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第1話

「いくよ優香(ゆうか)!」

「まかせて麗奈(れな)!」

夕方の空き地で、二人は息ぴったりに飛び上がった。

「「おりゃーーーー!!!」」

怪物に強烈なキックを食らわせた。

「グオオオオオオオオオ!」

怪物は体を貫かれ、光となって消滅した。

「ふぅ、疲れたー」

二人は変身を解除し、麗奈は少し息を切らしながら優香に話しかけた。

「下校中に出るのは…ちょっとやめてほしいかも」

「いやほんとそれなー…宿題やらなきゃいけないのにー」

「いつまでのやつ?」

「明日」

「どこまでやったの?」

「そりゃもちろんまっさらよ」

「それ別に戦い関係なくずぼらなだけじゃん」

「まあ徹夜してやればいいだけだから大丈夫だってー」

「それでいいならいいけど」

「優香は終わってるんだよね?」

「…見せないよ?」

「え、なんでよ、お願い!一生のお願いだから!」

「…じゃあファミレス寄ってもいい?写しは嫌だから教えてあげる」

「え?ほんとに!?よっしゃー!さすが優香は頼りになりますなー」

麗奈は後ろから優香の肩をつかんだ。

「ちょっとやめてって!…じゃあ行こ」

「はーい!」

二人はファミレスへと歩いていった。

その様子を電柱の影から見ている者がいた。

「…」

その者は周囲を確認し、早足に去っていった。


「ねえ前も言ったでしょ!この時間塾あるから行けないの!」

数日後の夜、レーダーアプリが怪物の反応をキャッチし、麗奈は自転車で公園まで向かっていた。

「うわそうだったごめん!じゃあ私先行ってるから!終わったら来て!」

「一人で大丈夫?」

「うーん…まあなんとかなるって」

「分かった、あとちょっとで終わるし、そしたらすぐ行くから…無理しないでね」

「うん、優香も塾がんばってー」

「ありがと、じゃあまた」

麗奈は電話を切ると、自転車を漕ぐ速度を速め、坂道を下った。


「はぁはぁ…」

麗奈は公園に到着し、怪物を倒した。

うまく立てずに木に寄りかかっている。

「…一人は…ちょっときついかも」

変身を解こうとしたとき、

パチパチパチパチパチパチパチ

どこからか拍手が聞こえてきた。

「え…誰かに見られちゃった?」

だんだんと拍手の音が大きくなる。

音のする方を見ると、黒を基調としたドレスに身を包み、紺色のステッキを持った少女がいた。

「うわかわいい」

少女は拍手を止めた。

「お見事だったわ…今日は一人なのね」

「いやそうなんですよー相方ちょっと用事があってさー」

「…私を見て驚いたりしないのかしら」

「え?あ、まだ名前聞いてなかったごめんなさい」

「…まあいいわ…私の名前はファントム・シュバルツ…闇の使者で…あなたたちを葬る者よ」

「えー!?何それかっこいー!」

「…ふっ…まだ自分の立場が分かってないようね…じゃあ体で教えてあげるわ」

「え?」

ファントム・シュバルツはステッキをくるくると回し、麗奈の方へと向けた。

「ファントム・フラッシュ!」

ステッキから紫の光線が発射され、麗奈に命中した。

「きゃあああ!」

麗奈は少し吹き飛ばされた。

「どうかしら、闇の力は」

「くっ…敵キャラだったのか」

「やっとわかってくれたようね…じゃあ次は…」

ファントム・シュバルツはゆっくりと麗奈に近づいていく。

「…くそ…」

「危ない!!!」

声がする方向を向くと、変身した優香が全速力で走ってきていた。

「おりゃあああああああ!」

優香はジャンプし、ファントム・シュバルツに強烈なドロップキックを食らわせた。

「え、きゃああああああ!」

ファントム・シュバルツは大きく吹き飛ばされ、ジャングルジムに激突した。

「大丈夫!?」

優香は麗奈に駆け寄る。

「うん私は…いやちょっと辛いかも」

「間に合ってよかった…それであの人は何?」

ファントム・シュバルツは立ち上がれずにうずくまっている。

「ぐっ…痛…くぁぁぁ…腰が…」

二人はファントム・シュバルツの方を見ている。

「いやそれがさ、怪物を倒せたと思ったら急に現れて、闇の使者とか言っててさ」

「え、不審者?」

「いやそれだけじゃなくて、杖から光線も出して…」

「ええ?どういうこと?」

ファントム・シュバルツはフラフラしながら立ち上がって歩き出した。

「はぁ…なかなかやるじゃない…今日のところは見逃してあげるわ…また会いましょう…じゃあね…あぁ腰痛い」

そう言いながら公園から出ていった。

「…またって…また来るのかな」

「…本当に誰なのあの人」

「ファントムなんちゃらって言ってた」

「いや誰だよ」

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