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少年が掘り返された日(?)

他の書いてるものの息抜きに書き始めました。内容は変わるかな?

巨大な掘削機が岩を砕き、掘り進んでいく。

砕かれた岩の破片を一輪車に乗せ、掘削機が来た方向に人力で持ち運んでいる。

運んでいく先には口を開けたミミズが待っていて、運ばれた岩や土が人まで飲み込めそうな口の中にひっくり返されていく。

何十回とそれを繰り返していくと、ミミズが口を閉じ、ズルズルと這っていなくなる。

「仕事が終わったぞ~」

拡声器で叫んだ作業服の男はこの場所の監督で、名をハジマという。

「下手した奴はいないか~」

戻って来る人たちに呼びかける。

「いないっすよ。ハジさん。一応、新入りが一周りして見てきてるみたいっす。最後の見回りっす」

「お前は行かないのか?サルヤ?」

声をかけてきた、16才くらいの栗毛の髪をした少年を睨みつけた。

「新入りに奥の方を見に行ってもらって、おれはその辺を見てきたから早かったっすよ」


ゴチン


げんこつが頭に落とされた。

「~~~っ!」

声もなく頭をおさえうずくまるサルヤをみて、

「一人で行かせんじゃねぇ!何かあったらどうすんだ!」

しばらくして頭を撫でながら起き上がったサルヤに、

「とりあえず見に行くぞ!ついてこい!」

責任者として指導者として、サルヤを連れて奥へと向かった。

「おかしいっすね。もう鉢合わせてもいいんすけど」

「そうだな。掘削機もあるし、今日掘った所だろ?」

二人して周りを探していると、

「ハジマさん~。サルヤ~。こっち来てくれ~!」

サルヤと同じくらいの少年が手を振って呼んでいる。

「アコザっ何してんだ?」

ハジマとサルヤが走りよると、土の中からでている手足を掘り返しているアコザがいた。

「おい、急いで貸せするぞ!」

慌てた二人も掘り返して、その人を助け出した。

サルヤか運んできた一輪車に乗せ、三人で急いで運ぶ。

「でも、だれだ?こいつは?」

ハジマのつぶやきは口の中で消えた。


休憩所に連れて行くと、助け出した人の服装が自分たちが着ている作業服とは違い、土で汚れてはいるが水色のシャツに同じく水色のズボンを着ている事に気づいた。

「なんかコレ、パジャマみたいっすね」

サルヤが言うようにパジャマのようだ。

靴も履いていない。現場には安全靴を履かなければ足を怪我する時もある。不用意に外れないようにきつく縛っておくのが常識だ。

「肌の色黒っぽいな」

現場に働く者達は例外なくしろい肌をしている。土で汚れたとしても、こんな焦げた色にはならない。

髪の毛は銀色で肩まで伸びている。

眉も同じ色をしている。

「目、覚まさないね」

アコザが汚れた顔を濡らしたタオルでふきながら、つぶやいた。

顔についた土をあらかたふき取り、タオルを洗いに行こうとした時、寝ていた体が跳ね起きた。

びっくりしたアコザの持っていたタオルがサルヤの顔を打ち、うずくまった。



(ここは?)


灰色の天井と10人ほどはいるといっぱいになりそうな部屋。その中に3人の男がいる。

一人は180を超える身長に黄土色のつなぎを着ている肩幅も広い強そうな外見をしている。口元に髭が生えている。髪は黒く目は濃い紫色をしていて鋭い。

あと2人は自分とあまり変わらない年のようだ。栗毛の髪をした方と赤毛の方。身長も同じくらいで170あるか無いか。

栗毛の方は目が細く、すっきりした顔立ちをしている。

赤毛は目が少し大きい。どちらもやはり濃い紫の目をしている。

「大丈夫か?」赤毛の子が聞いてきた。

「目が違うっすネ?黒?緑?」

その後ろで年長の男は睨むような困ったような表情をしている。


(どこの誰だ?その前に同じ人間か?)

ハジマは内心の混乱を少年を観察しておさえようとする。

髪の色も瞳の色も見たことがない色をしている。王都には、黄金色に輝く髪を持つ支配階級の貴族がいるらしいが、そんなものとも違うような気がする。

「なあなあ、名前は?言葉わかる?」

サルヤは持ち前の軽さで話しかける。

「セ・ガイ。ガイでいいよ。それにしても、ここはどこ?」

「ここはオケラ採掘場の休憩所だよ」アコザが答える。

自分たちと違う外見を持つガイに興味深々の目で見ている。2人に任せると話が別の方向へ行きそうなので口をはさんだ。

「ガイでいいのか?俺はここの現場監督でハジマと言う。2人は、アコザとサルヤだ」

2人も自分の名前を伝え忘れていたのか照れたように挨拶をする。

「ここには普通作業員だけしか入ることはできないんだ。なのに君は、あんな場所で土に埋もれていた。どうやってあんな場所に入ってきたんだ?」


(あれ?なんでここにいるんだっけ?)

目を覚ます前の事を断片的にしか思い出せない。

頭を捻る様子におかしなものを見るような3人顔を見合わせた。

それにすら気づかずに、自分の目覚める前の事を思いだそうとする。

思い出す途中で腹の底からムカムカしたものが湧き出してきて、それに焦点を当てると鮮明に目覚める前に何があったのか思い出した。

「ウガ~ッ!アノヤロ~どこ行きやがった!」


(ナニナニ?なんでわめきだしたん?)

少しびびったアコザが目を丸くして見ていると、

「俺のそばに誰かいた?」

3人を見ながら聞いてきた。

サルヤが第1発見者のアコザを押した。

押されたアコザは、

「土の中に埋まっていたから…他には何も…」

「埋まってた?」

ハジマの最初の説明にあったが聞き流していた言葉に疑問を持ったが、

「1人だけ置いてけぼりして行きやがって!ゼウスのヤロ~」

感情だけが暴走し頭をガシガシとかきむしった。

(なんかオモレー)

その様子にそんな感想を持ったサルヤは心の中でオモロー3級を送った。少しの間なにやらブツブツとつぶやいていたが、

「戦争はどうなった!終わったのか?」

思い出した大変な事に気づいて質問するが、


「戦争てなに?」


サルヤの声にポカーンとした顔になったガイは、

「イヤイヤ、でっかい戦争になって、皆かり出されて……」

「そんなものはずーっとないぞ」

ハジマの言葉にさらに目を丸くする。

「俺が生まれる前に待遇改善の要求を飲まなかったからって小競り合いがあったくらいだがな~」

ウ~ンと思い出しながらハジマがつぶやいた。

「ずーっとて、あのアホに変な薬打たれて、いつまで寝てたん?」

「ちなみに今はアース暦399年の12月24日だよ」

「暦しらね~っ。それにクリスマスじゃんか」

「「クリスマス?」」

クリスマスの意味がわからずに?マークをつける3人。


(前に、異世界に飛ばされる本を見たが、自分がそんなものに巻き込まれたのか?)

頭を抱えるガイを見て、

「ここにいても仕方ないから、上に戻るぞ」他の2人に声をかけ、

「ほら、飯ぐらい食わせてやるから来い」

そう言ってガイを連れ出した。

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