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パスポートとクレジットカードがあればなんとかなるのは異世界でも同じなのか【連載版】  作者: 陽乃 優一
第2章 ギルドカードがあればなんとかなるのは地球でも同じなのか
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10/10

第1話 現地の情報を現地で収集するのは意外と難しい

とりあえず、第1話だけ書いてみました。続きは完全未定。エタるかな…。

 交番に着いた俺達はネコ耳少女の知り合いだと伝えたが、それだけでは済まなかった。

 言葉も通じず挙動不審なところを『保護』したため、警官達は身元を確認したいらしい。

 少女の手に見えるのは相変わらずクレジットカード。どうしたものか。


「…○○!?△×◇◇○!」

「これって、『お金ならありますから怪しくありませんよ!』って感じなのかな」

「身元不明よりも文無しを疑われていると思っているのかな?あ、そうだ」


 俺自身の確認に使うかもしれないと持ってきたパスポートを少女に見せる。

 少女は意図がわからない様子だったが、気づくとギルドカードがパスポートになっていた。

 どこから見てもヨーロッパ某国のパスポート。いやホント、これどういう仕組みなんだ。


「すごいね、ちゃんと査証欄に日本入国シールが貼ってあったよ」

「氏名もアルファベットになっているけど…発音がわからん。生年月日はわかるか」

「あ、あたしと同い年なんだ。よろしくー」


 ようやく解放された少女を、俺の住むマンションに連れて行く。

 いやあ、引っ越していて良かったよ。実家じゃネコ耳はコスプレと言い続けるのも難しい。

 服を着替えて帽子をかぶれば、この辺では珍しくない外国人観光客に見えるだろう。


「わー、あたしの服がピッタリ。パジャマもこれ使って。今夜は一緒に寝ようねっ」

「妹の衣類一式がなぜウチにあるのだろうなあ…」

「個室とベッドだけだと不便じゃない。あ、追加の服購入よろしく。手持ち少ないのー」


 お前だって向こうの世界で稼いだだろうに。振込口座直結のデビットカード使え。


◇


 しばらく外に連れ出すのは避けたかったので、夕食はマンションで自炊した。

 ラノベ異世界人がもれなく大好きでおなじみの生姜焼き定食風にしてみた。


「□×□!?○○△○×!!」

「そうだろう、そうだろう。まー、あの世界の食事と比べたらなあ」

「そして、デザートの定番はバニラアイスだね!」


 元の世界に戻る時には、塩・胡椒と各種タレをお土産に持たせよう、うん。

 タレはともかく、塩・胡椒は財産にもなるだろうからな、あっちの世界では。


「今度も、3か月ほど帰れないのかな」

「あたし達の時に直したはずの仕組みがまた誤動作したわけだからねえ」

「しかし、この娘がこうして困っているの見ると、俺達よくやっていけたよな」


 ギルドカードがパスポート代わりになったのは確かに助かったけど、それだけじゃなあ。

 俺達の時も門番や宿屋で戸惑ったけど、ふたりであれこれ試してなんとかうまくいった。

 俺か妹のどちらかひとりだけだったらと思うと…いや、妹はひとりでもなんとかしたかも。


「まあ、帰れるまでこのマンションに住めばいいよね。がんばってね、お兄ちゃん」

「あの世界で稼いだお金を少しだけ還元するようなものだし、それはいいんだが…」

「ああ、お兄ちゃんがこの娘に手を出すなんて心配は全く考えてないから」


 そう言い切る妹。兄を信頼してくれるのは嬉しいが、その信頼の根拠がなあ。

 あっちの世界で3か月暮らしていた間にいろいろあった、とだけ言っておこう。


◇


 平日の間は俺も大学で不在にするため、少女がひとりマンションに残ることになる。

 トイレや洗面所、冷蔵庫の他、TVやゲームの使い方も身振り手振りで教えておいた。

 TVひとつとっても感激していた様子だったので、少なくとも数日はもつだろう。


「外国旅行で地元TV観るのも面白いよな。言葉わからなくても結構楽しめる」

「それでホテルに引きこもっちゃうと本末転倒だけどねー。ラジオで音楽もいいかも」

「最近はネットでも見聞きできるけど、旅先の風景に合わせて鑑賞するのがいいんだよな」


 とはいえ、番組によっては誤解されそうだけど。SFとか時代劇とかシャレにならんかも。


「今度の週末には外を一緒に歩こうよ。やっぱり直接見てもらった方がいいんじゃない?」

「だなあ。窓からの風景にも限界はあるし」


 転移から3日ほど経った頃、俺が帰宅すると、ネコ耳少女がやってきて耳を指差した。

 なんのことかわからなかったが、次の瞬間、耳が消えた。え、もしかして魔法?

 耳があったところに手を近づけると、そこにある感触があった。幻影魔法なのか。


「TVで見て、ネコ耳がある人間が皆無に近いことがわかったのかな」

「○○…△×○?…××」

「ん?まだ伝えたいことがある?」


 身振り手振りでは限界があるので、紙とペンを持って絵を描くよう促してみた。

 そうすると、絵というよりは記号だったが、人を書き始めた。3人?


「××…○○、××!」

「君と俺達の3人のことかな。やっぱり出かけたいのだろうか…ん、違う?」


 俺と少女を交互に指差しながらそう言ったが、首を振った。

 少女は追加で、3人が川から流れてくるような図を描いた。


「…まさか、他にも2人、こっちの世界に!?」


 天使っぽい人ー!最初に伝えてー!

ちなみに、日本の(日本人以外に対する)入国審査ではスタンプではなくシールが貼られます。『Japan landing permission』でGoogle画像検索するとどんなものか見られます(うんちく)。

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