咲は特に騒ぎ立てること無くひたすらに体力の回復に望んでいた。


ああ言う馬鹿には、何を言っても無駄……


その思いを必死に飲み込みながらも、一切動こうとはしない。兵士が残飯を持ってこようが一切手も付けず、夜中誰もが寝静まる時を静かに待った。刻一刻と時は過ぎ、やがて周りも見えぬ静寂な闇が辺りを包み込む。


「……」


周りに誰も居ないことを確認、その瞬間雪咲は地面に何やらを空で書き始める。只ひたすらに、だが手早く書き綴っていた。そして出来上がったものは魔法陣、それに魔力を通した瞬間淡い光を帯びる。こんな暗闇の中でやるのはハイリスクだが、人目が一人でも少ない夜中の方が好都合だと思った。周りにかなり警戒しているが、光どころか物音一つにすら誰も気にする様子はない。


魔法陣が淡い光を失うと、再び暗闇が辺りを包む。だがそこに居たのは雪咲だけではなく、見た目は雪咲に似て入るが狐耳や尻尾と違う所はいくつでも見つけられる。


「……呼び出したのは君か?」


想像していたのとは遥かに違う声、完全に女性の声だった。だが今は気にしていられる筈もなく


「今は時間がない、急いで契約してくれ」


と言うと、突然雪咲(?)は雪咲の手首に触れる。そして何をするのかと思いきや、そのまま鋭利な爪で手首を切り裂かれる。出血こそは派手で少し血の気が引いたが、特に命に別状は無い程度の傷口しか作ってないそうだ。


雪咲(?)は噴水のように飛び散る雪咲の血を浴びる、本当ならとっくにドロドロになっていたはずなのだが……浸透するかのように血の色は消えていき、飛び散った筈の血液もいつの間にか綺麗サッパリと無くなっていた。


「ふぅ……契約は完了したよ、ご主人様。私は何をすればいい?」


雪咲(?)は嬉しそうに微笑みながら訪ねる、少し考える素振りを見せその子の肩に手を置く。


「……見た目混乱するから、名前を付ける。少し狐みたいだし、今から君は”月狐”と呼ばせてもらうよ」


「月狐……?」


そう言って雪咲が上を見上げる、つられて月狐も上を見上げてみる。地下なので空は見えることはないが、それでも雪咲は空に浮かぶ三日月を思い描いていた。だが月狐には分かるはずもなく、ただ首を傾げるだけだった。


そして少し無言の時が過ぎ、雪咲は思い出したように懐からとあるクリスタルを月狐に渡す。


「……これは?」


「ちょっと面白いものをね」


雪咲は怪しげな微笑みを浮かべていたが、雪咲の指示通り月狐は魔法で姿を消し気配も隠して牢をするりと通り抜ける。そして、あのヒゲおやじの部屋へと向かうのだった。


~ヒゲおやじの部屋~


その頃ヒゲおやじは、娘2人……コーネリアとジュリアを両腕で抱きながらニヤニヤと、2人はとても複雑そうな表情で居た。勿論いかがわしい事なんて一切無く、ただまるで勝ち誇ったような腹立つ顔をしていた。


「しかし、あの雪咲とかいうクズ……まさかアルザースのクソと繋がっていたとは。しかも王印付きのギルドカードとは、これはまた随分と堕ちたものだなぁ」


大いに笑いながら酒を飲むヒゲおやじ、それに対してコーネリアもジュリアも一言もしゃべらない。……いや、しゃべらせてはくれないのだ。ただ複雑な表情を浮かべながら、黙っていることしか出来なかった。


「アルザースなんて陳腐な国なぞ、ただ英雄を世界に放っただけの役立たず。しかもただのガキだと言うじゃないか、傑作だな!魔王を倒した後帰るつもりだろうがそうはさせん、どうせなら一度異世界の女と言うものを味わってみたいんだよなぁ」


抑えることもせずただ一人で欲をぶちまけているだけのヒゲおやじ、2人は英雄と聞くだけで気が来じゃ無かった。何故ならば……ヒゲおやじの机の上には書類が、そこに書かれていたのは雪咲が国家転覆罪の首謀者という事を王印を押して絶対に仕立て上げるための紙。そしてもう一つは、雪咲の仲間の団員達の指名手配と賞金首に仕立て上げるための紙だった。


「お父様、何もそこまで……」


一度コーネリアはそういったのだが


「お前は黙ってろ!あんな生意気なガキもその取り巻きも全員生かしてはおくものか!」


と言って、聞く耳持たなかった。一方ジュリアは……


雪咲くん……雪咲くん……雪咲くん……


と、ずっと心の中で雪咲の事を思い続けていた。次第に雰囲気は少しずつ暗くなっていき、その瞳からは”生気”ではなく”執念”じみたものまで感じるようにすらなってきていた。

次話は、明日体調が良ければ上げたいと思っています。

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