第4話 ガイドブックはどこまで信用するべきか
今日、ある会員証を更新したのですが、このシリーズ書いてたせいか、住所確認のためなのに最初クレジットカードを出してしまった…。あ、実際の買い物ではクレジットカード精算しました。
「で、なんでお兄ちゃんと同じ部屋なの?」
「さあ…。同室でいいと思われたのか、部屋に空きが少なかったのか」
「まあ、ベッドがふたつのツインルームだから別にいいけど」
妹のカード確認がなかったから変だなー、とは思ったんだけど。
ツインルームとダブルルームの違いってわかりにくいよね。異世界だけど。
「着替える時は出てってね」
「そりゃそうだが…何に着替えるんだ?」
「あ」
妹は荷物をほとんど持っていない。出国審査は荷物預けの後だったということで。
つまりは、衣類の類がほとんどない。俺はリュックに全部詰めてきたからあるけど。
「ずーるーいー」
「今日はもう遅いし、明日街を散策して服買おうぜ。買えるかわからんが」
「下着、売ってるかなあ…」
あー、少なくとも日本でよく見るタイプのものはないだろうなあ。
おい、リュックを漁るな。俺だってそんなにないぞっ。つーかお前、トランクスでいいのか。
とりあえず、くしとかの共有に留めた。歯ブラシやタオルは妹も手提げに入れていたしな。
「しかし、ひげ剃りはどうするべきか…。せっかく電池式を持ってきたのに」
「1週間くらいならもつんじゃない?それまでに帰還できればだけど」
「おい、フラグ立てるな。とはいえ、毎日剃るのは避けるか…」
電源コンセントと違い、乾電池は世界共通仕様なのだが、地球共通仕様でしかなかった。
それは、USB充電でも同じである。したがって。
「あ、スマホのバッテリが切れた」
「携帯回線使えないのに、何いじってたんだ?」
「ラノベの電子書籍。異世界転生モノ。やっぱり参考にならなかった」
うん、タグ設定は確かに重要だな。
◇
すっかり日が沈み、宿の部屋は真っ暗になる。
電灯らしきものは手探りで触れるが、何をどうすればいいか全くわからない。
「相変わらず読めない文字が書かれていたから放置していたけど…うーん」
「魔道具っていうやつかなあ。そもそも、あたしたちに使えるの?」
「さあ…って、うおっ」
小さな宝石のようなものに触ったら、水晶玉?が光を放った。すぐ手を離すと、数秒で消える。
念を込めるようにしばらく触っていたら、今度は数分光り続けた。…ちょっとだるい気分?
「そう言えば、魔力があっても魔法が使えるとは限らないってラノベで」
「もう突っ込まないぞ。でも、そうかもなあ。どうすれば魔法使えるかわかるんだろ」
「冒険者ギルドで測定?教会でスキル授与?経験値がたまってアナウンス?」
ラノベ万能説完全崩壊。もともとあまり役に立っていなかったが。
しかし、カタコトでも言葉や文字がわからないとこんなに苦労するとは。先行きが不安である。
「あ、ねえねえ、あたしがちょっと触ったら、それだけでずっと点いてるよ?」
「なん…だと…」
タグ設定といえば、短編ラストのネタは(ハイファンタジーではなく)ローファンタジーになるんですよねえ。第2章はどうしようか…(つまりはまだ決めてもいない)。