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第13話

沢山の閲覧、並びに評価やブックマーク等、ありがとうございます。



12話で「日曜日のバイトが休みになったから」を「土曜日」に変更しました。

現時点で予約投稿文を全て載せ終わったので、これからは書き終わり次第順次投稿と言う形になると思います。


なるべく早い更新を心がけますので、楽しんで行ってくれると幸いです。



 温泉を堪能した私と千春さんは、部屋に戻ってご飯を頂き、食後にたっぷりと休憩を取った後、部屋についている露天風呂に入っていた。


 もう何度も見ているのに、千春さんの体を見る度に溜息が漏れる。

 スラリと伸びた足、ほっそりた腰、大きいが、下品には見えない旨。

 白い肌が月明かりに照らされ、体の水滴が輝いている。


「綺麗だなぁ」


 なんて零せば、千春さんはくすりと笑って私を抱きしめた。


「瑞希は可愛いわ」


 抱きしめられた私の頭は瑞希さんの大きな胸の形を変える。

 温泉に浸かると、外の寒さから解放され「ほぅ」と息をついてしまう。


 二人で入っても足は伸ばせるし、広さもある。

 だけど千春さんは私から離れようとしない。

 食事の際に飲んだお酒のせいか、ほんのりと頬が赤く、お酒の匂いがする。


 視線が合うと、自然と唇を合わせていた。


「んっ……」


 千春さんが角度を変えて何度も私の唇を奪う。

 そのたびに漏れる吐息が体を暑くさせる。

 ぱしゃ、と水音と立てながら千春さんが体勢を変えた。

 私の背中が千春さんの正面にくるように抱きかかえられると、背中から肩甲骨、肩、うなじへと愛撫される。


 くすぐったさに身を捩っても抱きかかえられているため、逃げられない。

 しかし私も、くすぐったいだけで、嫌だから逃げたい訳ではない。


「く、くすぐった、あっ」

「可愛いよ、瑞希」


 耳元で囁かれる言葉一つ一つに体が反応する。

 千春さんの手が私の胸へと伸びてきた。

 私の胸は千春さん程大きくないし、同学年の女子生徒の中でも小さい方だ。

 

 そんな私の胸は、以外と大きい千春さんの手に収まってしまう。

 そして私は、露天風呂をろくに楽しむこともできず、千春さんに弄ばれ続ける。

 流石にそれは嫌だったので抵抗しようとしたら、すっと千春さんが私から離れた。


「続きは後でしましょうね」


 体一つあけて移動した千春さんは満足した様子で月を見上げて微笑んでいた。

 私とは視線を合わせようとせず、それでもお湯の中で手だけは繋ぎ続けた。



 部屋に戻ってから、千春さんは髪を乾かしている私を邪魔するかのように抱きしめた。


「ちょっ、まだ髪乾いてない」

「よくドラマとかでもお風呂上りのシーンってあるけど、あぁ言うの見ると疼いちゃうのよね」

「も、変態じゃないですか」

「酷いこと言う子にはおしおきしなくちゃね?」


 結局髪は乾かせず、千春さんの満足いくまで弄ばれ続け、気が付けば朝になっていた。

 

「千春さん」

「なに?」

「なんか今日変だったよ? いつもはあんな事にしないのに」


 いつもなら私ももうちょっと元気がある、しかし今の私はボロボロだ。

 身じろぎひとつするだけで気怠さが襲ってくる。

 それに、千春さんは行為の最中あまり話さない。

 それが今日はどうだろう、卑猥な言葉を使い、精神的にも私を抱いていた。


「言ったでしょ、我慢してたって」

「それにしたって、やりすぎでしょ……起きるのも辛いんだけど」

「なら起きなきゃいいじゃない、日曜日なんだし、お昼までゆっくりしましょ」

「朝まですることもなかったよね」


 返事はなく、少しの沈黙の後、千春さんは「嫌だった?」と聞いてくる。

 それに私は首を振って返した。


「嫌じゃないよ、ただちょっと、てか大分びっくりはしたけど」

「良かったわ、ちょっと激しくしすぎたと自覚はしていたから」


 確かに激しかった、その分気持ちよかったのは否定しないが。

 普通、恋人相手でもここまでされると怖がったりすると思う、だけど私が千春さんに対して一切そういう感情を抱かないのは、私が千春さんを心底好きだからだろう。

 それに、私を抱いていた千春さんからも、私を好きだと言う感情が伝わってきた。


 前に千春さんは「私の愛は重いから覚悟しなさい」と言った。

 私は最初、どんな事をされるのかと身構えたりもしたが、普段の生活の中で千春さんからそう言った「重い」と感じる感情を受け取ったことはなかった。

 夜は、確かに思ったことがある、でもそれを嫌だと思ったことは無い。


「今日のは激しくてちょっとキツかったけど、千春さんからたくさん好きって想いが伝わってきて私は幸せだよ」

「瑞希……あぁ、本当に……貴女が私に恋をしてくれてよかった、瑞希……これからもずっと、傍にいてね」


 当然だよ、と返事をして、私は千春さんの布団に潜り込み抱き付いて眠った。

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