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サーカス団の夫婦

3日目。

朝起きると先生が形代を作っていた。

昨日の山姫撃退に使ったからだろうか。

「先生、おはようございます。今日はどのようなご予定でしょうか。」


「おはよう。今日こそサーカス団に向かうつもりだからよろしく。」


「承知しました。」

軽く先生と会話をした後、渡辺さんを起こしてサーカス団へと歩いた。

山姫は撃退したが、どのみち車は通れないらしい。

サーカス団まではちょうど10分でついた。

イメージしていたテントのような所とは違い、立派な御屋敷が建っていた。


「つきましたね。」


「なんか雰囲気重いよねえ。」


「ここ、えげつないかも。」

先生が言うくらいだ。本当にえげつないのだろう。


"ピーンポーン"

先生が緊張した顔でインターホンを鳴らした。


「はい。」

野太い男性の声が返ってきた。


「警察の者です。事前に向かうとお伝えしましたが、今お時間空いていますでしょうか。」


「あー、お電話の。今門を開きますね。」

想像していた返事とは違い、すぐに家へ入れてくれた。


「おじゃまします。」

家へ入ると女将さんらしき人が緑茶を用意して待っていた。


「お気持ちは嬉しいですが、規則上飲むことができず申し訳ございません。」

言うか迷っていると、渡辺さんが丁寧にお断りを入れてくれた。


「あ、そうでしたか。そうとはつゆ知らず、こちらこそごめんなさいね。」

見た感じ毒は入っていなさそうだし、余計に申し訳なくなった。2人が来ていなかったら自分はこっそり飲んでいただろう。


「いえいえ。では、本題に入りましょうか。」

流石渡辺さんだ。切り替えがはやい。


「そうですね。私は席を外させていただきますので、どうぞごゆっくり。」

渡辺さんと先生は軽くお辞儀をすると、先程の男性に軽く自己紹介を始めた。


「改めまして、お電話でもお伝えしました通り私達は警察からやってまいりました左から順に中村、渡辺、小林と申します。これからいくつかの質問に答えてもらいたく訪問させて頂きました。本日はよろしくお願い致します。」

普段の渡辺さんからは想像できないきっちりとした挨拶だ。

これには相手も少し緊張したようで、遠慮がちに自己紹介を始めた。


「えと、私は遠藤まさると申します。この屋敷の主人兼サーカス団のリーダーをやらせてもらってます。先程のは妻でして、いずれかはこの屋敷も任せる予定です。本日はお願い致しますね。」


「では始めに…」

「…ありがとうございました。」

質問は昼から夕方まで続き、特に不審な点はないと判断された。


「もう遅いですし、よかったら泊まっていきます?」

女将さんが言った。


「いえ、車もありますし大丈夫ですよ。お気遣いありがとうございます。」

流石に泊まるわけにもいかず、ありがたいがお断りした。


「では、本日は貴重なお時間をありがとうございました。」

渡辺さんはそう言うと、僕達を帰るよう促した。

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