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少年が、出会う?

あまりにも間が空いたのでこれでいいのかどうか……。

――ガイが掘り起こされてから(笑)10日。


「ガイ、少しは慣れたか?」


一輪車を押しながら隣に同じように並ぶガイに声をかける。


「ああ、一輪車で運ぶので、最初は筋肉痛が酷かったがな」


サルヤと併走するガイ。

早さでいえばこの中で一番サルヤが早く、デコボコ道でもバランスを巧くとって走り抜ける。

それに遅れることなくついて行くガイの方が異常だ。

2人に放されていくアコザはマイペースに一輪車を押しながら思った。掘削機は掘り進んだ分横に掘り出した土などをよけて進んでいく。

その横に避けられた分をスコップてすくう方と一輪車で運ぶ方とて別れて作業をする。

掘削機の所に戻ると何台もの一輪車に積み上げられた土の山があった。

回りにある分を積み上げて休憩している仲間に挨拶し、一輪車を交換し走っていく。

一日に何十回となく繰り返す作業が終わる頃には汗だらけになる。


「あ~。いい汗かいた~」


サルヤの声にゾロゾロと帰って行く人達と反対方向―掘削機の方からパイプをくわえた白髪のジーサンが現れた。



「今日も怪我人もなく無事おわったの」

「ヤソブさん、運転お疲れさんです」


ガイが声をかける。

ヤソブは掘削機の操縦を任されている運転手だ。サルヤ達か赤ん坊の頃から任されている筋金入りの運転手だ。


「サルヤにアコザ。早く運転を覚えて、ワシと代われ」

「ヤですよ!まだまだ頑張って下さい」

「小難しいのは苦手で…」


2人がばつが悪そうに頭をかく。


「新入りのお前はどうじゃ?」

「俺も機械関係は…ちょっと」


車の運転を習っ時にあまりのセンスの無さに他の人の3倍の時間をかけたことを思い出して苦笑した。

「仕方がないのう。最近の若いもんは…」


ヤソブはつぶやきながら、先に上がっていった。3人は点検をして上がっていくと、ハジマが待っていた。


「お前等で最後だな」


サルヤが頷くと、


「飯食って帰るぞ」

「酒もいいですか?」


意外と酒が好きなアコザが手をあげる。


「飲み過ぎないならな」


ハジマについて後からあがるガイ達に


「お~い、ハジマか?」


建物の影から、声がかけられる。見知らぬ声だ。

だが、その声に眉間にしわを寄せ反応したハジマは、


「生きていたのか?」


そう言って声の方を覗き込んだ。

さらに眉間のシワを深くしながら、


「アコザ、サルヤ、定食屋から、適当に詰めて食いもんもらってこい!酒も一緒にだ!おれに付けとけ!」


顔を見合わせる2人に、


「早くしろ!」


切羽詰まった声を上げたハジマにはじかれたように2人は走った。


「ガイは現場の休憩室から、治療薬を持ってきてくれ」

「いったい何が?」


覗き込んだガイは顔をこわばらせて、


「すぐ取ってくる!1人で大丈夫なの?」

「……ああ、」


現場に戻るガイを見て、自分以外人気がないのを確認すると、建物の影でボロボロになった傷だらけの男を背負い家にかけだした。――周りに気を付けながら。




「ハジマさん!買ってきたよメシ!いくらかオマケも貰ってきた!」


サルヤとアコザが袋を抱えて家には行っていくと、中には見知らぬ男をハジマとガイで治療をしていた。


「刃物で切られた傷、獣に襲われた様な傷。致命傷は無いけど、ヒドいですね」


「坊主、ありがとうよ。だけど、えらく治療がうまいな」

「ガイに感謝しとけ。俺だったら、包帯巻いてしまいだ」

「前に治療の仕方は一通り習ったんで」


ガイは野戦病院の仲間を治療するために医者にひっついて習ったん事を思い出して治療をした。


「傷口を縫い合わせるのもできるとは驚いた。医者でも出来ない奴もいるのによ」

「え?そうなの?」

「治療術を使える家系がそのまま医者を名乗るからな」


治療術は特殊な装置を使い相手の傷に働きかける力で傷を癒すことができる。

力自体は人は持っているのだが、微弱すぎて装置を持っていたとしても癒すことができない。

時折、その力が桁違いに高い者が生まれ、そんな者達が集まり一族として、世襲する事になる。そのため、権力の集中、度重なる内紛をえて、準貴族として3派に別れ、その下に分家としていくつもの治療術士がついている。


「だいたいは治療は終わったな。サルヤ……頼む」

「はいはい。少しまってね」


サルヤが手荷物をガサゴソとやり、何かを取り出した。


「そいつは治療術の……」

「オヤジの死に際に託された。辛気くさいから、直し込んでるけどよ」


それは、人差し指、中指、薬指に連なるようになったメリケンザックの様な物だった。

外に来る側には青い小さな宝石が十字を形作っている。


「よっしゃ、準備できた」

男の前に来ると、その額に手を当て、集中する。

サルヤの体から白く淡い光が発せられ男に移っていく。


「軽い傷ぐらいしか治せないけど幾分か楽なはずだよ」

「ありがとよ。しかし、治療術士なら、こんな所に普通いないはずだけどな」

「余計な詮索はするな。只でさえお前は厄介事ばかり持ってくるんだからな」


「わかった。わかった。変に詮索はしないよ」


男は幾分かましになった痛みにホッとした表情を見せ、


「オレは、ハジマの従兄弟で冒険家のミチービスだ。ミチでいい。少しの間やっかいになる」


これが、ガイにとってこの世界を本当に知る出会いとなった。

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