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2話 先輩までキャラ濃いのは聞いてない!

<登場人物>


*浄南病院研修医1年目*

・纐纈桜:主人公.A大学出身.北山田高校出身.

・箕浦健史:A大学出身,桜と一瞬恋愛関係になりかけたが桜に振られた.北山田高校出身,桜と同じ塾出身.

・秋間拓弥:A大学出身,高校時代桜と塾も一緒だった.西又高校出身.

・藤原琴海:B大学出身,北山田高校出身.言い方がキツくて桜は苦手.

・大輪田祐之:C大学出身,西又高校出身.第一印象よりは気さくだけど内弁慶.


*その他*

・美絵里:桜の大学の親友.

4月2日.

今日は1つ上の先輩方に,病院のカルテとか設備とか,勤務内容を教えてもらう日だ.


「今日は俺と長瀬で説明するな.他の3人は救急とか当直明けとかでいないし.」


私たちひよっこ5人の前に出てきた2人は,女性の先輩と男性の先輩.

話してる先輩の第一印象は…


____チャラい!!!


まず髪色何?まあまあ脱色しているよね?ダサい髪型にしろとは言わないけど,厳格な仕事だよね,いくら研修医でもさ…

それに服!普通は白衣とかスクラブって服を着て過ごすだろうけど,この人Tシャツ!?なんかインソタとかでイキって画像とかショート作ってそうな人…


この私,こういう人種,めっちゃ嫌い!!!


早速箕浦に絡んでるし…何かコソコソやってるけど…微妙に声が聞こえてくる…


「俺さ,よく行くクラブの女とかと知り合いでさ,いいの紹介しようか?」

「え,まじすか?」


…あーあ,終わってるわ.

隣にいる女性の先輩は,ショートへアで,どちらかというとクール系.最低限しか話しかけてこなさそう…


「今からカルテの説明をするから,医局に行こう,角田も一緒に」

「はいよー」


…もう既に,お腹いっぱいです私…




医局っていうのは,医師の自分の席があるところで,そこには何台かのパソコンがあって,カルテが開ける.

医局に着いて,パソコンの前に椅子を並べて1年目全員で座る.


「私,長瀬菜子《ながせなこ》.で,こいつが角田遊星《つのだゆうせい》.よろしくね」


なるほど,角田先生が危険人物の名前っと.私知ってるの.こういうタイプに近づくと,自分に何かしらの害が及ぶって.

長瀬先生が話してすぐに,角田先生が消えていった.

…私の見た目の判断が正しそうなことがわかってきたぞ.


「ここのカルテはNFCってメーカーのを使ってるんだけど,大学の時はどうだった?」


A大学にいた時の実習で使っていたのはNFCのカルテだったから,使い方はある程度わかる.

あまり詳しくないのは藤原さんだけっぽかったけど,器用な子だから多分どうにかなりそうなんじゃないかな.


「とりあえず研修医の仕事は救急外来を回すこと.これさえできていれば大丈夫.それに必要なタブを教えるから,あとは触って何とかしてね.テスト患者ってのがあるから,それで練習するのもいいと思う」


それだけ言って,長瀬先生はいなくなってしまった.向かっていた先は自分の机.

机に向かってすぐにスマホを横向きにして…


…もしかしてこの人,今ドラマ見てるの?え?勤務時間中の病院内で?

よく考えれば,角田先生もどこにいったのかわからないけど,あの様子だと決して仕事しに消えたとは思えないし.


「この病院を受けたのが間違いだったのかな…」


段々,去年この病院の見学に来た時のことがうっすらと思い浮かんできた…



_________


1年前の6月に見学のために浄南病院にやってきた.

見学に来た理由なんて,とにかく立地!!便利もいいし,ゆるそうだから遊べる!今後のことなんて考えたくなーい!


…って,そんなことを考えてた.

でも,そんな中でも,自分の真面目な部分が問いかけてきた.


"本当に,楽なところでいいの?もし今後大変な診療科を選びたくなったら?"

"研修病院までは自分で決められるけど,今後は自分で病院を選べないから,どんな病院でも恥をかかないようにしないといけないんじゃない?"


最終的には真面目な部分が勝って,浄南病院は第一志望にしなかった.

それもあるし,当時の見学した時の研修医の表情と話してた内容が,今になって克明に思い出される.


『…うちの同期は,バラバラだし,ちょっと大変かもね』


苦笑いのそんな研修医の先生の言葉.それもあって,第二志望に名前を書いた.


__そんな,記憶なんて,今日まで完全に忘れてた.



_________



…そうだ,私は前に覚悟して第二志望に書いたんだ.

他の3人がどんな人であれ,私はもう仕事してお金を稼げる人間.嫌な人がいようがいまいが大人な対応をするのみ!


「纐纈さん,今から夜の勤務についての話だって」


そんな大輪田君の呼び声に,私は「今行く!」とだけ返して,メモ帳をスクラブのポケットにしまった.




「初めの2週間はまず病院に慣れてもらうことからなのでまだ免除ですが,準夜勤で救急を学んでください」


研修支援の担当者から誰がいつ入るか,というのが書いてある紙が配られた.私たち1年目には,それぞれ2回ずつ準夜勤が割り振られていた.


_____病院によって,研修医1年目の当直の入り方は違うらしい.

浄南病院では,4月の間だけ,まず17時から22時までの“準夜勤”から始まる.

普段の当直は,上級医の先生と研修医の2人だけ.でも4月だけは,そこに私たち1年目が一人追加される.つまり,上級医+2年目+1年目の3人体制.

2年目の先輩が実際に救急を回すところを見ながら,私たちも患者さんを診て,少しずつ仕事を覚えていくための期間らしい.

そしてゴールデンウィークから,今度は私たち1年目も,上級医の先生と2人だけで当直することになる.


……え,4月の間にそこまでできるようになれってこと?たった2回で独り立ち?


準夜勤の話を聞いて1番怖いなって思ったのは何だと思う?22時まで働いてるのに,次の日も仕事はあるってこと.


「準夜勤では2年次の先生がいるとしても,不安だよね」

「ぶっつけ本番ってことか…」


本当にその通りで,私,いきなり救急に出されてもまともに働けないよ??


不安がいっぱいになりながら,私の初めての救急の日を見てドキドキしていた.



本当にとんでもない事件が巻き起こることを予想していたかのように____

次回は9月5日更新です.

最終的には10万文字くらいになるかなと思っております.

今後の反響にはよりますが,続編もかけたらいいかなと思います.

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