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【第三部 王の居場所】境界のウィル ~王都の騎士団に拾われた少年は、自分が何者かを知らない~  作者: 文木あお
プロローグ

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第0話 プロローグ

 眩しさを感じて目を覚ました。

 覚醒と同時に強烈な頭痛が襲いかかってくる。


「ぐうぁああ」


 耐え難い苦痛に頭を抱えてのたうち回った。

 荒い息を吐きなんとか体を起こす。


「薬を……」


 頭痛薬を求めて、痛みの中薄く目を開けた。


「な、え……」


 何もない。

 そこは見渡す限り、何もない空間だった。

 目に映るのは広大なのかもわからない真っ白な空間と、血の赤。

 掌がべっとりと血に濡れていた。

 赤い指先が小刻みに震えている。


「なん、なんなんだよ、これ……」


 わけのわからない場所と、血まみれの自分に恐怖し体が飛び跳ねた。

 尻に鈍痛が走り、体は仰向けにひっくり返る。

 目があった。

 天から巨大な目がこちらを見ている。


『ようやっと捕まえたか』


 声が上から降ってきた。

 呆けた顔で巨大な目を見る。

 立て続けに驚かされると、人間は思考が止まるようだ。


『お前は死んだ。それはわかっているな』

「え、あ、俺……」

『そしてお前は運がいい。飛び去る魂を私に捕まえられたのだ』

「あ、ああ」


 運がいい、など言われたことがなかった。

 運が良かったなど、今まで一度も感じたことがない。


『お前に新たな生をやる。そこで私の与える使命を果たすのだ』

「生き返る……のか」


 そもそも言われるまで自分が死んでいるなど、自覚はなかった。

 だが、生き返れるなら……確かに運がいいかもしれない。


『生き返るのではない。生まれ直すのだ。その穴の開いた頭ではなにもできまい。そんな体は捨てていけ』


 巨大な目の眉間から、何かが降ってきた。


『これを持っていけ。お前に与える力だ』

「力……」

『力を使い使命を果たせ。忘れるな。使命を果たすのだ』


 巨大な目が突然消失し、世界も暗転した。

感想やリアクション、お待ちしております。

☆☆☆☆☆評価や、ブックマークもぜひよろしくお願いいたします。


Xやってます。

@fumikiao

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