表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オキュパイド・アース ~占領下の地球~ 原案  作者: 振木岳人
黙示録の4騎士編
38/77

プロジェクト・フォー・ホースマン(Four Horsemen)




同時刻、場所は日本国コロニー3【中京】

国連軌道宇宙軍所有の病院、その奥の奥にある研究室。


エリオット・コバヤシ中将による、全世界同時中継が終わり、番組は通常放送に戻る。


しかし、番組内容はドラマではなく、緊急報道特番に切り替わり、

アナウンサーやニュースキャスター、解説者や「その筋」の専門家が

スタジオに一同に介し、喧々囂々と大騒ぎをしている。




メリル少佐「なかなか…、上手い構成になってるな」




堂上「あからさまだろ、見てるこっちが恥ずかしくなる」




レイコ「あからさま?何があからさまなの?」




情報戦略担当の堂上特務大尉、メリル少佐、そしてメリル少佐の友人であるレイコ・F・ムナカタ。

三人は記者会見よりも、どうやらその後に放送されている、民放の緊急報道特番に注目している様だ。




堂上「この番組は、メリルの【仕込み】。

マスメディア全般に対して、世論を地球奪還作戦賛成に誘導させる作戦の一環だ。

この番組構成…反対派の妖しさを際立たせて、視聴者の心象を悪くさせ、

地球奪還は正義だと印象付けさせる様に、メリルが画策した」




レイコ「なるほどね」




メリル少佐「画策とは失礼な(笑)いずれにしても、地球には還らなきゃならないのに、ね♪レイコ」




レイコ「そうだな、地球には還る。何がなんでもだ」




レイコの瞳に一点の迷いは無い。

そんなレイコを頼もしげに見詰めるメリル、堂上は彼らしくモニターを見詰めたまま。




レイコ「メリル、頼みがある」




メリル少佐「カオル君の事でしょ?あなたは絶対そう言うと思って、手配済みよ(笑)」




レイコ「ありがとう、助かるよ♪」




堂上「何だよ、何の話だ?」




メリル少佐「私とレイコ、来月は【全天候揚空護衛艦リスキー・ビスキー】に乗ってるから、

後はよろしくねって事よ♪」




レイコ「メリル、あなたまで!?」




メリル少佐「リスキー・ビスキーには人類を救う鍵がある。あなたと一緒に、それを守るわ」




堂上「99式APE4機の事だな?さて、約束通り、俺にも教えろよ」




この後、


堂上は約束通り、「プロジェクト・ゴーホーム」に関わる最重要機密事項の一つ、

【プロジェクト・フォー・ホースマン(Four Horsemen)】の真相を、メリルから聞く事となる。




そして、エリオット・コバヤシ中将の記者会見が終わった後の、リスキー・ビスキー。

国連軌道宇宙軍、日本国教育実習艦リスキー・ビスキーでは、船内のあちこちで大騒ぎになっていた。


「戦争だ!」


「隕石で人類滅亡!?」


「敵は【物体E】!」


「地球へ還る」


「地球へ!」




カオル「地球奪還作戦っ!!」




もちろん、食堂にいた教育実習生達も、騒然としていた。




カオル「地球奪還作戦だよ!」




ショーン「わかった、わかった(笑)」




ミカ「だから…APEって、大気圏降下訓練してたんだ」




カスミ「やだな…、私達に出撃命令なんて、来るのかしら?」




ヒロノブ「そうだね、僕らまだまだ実習生1年だし…」




リンダ先生「不安になるのも分かるけど、今はあまり気にする事じゃないわ。

それよりも、目の前にある、与えられたチャンスを、しっかりこなさなきゃ」




エレノア「どっちにしても、真剣に実習受けないと、後で困るのは自分自身よ。

死んだ後じゃ後悔出来ない」




恭香「どっちに…しても?」




エレノア「さっきの会見…。人類側の切り札は、空中要塞アーシラトとAPEだったわね」




ショーン「ああ、そうだ」




エレノア「あれは結局、物量の凄さを見せただけ。つまり、裏を返せば【物体E】に対する絶対的有効打が無い。

【物体E】に効く本当の切り札が無いから、物量を投入して、消耗戦の我慢くらべをするしか無い」




リンダ先生「…エレノア」




エレノア「いいこと、私が考えるに、人類に早期の勝利は無い。

それどころか、疲弊しきって作戦中止。…そして人類滅亡もありえる」




恭香「エレノア…怖いよ」




エレノア「みんな、今のうちに…とにかく今の内に、覚えられる事は全て覚えなさい。

考えたくないけど、必ず私達の出番はある。死にたくなかったら…!」




エレノアの肩に、背後からカオルが、優しく手を乗せる。




カオル「ありがとうエレノア、気持ちが引き締まったよ♪」




エレノア「カオル…」




恐ろしい未来を口にしていたエレノアも、実は肩が震えていたのだ。




カオル「大丈夫!僕が頑張る!みんなを守るって決めたんだ、だから大丈夫!」




不安の色を隠さない、教育実習生達。そんな仲間を鼓舞するカオル。

必要以上に力んでいる事から、カオル自身も実は、不安に苛まれている事は事実。


先ほどエレノアが言った「【物体E】に対する絶対的有効打が無い」と言う言葉。

確かに、今現在の人類の現状を、本質を見事に見抜いていた。

しかしその裏に、本当に存在する、「【物体E】に対する絶対的有効打」。

人類の切り札の存在が隠されていた事には、気づいていない。

もちろん、それを知っているのは、ごく限られた人々だけであり、エレノアが知る由も無いのだが、

ただ、エレノアの身近な場所に、もっと言えば目の前に、

「【物体E】に対する絶対的有効打」が4人もいる事に気づくのは、

まだまだ気の長い、時間の経過が必要であった。


時間の経過と、血の量と、悲しみの量が必要であった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ