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現実奔走日記  作者: 黒猫の凜


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3/3

ハナの生活③ ハロとお出かけする日

今日は、ハロと一緒にお出かけすることになった。


電車で4駅ほど移動すると、全国的に有名なショッピングモールがある。

綺麗で広々としていて、そこに行けば大抵の物は揃う……ただし値段は要確認。

正直、服とかは近所の店で買った方がお財布に優しい。


……


1車両につき7〜8人しか乗っていない、座り放題の電車に揺られて移動する。

そういえば、この電車は何年もの間、赤字続きらしい…

前にニュースで言ってた。

そんなことがあるのかは分からないけど、もし電車が無くなったら通勤も買物も非常に困る……


ハロは電車に乗ってると、立ってても座ってても揺れに耐えられない時がある。

なので、空いてる時は一番端の座席にハロ、その隣に私が座って、倒れるのをガードしていた。



「ハロは今日、何か買う予定あるの?」


「んーと…来客用の紅茶…とか?」


「………ほう」



来客用の紅茶…?

予想外の返答に、ちょっと微妙な反応をしてしまった。


別に、来客に紅茶を出すのは普通だ。

ただ、いつもの“常識に囚われない料理”を見ていると、普通の発想をする時もあるのかと少し驚いてしまったのだ。



「もしかして…家にあるティーセット、使ってみたくなった?」


「うん…」



なるほど…

我が家には、引っ越しのお祝いで貰ったティーセットがある。

そしてそれは、引っ越しから半年経った今も未使用のままだ。


ハロは“来客用の紅茶”なんて言ったけど、我が家に来客なんてほとんどない。

でも、凄く綺麗な柄のティーセットだし、一度使ってみたくなる気持ちは分かる。

せっかくハロがその気になってるんだし、今日は良さそうな紅茶を探してみようかな……



……



電車を降りると、ハロがまだ少し横揺れしていたのでエレベーターに乗り込んだ。

“コンコースへ…まいります”

というアナウンスが流れて、箱が動き始める——


“コンコースってなんだ……?”


脳内で、そんなぼんやりとした疑問が浮かび、心の中がむずむずした……

私は、いつもこんな風に小さな疑問が浮かんで、小一時間は気になってしょうがなくなる。


多分、改札階の事を指してるんだろうけど…

・正確にはどういう場所をコンコースと呼ぶのか

・なぜ定着していない呼び方を使い続けているのか

その辺りが気になってしょうがない…。


最近話題になってる対話型AIは、こういう疑問にもすぐに答えてくれるらしい。

正確性に欠ける場合もあるみたいだけど、私の場合はとりあえず疑問を解消したいだけなのでメリットが大きいかもしれない。


今度、スマホに入れてみようかな…?



……



開店直前のショッピングモールの入口には10人前後のお客さんがいた。

その10人前後も、開店と同時にそれぞれお目当ての店へと散らばっていく。

広々とした建物内では、もうお互いに顔を合わせることもないかもしれない…


私もハロも人混みが苦手なので、お出かけの時は朝一番の空いてる時間を選ぶ。

あと、ハロの為に、座って休憩できる場所も必要だ。


……


ハロは昔から身体が弱くて、入退院を繰り返していた。

ここ数年は安定してるけど、お出かけの時は体力面での不安がある。

日頃の観察のおかげか、最近は、どれくらいで休憩を挟んだらいいか分かるようになってきた。



「2階のベンチで少し座ろっか。私、紅茶を置いてるお店、検索してみるよ」


「うん…そうする」



お互いに軽く顔を見合わせた後、目の前のエスカレーターに向かう——


“のぼりのエスカレーターでは私が後ろ”

これは、ハロがふらついたら支えられるようにだ。

こんな風に、私の生活にはハロが自然と溶け込んでいる。

別に大変だと思ったことはないし、むしろ心地良い。


……


沢山のベンチが置かれた休憩スペースで、自然とハロを端に誘導して隣に座った。

…いや、電車みたいに揺れはしないんだから、これは必要なかったかもしれないけど。



スマホでショッピングモールのサイトを開き、店舗一覧を眺める——


なるほど…

現在、ショッピングモール内の専門店は134店舗。


ここから、紅茶を置いてそうな店を絞り込んで……

あ…商品から店舗検索はできないのか。

じゃあ置いてそうな雰囲気の店をスクロールしながら探して………


——あれ?これ、すごい大変な気が……



「ねぇハロ……」


「……どしたの?」


「…ちょっと長めに休憩しよっか。」


「……うん」

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